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第17章:灰の味と最後の空

アリックの部屋に沈黙が降りた。

カエルの怒りを免れた機械のハム音だけがそれを破っている。カエルは老いたネズミの男から後ずさり、地下庭園の暗い隅に向かってつまずいた。膝から崩れ落ち、湿った壁を滑り落ちる。


少し離れたところに、喉を引き裂かれたバジャー・オウルのミュータントの死体が横たわっていた。カエルは露出した肉を見つめる。

彼の胃が鈍い音を立てた。栄養とは何の関係もない痙攣。唾液腺が不自然なリズムで働き始める。


『一口だけでいい』本能が囁き、彼の心の壁を引っ掻いた。『同化しろ。第1階層のために、もっと強くなれ』


「カエル……これ。あれ以外のものを食べなきゃ」

スタッシュの声が彼を揺さぶった。栗鼠の女は、非常用の備蓄から取り出した青白い塊茎を差し出していた。


カエルは弾けた。

低く喉鳴りのような唸り声と共に、彼はげっ歯類の切歯をむき出しにし、首の筋肉を隆起させて彼女の手を払いのけ、塊茎を吹き飛ばした。


「触るな!」彼は自分のものではない凶暴さでシューッと息を吐いた。


スタッシュはショックで目を見開き、一歩後ずさった。

カエルは自分自身の反応に恐怖し、震える自分の手を見た。手のひらをこめかみに押し当て、目を固く閉じる。

人間的な何かに必死にしがみつこうとした。アナベル。彼女の顔を視覚化しようとする。

彼女の手の温もりは覚えている、だが……彼女の目は何色だっただろうか? 青? 緑? それとも琥珀色だったか?

画像はぼやけ、有毒な雨の中に長く放置されすぎた写真のようだった。

代わりに、彼の脳は部屋にいるすべてのハイブリッドの頸動脈のマップを、恐ろしいほどの鮮明さで投影している。

キメラは単に彼の体を歪めているのではない。狩りの本能で彼の記憶を置き換え、彼の魂を食い尽くそうとしているのだ。


ポール、ヴェイン、そしてザックスは、巨大な発光キノコの冷たい光の下で円座になり、アドレナリンを沈めさせていた。

スタッシュはカエルに心配そうな視線を投げた後、彼らに加わった。


「第3階層はただの屠殺場だと思っていた」ヴェインが呟き、木くずと急ごしらえのライターで小さな火を起こす。少し離れた場所で縛られ、武装解除されて横たわるアリックを見た。「だが、常にこうだったわけじゃない。お前がその忌まわしい化け物どもで俺たちのトンネルを感染させる前は、俺たちには世界があった」


ザックスが頷いた。火が彼の甲殻に反射している。

「第8区画で、俺たちは空気を浄化するために胞子を栽培していた。第5区画は飲料水のフィルターを管理し、それを第6区画の金属と交換していた。俺たちには経済があった。生存のための物々交換に基づく脆い平和だったが、それでも社会だったんだ」


「そして、お前がそれを破壊した」ポールがアリックに向かって唸った。「お前の獣どもを送り込んで俺たちの交易路を断ち、俺たちを飢餓に追い込み、互いに喰らい合わせるように仕向けたんだ」


アリックは乾いた、疲れた音で笑った。

「社会だと? 暗闇の中で錆を掻き集め、苔を育てることを社会と呼ぶのか? 上にいる人間たちは太陽を持ち、技術を持ち、空を持っている。我々は彼らの生物学的な廃棄物であり、ゴミ捨て場に閉じ込められているのだ。私がその哀れな物々交換を破壊したのは、ここでの存在がシステムエラーであることをお前たちに気づかせるためだ! お前たちは実験室で殺人機械として設計されたのであって、農夫ではない。真の性質を受け入れさせるために、私はお前たちの正常性という幻想を燃やしたかったのだ」


カエルはゆっくりと顔を上げた。

ぼやけたアナベルの顔のビジョンが、アリックの目の狂気の上に重なる。

突然、彼は理解した。アリックは人間を滅ぼしたいだけではない。彼は、すべてのハイブリッドが救いようのない怪物であることを自分自身に証明し、彼自身が成り果てた怪物を正当化しようとしているのだ。


