多重詠唱と魔力回復魔法
うまく書けなかった……泣
マーリンさんが言った多重詠唱?という言葉を僕は、理解できなかった。
「多重詠唱………?」
「あ、それ!私知ってる!一回で複数の魔法の詠唱をすることでしょ?」
「まぁ、簡単に言えばそうなんじゃが、少し違うかの。
まず、多重詠唱は、無詠唱が出来ないと扱うことが出来ん。じゃから、ジークには、まず無詠唱で魔法が使えるようになってもらう」
「む、無詠唱ですか……」
正直言ってあまり自信がない。無詠唱の事は知っていたけど、まさか自分が使うことになるなんて思いもしてなかったから。
「さぁ、今日は、この辺にしておいてもう休みなさい。疲れたじゃろう。部屋を一部屋貸してやる。2人で一部屋になるが、まぁ、問題は、ないじゃろう」
「え?い、いや、さすがに______」
「はい!大丈夫です!私とジークで寝ます!」
僕の抗議の声は、シルの宣言によって掻き消されてしまった。
なんでそんなにヤル気に満ち溢れた声で言うんだシルは!
さすがにこの歳で一緒は、マズイだろ!
エミールがすごい顔して、僕から距離を取ってるんだけど!?
はぁ……もういいや。
僕は、心の中で文句を言うくらいしか出来なかった。
「ほっほっほ、若いってのは、いいのう〜」
♢ ♢ ♢
「だから、駄目だって言ってるだろ!」
僕がこの狭い部屋で叫んでいるには、れっきとした理由がある。
「いいじゃん!べつに!2人で一緒に寝ようよ!」
この同じ布団で寝ようしてくる幼馴染を説得するためである。
「いーや、駄目だ!俺が下で寝るから、シルがベッドで寝ろ」
「そんなのジークに悪いよ!2人でベッドに寝ればいいじゃん!ジークは、そんなに私と寝るのが嫌なの?」
「別に嫌って訳じゃないんだ。ただ…………」
「ただ?」
「シルみたいな可愛い子が隣で寝ていたら、落ち着かないんだ……!」
「え…?か、可愛いっ!」
突然、シルは顔を赤く染めてしまった。
「どうした?顔が赤いぞ?」
「な、なんでもない!そ、それじゃ、私は寝るから!おやすみ!」
「あ、ああ、おやすみ」
どうしたんだ?急に素直になって?まぁ、いいや。僕も寝よ。
♢ ♢ ♢
翌朝、僕たちはマーリンさんから早速魔法を教えてもらうことになった。
「それでは、始めるとするかの。まず、ジーク」
「はい!」
「お主の『魔力回復魔法』を発動させるための呪文は、《マジックヒール》じゃ。試しに儂に掛けてみてくれい」
「はい、わかりました。《マジックヒール》!」
僕がそう叫んだ瞬間、マーリンさんの体が青白く、光った。
「ほぅ。50も魔力が回復されておるのぉ。消費する魔力を考えなければ、5しか使わんのか。改めて、恐ろしいスキルだという事がわかるのう。にしても、よく一発で成功させたな。ジークには、魔法の才能があるのかもしれん」
「本当に僕が魔法を……」
「良かったね〜!ジーク!」
「よし。それじゃ、これからは、各自の魔法の練習とする。ジークは、儂と一緒に風魔法と火魔法。シルヴィちゃんは、エミールと一緒に水魔法と雷魔法の練習をしてもらう」
「はい、わかりました」
「ところでおじいちゃん」
「なんじゃ?」
「おじいちゃんスキルと魔力値はどのくらい?」
シルが僕も気になっていた質問をする。
「儂か?儂の魔力値は、300じゃぞ」
「「へ?」」
え?賢者の魔力値が300?そんな馬鹿な……。
「え?じゃあ、これまでの最低の魔力値の人ってもしかして、おじいちゃん?」
「まぁ、そうなるのう」
「そ、そんなので戦うことが出来たんですか?」
「そうじゃな。儂もジークのようにスキルに恵まれての。そのスキルのおかげで魔力不足を補うことが出来たんじゃ」
「そのスキルって…一体……?」
これからもがんばります!