ギルドに報告します(不本意)
「ローガン君、あなたも同じ意見?」
「あーどうでしたかね?僕は昨日ここに来たばかりですから土地勘も人の顔と名前も分かりませんし、そういった事は彼に聞いて貰ったほうが良いでしょうね、それでは僕はこれで。」
「そうゆうわけにも行かなくなってしまったわ。実はその教会からシスターエルザが今朝から居ないみたいで、ギルドにも問い合わせがあったの。依頼ではないけど確認の為にね、誰かが見かけてないかって。」
「それなら顔も名前も知ってそうな彼に聞いておいた方が良いのでは?」
「あの子は興奮し過ぎてお話にならないの。1時間も前から黒騎士さまに助けられました!って繰り返しているだけ。だからとりあえず、あなたの知っている限りの事で良いから、教えてくれる?」
あんにゃろ、余計な事ばっか押し付けてきやがっって………
しかしこっちもあんまり詳しくは話せない。
「僕から言える事は、そんなにありませんよ?」
というわけで説明タイム
・昨夜、ある場所で3人組に捕まった
・首から下が言う事を利かなくする首輪を掛けられた
・街のどこかの締め切った空間の檻に入れられた
・シスター的な格好のお姉さんが入って来て、気持ち良い事をしましょうと言ってきた
・全身黒ずくめの人が入って来て、戦闘が始まった
・黒いローブを着た人とすごい戦闘をしてたけど、最後に黒ローブの人が自分の所に吹っ飛んで来て、意識を失ってしまった
・気がついたときには街中で横になっていたので、何処に捕らえられていたかは分からないし、シスターがどうなったかも分からない。
以上。
基本的に重要な場面は気絶してましたって事で乗り切った。
エミリーさんはもっと詳しく聞きたそうだったので、
「ところで、シスターが言ってた気持ち良い事ってなんですか?(10さいなので分かりません。)」
と言ったら、顔を赤くして逃げて行った。
これでよし。
ここで物語の主人公だったら、俺何でも知ってますよ?みたいな感じでホイホイ現場検証についていって、黒幕の影が…みたいになるだろうけど。
そんな事する訳ねぇだろ、面倒臭い。
と言うわけで、今日もちゃんと働いて日銭を稼ごう。
1日かけて薬草を摘み、ギルドに帰ってきた。
さっさと報酬もらって出て行こう。
誰かに絡まれる前に。
「よぅ、坊主。」
絡まれましたわー。あと3歩って所で絡まれましたわー。
「その声は、えっと…ダ、ダドリーさん!」
「ガストンだ、ガストン!」
すいません、覚える気がありませんでした。
確かギルドで最初に突っかかってきた人、だよね?
「しっかし、お前も大変だったんだな?怪我は無いのか?」
「お蔭さまで大丈夫ですよ。」
「もう寝る場所は決まったのか?」
「これから探す所なんですよ。」
「それなら良い場所があるぜ、着いてきな。」
うへぇ、この強引な感じ…前世の誰かさんを思い出すぜ。
連れていかれた先は、ギルドに程近い場所にある宿だった。
「ここなら用心棒もいるし襲われる事もないぞ、少々値が張るがな。今日は俺が奢ってやるから、お前もここに泊まれるくらい稼げるように強くなれ。」
そう言って鍵を渡してくれた。
なんちゅう良い人、感動。
「あ、ありがとうございます。顔は怖いのに良い人なんですね。」
「顔が怖いは余計だ。昨日はちゃんと眠れてねぇだろ、ちゃんと休め。」
これは天然記念物モンの良い人ですわー。
有り難く受け取っておく事にしよう。
宿では2階の一室に通された。
なんという事でしょう。
鍵も掛かるし、食事にも飲み水にも何も混入されてない!
なんて素晴らしい部屋なんだ!
「昨日に比べたら100倍良いな。」
「それを聞いて変身解除!」
「ソフィ、誰かに見られたら…まぁ良いか、従魔で登録してあるし。」
「私もちゃんとふかふかのベッドで寝たい。」
「それは良いけど、俺を抱き枕にしないでくれ、あと俺の頭は食料じゃないぞ?」
「分かってる分かってる。」
おやすみ。