カエルはまだ不安定な足で立ち上がり、アリックに近づいた。

老いたネズミは歪んだ笑みで彼を見つめ、致命的な一撃を、息子のDNAの同化による最高傑作の完成を待っている。


しかし、カエルはナイフを鞘に収めた。


「俺はあんたを喰わない」カエルは低い声で言った。そこにもはや唸り声はなかった。「あんたのDNAは奪わない。あんたは俺の性質の主人じゃないし、俺の運命でもない」


彼はヴェイン、スタッシュ、ポール、そしてザックスの方を向いた。


「俺たちはシステムエラーじゃない。俺たちは生存者だ。そして今から、俺たちは空を取り戻しに行く」


彼らはアリックを彼自身の廃墟と化した実験室の心臓部に縛り付けたまま残した。自らの憎しみの囚人として。

そして、地表へ向かって上向きに傾斜する長い鉄道トンネルに入った。


古い地下鉄路線に沿った登攀は、無言の巡礼だった。

頂上に近づくにつれ、空気は薄くなる。何十年ものオゾンと湿気で肺が焦げ付いているカエルでさえ、これほど凍てつくように薄い酸素に適応するのに苦労した。


ついに外へ出た時、光は解放ではなく、物理的な平手打ちだった。

カエルは外套で目を覆わなければならなかった。

空は、記録文書の古い伝説にあるような青ではなかった。それは鉛色の灰色で、一世紀前の灰の雲に覆われていた。

彼らの前には、生き残った人類の廃墟が広がっている。塹壕、有刺鉄線、錆びた監視塔に囲まれた、厳重に要塞化された居住地。


人間のセンサーはほぼ瞬時に彼らを検知した。

警報のサイレンが地上の空気を切り裂く。

自動小銃とグレネードランチャーで武装した何十人もの兵士が塹壕から現れた。ガスクスマスクの裏に隠された彼らの顔には、純粋で明白な恐怖が滲み出ている。

彼らは何十年もの間、アリックの制御不能なミュータントからの孤立した攻撃を撃退して過ごしてきた。そして今、武装したハイブリッドの全グループに直面しているのだ。


カエルは一歩前へ出た。彼は手を空にして上げ、元のネズミの姿を保っている。

地上の風が彼の毛皮を揺らした。


「俺たちは武器を持っていない!」カエルは吹き荒れる風に逆らって叫んだ。「戦う気はない! プロジェクト・キメラは崩壊した! 俺たちには浄水器がある、深層で食料を育てられる、交易ができる! 俺たちはただ、もう暗闇に隠れるのをやめたいだけなんだ!」


