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ロコー家襲撃(勇者視点)

「“ホーリィバースト”」


上級魔法、“ホーリィレイ”と“フレイムバースト”を掛け合わせた聖属性の近距離爆発魔法だ。

僕の右手から、火と光の魔法陣が二重に浮かび上がった。

直後、聖なる炎の爆風によって、ロコー家へ忍び込もうとした卑劣な魔族は塵も残さず蒸発した。


「ゆ、勇者殿………今のは流石にやり過ぎでは?せめて捕えて尋問などをしたかったのですが………」


影から見守っていた長男のマリクが声を掛けてきた。


「こいつらは生かしておく価値などありません。生け捕りにしても良い事など一つも無いのですよ。」


こいつらは幻術や魅了などで人を惑わす。

大体初見でこのイベントを迎えると、こいつを捕らえて尋問しよう、という意見が採用されるわけだけど、そうすると余計に被害が大きくなってしまう。

最悪この館内の主要人物が全員死ぬ。


………霧が出て来たな。


「そんな事より、本番はこれからです。実はこれから、本当のイオリ様が襲ってきます。」


さっきの空間で、アラクネの死体と合成させられた哀れな魔物としてね。

本当は襲ってくる、というより人間の頃の帰巣本能みたいなもので帰ってくるだけなんだけど。

さっきの三男に化けてたヤツは、そいつと戦うことで、自分の嫌疑をうやむやにしようって腹だったんだ。

だから早めにケリをつける必要があった。


それにしても、なんでアンデッドが襲ってくる時って基本的におどろおどろしい雰囲気になるんだろうな。

急に太陽が雲に隠れたし、霧で視界も良くない。


僕は橋の上から魔族領側をじっと見据えた。


「ッ!?勇者殿!!」


瞬間、後ろから何者かに突き飛ばされた。

予想外の事に後ろを振り返ると、


「な、なんだこれ?」


マリクが白いロープのようなものに絡まって、体が地面に縫い付けられてしまっている。

僕をかばってくれたの?

周りを見回すと、橋や館の至る所に白いロープのようなものが張り巡らされていた。

館の窓や入り口などが塞がれており、外に出ていた者も殆どが捕まってしまったようだ。


「蜘蛛の、糸か?」

「私にはアレを攻撃出来ません。変わり果ててしまったとは言え、愛すべき弟だったのです。」


マリクの言った「アレ」の言葉に慌てて後ろを向くと、100m程先で真っ黒な蜘蛛がこっちを眺めている。

遠くなのでわかりにくいが巨大な蜘蛛だ。小さなトラックぐらいのサイズはある。

丁度、蜘蛛の目の上には金髪が生えており、そいつの正体を物語っているようだった。


「勇者殿、あれが?」

「そ、そうですね。そのはずです。」


領主様は流石に先程の蜘蛛糸を避けきったようで、こちらに話しかけてきた。


おかしい………こんなパターンは知らない。

通常なら、あの蜘蛛はただ家に帰ってきたいだけだから、こちらから先制攻撃ができたはず。

それで楽勝になるはずだったんだけど………今回はあちらから攻撃を加えてきた。


最初からロコー家を襲う気で来たってことか?


「ところで領主様、聞きたいことがあります。」

「どうかなされたか?」

「イオリくんに恨まれるような事、しました?」

「………………いや、知りませんな。」


ダウト!


何か絶対恨み買ってるよ!何なんだこの展開!?


よし、落ち着こう。

何故かは知らないけど、何かフラグ立てを失敗したみたいだな。

ここからは僕の知らない展開だ。慎重にいこう。



「申し訳ないですが、僕の見た未来とは違う展開になってきているので、領主様も油断しないで下さい。」

「息子が人間に牙を剥くと言うのなら、親として責任を取らねばなりませんな。」



僕と領主様が剣を構えた所で、蜘蛛が突っ込んできた。

すいません、勇者視点もうちょっと続きます

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