チートなおじさんが大変な目にあいました。
遅くなってすいません。おじさん痛いです。グロ多目注意。
「ぎゃあああっ!!!!!!」
自分の悲鳴で目が覚めた。
急いで辺りを見回そうとするが、どこかに縛り付けられている両手両足のせいか動けず、仕方なく首だけを動かし改めて周りを見る。
「…!!」
驚愕した。今自分が寝ている場所は手術台らしく、天井からぶら下がったライトが眩しい。そして、手術台の横のテーブルにはメスや注射器の入った容器や薬品の入った瓶が沢山並んでおり、瓶の中には目玉やどこかの神経が入った物もある。
「起きたかい?」
突然声が聞こえそちらに顔を向けると、ジェイダが嬉しそうに笑いながら立っていた。
「…」
「そんな怖い顔をしないでくれ…ふふ、痛いのは一瞬だけさ」
「…何をする気なんですか」
ジェイダは細い顎に手を当てうーんと呟くと、困ったように眉を寄せた。
「まぁ、まずは解剖して内臓とか調べて血液も採取して一応色々な苦痛に耐えれるかどうかの実験もするかな。いやぁでもビックリしたよ。君ったら腕一本を切り落としても起きない麻酔を使ったのに指一本切り落としただけで起きちゃうなんて。酷い事したね、ごめん」
背筋が寒くなるような事を言われ、首を起こして見てみると、右腕の小指が無くなっており血の滲んだ包帯が巻かれている。
「!?」
一気に顔が青ざめる。ジェイダはクスクスと不気味に妖艶に嘲笑する。
「痛みがないのは君の能力だろうね。指を落とされた事による苦痛を自らの悲鳴で認知した瞬間指の感覚と脳の神経の一部を麻痺させたんだろう」
ジェイダは自分の見解を述べながら手袋をした手でメスを取り、こちらに向け、いつの間にか剥き出しになっていた腹にスーッと躊躇い無く刺した。最初こそ皮がメスの先を抵抗したが、数秒後にはズブズブと傷口から血を噴き出しながらメスは体内に侵入してきた。
「ぐぁああぁあぁ!!!」
形容しがたい激痛が全身を走り、大量に汗が流れた。
「さすがに連続で麻痺は使えないのか?それとも、まだ制御しきれていないのか?…うん、血液の成分も調べないと分からないな。よし、内臓に触った。色は普通だね。ここは腸か。抜き取ってみるか?」
恐ろしい発言を次々とするジェイダに身体が震える。ジェイダはそれに構いもせず、ふふ、と目を細めた。
「なぁに冗談さ。それよりどうだい?痛みは?消せるかい?」
「ッ…馬鹿か君はッ…?」
「ふ、良いね、良い。美しい眼球だぁ…」
地面を這いずるような声で囁かれ寒気が走る。本能的に目を閉じると、ある変化が起きた。
「!?」
痛みが一瞬にして消え去ったのだ。数秒後、微かな違和感と共に、血が体内に吸収され、小指の感触が戻り、ジェイダにつけられた全ての傷が跡形もなく回復したのを感じた。
驚いて目を開けると、ジェイダも驚愕したのか口を意味もなく開閉させている。
「凄い…すごいよ…君、凄い!凄まじい!肉体の自動再生高速治療!体外に出た血液を再び吸収し問題なく使用できる適応力!究極だ…最強だ!血液解析に使う為の血液も少量しか残ってなぁい!ふふふふふ、あははっはっはぁはーっはっー…解析を急がなくては!」
狂ったように笑いだし、急に側にあったボタンを押した。胡散臭い「ピンポーン」という音がした直後、台に縫い付けるように鎖が出現し、両手両足、首さえも縛り付けられた。完全に動けなくなり、目だけでジェイダを見たが、ジェイダはもう部屋の奥へ姿を消していた。
一人取り残され、もしかしたらという気持ちで足掻くが、鎖はびくともしない。
「とりあえず待つしかないか…」
諦めて、数十分待った後、頬を紅潮させ嬉々とした表情を浮かべたジェイダが数枚のプリントを持って小走りでやって来た。
「はぁッ…はー!はー!君、君凄いよ!」
目を充血させて繰り返すジェイダに恐怖を感じたが、気にせずジェイダは喋り始めた。
「血液を解析して成分を調べたところ、君の能力が発覚した。君の能力は『能力を創る能力』だ。これは君が心の底から望んだ力を自由に手に入れる事ができる。しかも上限は無い」
途中から震えるような声で喋っていたので辛うじて聞き入れる事が出来たが、その内容は困惑という感情しか呼び起こせなかった。
能力を創る…?
意味が一瞬分からなかった。ほんの一瞬だけ。分からなかった。だから、『理解したい』と思った。『心の底』から。
その時、能力が発動した。