胸壁から、強化装甲の中で震えながら人間の指揮官がライフルを構えた。

「お前たちは何年も俺たちを虐殺してきた獣だ。地下の忌まわしき化け物め! 撃て!」


彼が引き金を引く前に、居住地の右翼を咆哮が揺るがした。

アリックの実験室から逃げ出してきたミュータント――心を持たない巨大な鮫熊(シャーク・ベア)のハイブリッドが、隣接する廃墟から飛び出してきたのだ。

怒りで盲目になった怪物は人間のバリケードに身を投げ、瞬時に二人の兵士を解体し、無防備な技術者のグループに真っ直ぐ向かっていく。


カエルは躊躇しなかった。

彼らが皆怪物ではないことを、どうにかして人間に示したかった。


彼はキメラを爆発させた。

フクロウの翼が外套を切り裂き、アルマジロの装甲板が胸を覆い、ゴリラの巨体が彼の骨格を乗っ取る。

彼はミサイルのように自らを発射し、シャーク・ベアが他の人間の犠牲者を出す前に激突した。

タイタニックな激突が続く。カエルは破壊的な噛みつきを吸収したが、巨大なカニのハサミで狂った獣の脊椎をきれいに切断し、居住地を救った。


荒い息をつき、ミュータントの黒い血にまみれながら、カエルは人間の方へ向き直った。未だにその恐ろしいキメラの姿のままで。


「見たか?」彼は喘ぎながら、巨大な爪の生えた手を差し出した。「俺たちは共存できる……」


バーン。


大口径の弾丸が彼の肩を貫いた。

カエルは後ろによろめいた。

人間たちは救世主など見ていなかった。彼らが見たのは、血と肉片にまみれた、想像を絶する生物学的恐怖、究極の頂点捕食者だけだった。

恐怖が理性のあらゆる欠片を消し去る。


「その忌まわしき化け物を殺せ!!」指揮官が絶叫した。


鉛のひょうが彼らに降り注いだ。

かすめるような弾丸がスタッシュに当たり、彼女は悲鳴を上げて地面に崩れ落ちた。ポールの近くでロケット弾が爆発し、彼の石灰化した岩をひび割れさせる。ザックスとヴェインは、負傷者たちをコンクリートのトンネルの残骸の後ろに必死に引きずり込もうとした。


時間が凍りついたように見えた。

カエルはスタッシュの血が灰色の土を染めるのを見た。

冷酷な戦略家であるヴェインを見た。見開かれた目でこちらを見つめ返す彼もまた、自分たちがここで全滅しようとしていることを完全に理解していた。


もしトンネルに退却すれば、人間たちは彼らを狩るだろう。

第2階層へ降りてくる。それから第3階層へ。彼らは温室を見つける。アナベルを見つける。

怪物への恐怖から、彼らは世界を燃やすだろう。


『アリックは正しかった』

獣が彼の心の中で囁き、ついにその完全で逃れられない力を彼に提供した。

『奴らは俺たちを死ぬほど憎んでいる』


カエルはやりたくなかった。彼は自分の存在のすべての繊維でそれを嫌悪していた。

彼はただ、普通の生活が、見上げるための空が、未来が欲しかったのだ。

だが、アナベルと新しく見つけた家族への愛は、彼の魂を清らかに保ちたいという欲求よりも大きかった。


もしハイブリッドの狩りをやめるために、人間たちが恐れるべき『怪物』を必要としているのなら。

カエルはその怪物になろう。これが、本当に最後だ。


「ヴェイン……」キメラの声は深く不自然に響いた。カエルはマストドンのように巨大な体をいっぱいに伸ばす。「彼らを連れて行け。背後のゲートを閉じろ。第2階層を封印しろ」


