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ただいま異世界巡回中!  作者: Riviy
三周目 御伽噺ノ古城
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第五十五ゲーム・謎、始動



「おはようございます。お迎えにあがりましたよ♪」

「遊んでるなら、清光を突撃させるよ?」

「にゃあああ」


鉄格子の隙間からニッコリと笑うメアの顔が見える。その顔が楽しそうに笑っているのを見てしまい、ツキカゲがそう呟くと清光が声を上げながら、「いつでもどうぞ?」と言うように動き出す準備を始めた。それにメアは慌てて牢屋を開けるべく、鍵を取り出した。清光の突撃がどのようなものか分からない以上、「動く」を選択したらしい。まぁ、仮猫の清光だ。顔に飛び付いてくるとかだろう…多分。昨日の作戦会議から一夜明け。メアが来たと云うことは当事者で原因であるシンデレラが外出したと云うことだ。彼女によれば二、三時間は帰ってこないらしいのでその間に全てを終わらせる。はてさて、悪魔に与えられた力により可笑しくなっており、幻のようなものを見ていると云う仮説は合っているのだろうか?

牢屋から全員が出、メアが扉を開け放ったまま、湊達を振り返る。


「それでは、上へ上がったら別れましょう。場所は分かっていると思いますので」

「メアは、どうするの?」


湊の素直な問いにメアは妖艶に笑い、口元に人差し指を当てた。内緒、と云うことらしい。湊がしょうがないねとコンクリートの上で寝たがために少しだけ凝ってしまった体を解すために軽く準備運動をし、腰にある短剣を確認する。視界の隅では湊と同じようにピィアレナが背伸びをしているのが見えた。準備は万全。それを示すようにツキカゲを振り返れば、彼は真剣な表情で頷いた。清光が湊の肩に飛び乗り、こちらも準備は良いと言ってくる。


「湊ちゃん、無理は駄目よ?」

「ピィアレナー大丈夫だよ?ピィアレナもだからね?」

「あら、あたしは平気よ。ねぇ龍華?」

「ん…一応の注意は必要だと思うけれど?それより主人、そろそろ」

「あ、はーい」


龍華に言われて湊は返事をした。そして階段付近で今か今かと待ちわびているメアに向かって目配せしたメアが頷き、階段を駆け上がった。それを追うようにピィアレナ、湊と清光、龍華、ツキカゲが続いた。どうやら牢屋は巧妙に隠されていたらしく、彼らが出たのは館の何処かの廊下だった。高価そうだと感じていた絵画が並ぶ廊下の近くのようで少し奥に絵画が見える。湊が出て来た場所を振り返ろうとして、二人が出てくるのに気づき、慌てて廊下に躍り出た。そうしてよくよく確認すると壁の一部が隠し扉になっており、外からでは分からないように壁と同じ装飾をされていた。その隠し扉をツキカゲが閉め、全員を振り返るといつの間にかメアは姿を消していた。


「あれ、メアは?」

「え?あ、いない。先に行ったんじゃない?」

「行動するって、ツキカゲに言われて動くって言ってたもんね」


何処を見渡してもいないメアを心配しつつ、次の行動に移る。メアは使用人全員、暇を出されたと言っていた。つまり、今誰もいないはずだ。だが、一応で警戒しながら昨日案内された部屋を目指す。絵画が飾られた廊下。見事な桜の絵画を横目に通りすぎれば、あとはすぐである。絵画の廊下を進んですぐ、あの部屋の証であろう豪華な観音開きの扉が見えて来た。が、その前の角でピィアレナが一度止まり、顔だけを出して左右を見渡した。いないとわかっていても用心に越した事はない。誰もいない事を再確認し、一斉に扉に駆け寄る。ツキカゲと龍華が左右のドアノブを握り締め、頷き合う。その視線の先にいるのは武器を構える湊とピィアレナだ。清光は湊の肩の上でいつでも飛び出せるようにとお尻を振って扉の中を狙っている。湊とピィアレナが頷き合い、それを見て二人が息を合わせて扉を開け放った。少し開いた隙間に体を滑り込ませて女子二人が侵入する。そのあとに男子二人も遅れずに滑り込む。外出したシンデレラが帰って来た時に不審に思わないよう、扉を閉める。ガチャ、と重々しい音が暗闇の中に響き渡る。カーテンから洩れる夜の明かりだけでは暗闇を照らすことはできやしない。


「……?真っ暗」

「あの時は、魔法陣の光があったからね。でも…今はないのかな?」


呟かれた龍華の言葉に湊が苦笑しながら言う。魔法陣の光があの時のように仄かに光っていない。消えているのか、はたまた本人がいないのか。確認は失敗か?少しでも悪い方向に考えてしまう彼らの心中を表すように、清光が小さく鳴いた。少し驚いているのか、甲高い声だった。


「なぁん」

「清光、どうかした?」

「なぁ、みゃああ」


湊を危険や警戒から守るように背後に隠していたツキカゲが清光に問いかける。仮猫なためか、夜目が効いているようだ。清光はふわふわの尻尾を器用に使ってある方向を指差した。その方向を夜目が効いていない全員が目を凝らして見る。一番初めに見えたのは瞳に龍が刻まれている龍華と刃物のように鋭い瞳を持つピィアレナだった。暗闇の中、二人の息を呑み、驚く声が響く。なんだなんだと湊がツキカゲと顔を見合わせていると突然、パッと光がついた。部屋の明かりがついた訳ではない。あの時見たものと同じ魔法陣が足元に展開されたのだ。妖艶であり、何処か妖しい雰囲気を漂わせた魔法陣の上には同じようにソファーが置かれていた。だが、そのソファーに身を委ねていたのは、フードに身を包んだ異端児ではなかった。魔法陣の光で浮かび上がったのは、


「?!シンデレラ?!」

「は!?どういう事!?」


糸が切れた操り人形のように身を委ね、片目に何重にも包帯を巻いたシンデレラ本人だった。


次回作用に考えていたものが大変な量に(笑)まぁそんなこんな。

次回は来週です!

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