「カエル、だめ!」スタッシュが立ち上がろうと叫んだが、ザックスが彼女を引き留めた。


「行け!!」

カエルは咆哮し、仲間のための生きた盾となるべくフクロウの翼を広げた。


グループがトンネルの暗闇の中に消えた時、カエルは人間の軍隊の方へ向き直った。

彼はすべてのコントロールを放棄した。

彼が喰らってきたすべての獣たちを、純粋な暴力の交響曲として爆発させる。


それは栄光に満ちた戦いではなく、カエルは恍惚感など全く感じなかった。

それは悲劇的で、計画的で、胸の張り裂けるような大虐殺だった。


彼はゴリラの力を使って監視塔を粉砕し、カニの装甲で機関銃の火を吸収し、ウサギのスピードで塹壕の兵士たちをなぎ倒した。

彼は殺した。その爪が人間の命を消し去る中、カエルは獣の中で泣いていた。彼が地球の表面から消し去っているすべての父親のために、すべての息子のために泣いた。

アナベルが純粋なままでいられるように、彼は許されざる罪で自らを汚し、自分自身の人間性を血で溺れさせていた。


怒りは一時間続いた。

銃が永遠に沈黙した時、居住地は煙と灰に包まれた静かな墓場と化していた。


限界は突破された。

カエルの生物時計は砕け散った。

キメラは自重で内側に崩壊する。骨は焼けるような最後の苦痛と共に縮み、肉は元に戻っていく。

カエルはネズミのハイブリッドの姿に戻った。今や装甲を剥がされた彼の体には、何十もの致命的な銃創が刻まれている。

真紅の血が――ついに人間の、ついに彼自身の血が――外套を浸した。


彼は仰向けに倒れ、雲の隙間から分かれる灰色の空を見上げた。

軽い足音が近づいてくるのが聞こえた。ザックスは去っていなかったのだ。第8区画のボスは彼の隣にひざまずき、彼の小さく埃まみれの手を取った。

カエルは咳き込み、呼吸は浅くなっていく。

痛みは薄れ、奇妙で優美な平和に取って代わられていた。獣たちの声はもう聞こえない。彼は再び、ただのカエルに戻っていた。


「ザックス……」カエルは微かな笑みを唇に浮かべて囁いた。


「俺はここにいる、カエル。俺たちはやり遂げたんだ」


「彼女に……思い出せたって、伝えてくれ」カエルは目を半分閉じ、天空のアーチを見つめた。「彼女の目は……雨上がりの……新しい苔の色だ」


カエルの呼吸が止まった。

その手はザックスのグリップの中で冷たくなった。空を夢見たネズミは永遠の眠りについたが、自らの魂と引き換えに自由を買い取ったのだ。


スタッシュが彼の隣に膝から崩れ落ち、震える手で彼の血まみれの毛皮を握りしめた。

彼女は崩れ落ち、仲間の体の上で絶望的に涙を流し、その涙でカエルの顔の埃を洗い流しながら、あの地獄で彼女に希望を取り戻させてくれた唯一の生物の喪失に嗚咽した。


感情的に打ちのめされた他のグループのメンバーたちが、小さく打ちのめされたネズミの男の周りに狭い円を作って集まった。

ヴェインがゆっくりと近づく。目に涙を浮かべながら、フォックス・マンはその脆弱な姿を見下ろした。世界がこれまで見た中で最も恐ろしい怪物になることができたはずの生物。

彼には憎む権利があり、破壊する権利があり、血の中の暗闇に飲まれる権利があった。それにもかかわらず、彼が耐え忍んできたすべてのことにもかかわらず、彼は最後まで人間であり続けることを選んだのだ。


「彼だけだった」ヴェインは静寂を破る声で呟いた。「怪物になるには、それを選ばなければならないということを、本当に理解していたのは我々の中で彼だけだった。カエルは決して、それを選ばなかった」


数ヶ月後、第8区画の静寂は『生命』の静寂となっていた。

移住は終わった。何十人ものハイブリッドが上層区画に定住し、交易を組織し、再建し、新鮮な空気を呼吸している。


庭の中心、発光キノコの光の下で、アナベルは肥沃な土の上にひざまずいていた。

彼女の腹部は柔らかく丸みを帯びている。新しい命。その子供が自由の身で生まれることを許すために、自ら怪物となることを選んだ男の、穢れなき断片。


ザックスは近くに立ち、静かに彼女を保護していた。

アナベルは小さな種を取り、土の中に慎重に押し込んだ。彼女の中にもはや怒りも、絶望もない。

彼女は避難所の金属の天井を見上げ、その何マイルも上、鋼と灰の向こう側に、今や彼らが再建すべき壊れた世界があることを知っていた。


「私たちは目を覚ましているわ、カエル」アナベルは子宮に手を当てて囁いた。「そしてこの空は……私たちのものよ」

【謝辞】


妻のアナベルへ。

作中のカエルにとってそうであったように、あなたは現実世界における私のいかりであり、安全な避難所でした。

あなたの光、支え、そして強さがなければ、『プロジェクト・キメラ』がこの世に出ることはなかったでしょう。いつもそばにいてくれて、本当にありがとう。


そして、この物語を読んでくださったすべての方へ。

この世界に足を踏み入れ、カエルの旅に同行していただき、心から感謝申し上げます。

最後のページをめくった後も、この物語が長く皆様の心に残り続けることを願っています。

本作を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


(※最後にもう一つだけお知らせです!)

現在、私のメイン作品として『犬人に転生した俺は【海賊】クラスを選ぶ』という異世界海洋ファンタジーを毎日全力で連載しています。

システム、バケモノ船員、そして【運】極振りのダークな成り上がりストーリーです。

もし私の作風を気に入っていただけましたら、ぜひ作者マイページからそちらも読んでみてください!応援よろしくお願いします!

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