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第十三話

・お酒は二十歳になってから。

・お酒は節度を持って楽しみましょう。

・最近飲んだお酒:結芽の奏 (日本酒)

「でかした。敵が混乱しているうちに、急いで接岸する」

「でも、どうやって……」

「こっちについてこい」

 甲板の後部まで連れられると、そこには酒樽がいくつか置かれていた。

「さっきの魔法の衝撃は正直俺も腰を抜かすんじゃないかってぐらいに、驚いた。そこで、考えたんだが」

 船長からの提案はいたってシンプルで、明海の魔法を船の後方から海に打ち付けて、その反動で船を進ませるというものだった。

「船長、てっきりさっきの一件で船から突き落とされるものかと思ってドキドキしちゃいました」

「ははっ、何も大したことじゃないから、大丈夫だ」

 早速、リーシュの手助けもありながら(ジョッキに酒を注いで明海に渡すのを率先して行っていた)、魔法を海面にぶつけて、一時間以上かかる航路を船はジェット噴射をするがごとく進み、たったの五分でギョショー港の近くまでやってきた。

 勢いそのままに接岸してしまうのは、船が大破してしまうため、接岸のための微調整は船員たちが行っていた。その間に、港での戦いに向けてアルコール補給を行っていた。

「明海さん、どうぞいっぱい飲んでください」

「ありがとう。そういえば、蒸留酒はあるかしら」

 麦酒をしばらく飲んでいた明海だったが、どうやらそれだけでは物足りなかったらしい。

「船員さーん」

 店員を呼ぶように、船員に蒸留酒を持ってくるよう頼み、何杯かあおり、そして携帯用のスキットルに蒸留酒を詰めたところで、船の接岸が完了した。

「明海……リーシュ……」

 青白くなった顔をしているノーマンが明海達のもとにやってきた。

「完全に船酔いにやられているわね」

 明海がジェットのごとく魔法で船を進ませている間、ノーマンは海上にコマセ(・・・)をジェットのごとくまいていたらしい。

「気持ち悪いが、胃に何も入っていない分、まだマシだ……」

 戦力にならないことに変わりないが、明海達が戦っている間には回復しているだろう。

 ノーマンは放置して、明海とリーシュは下船した。

 先ほどの明海の誤射でギョショーの街はパニックになっていたが、そのパニックをうまく使って街の自警団がゲコゲコ団を押し返しているようだった。

 指示を出している自警団のリーダーらしき人に戦況と街の人の避難の状況を聞いてみたが、形勢があともう少しで逆転できそうだということと、女性と子どもはみんな街の外へ避難が終わったとのことだった。

 明海はリーダーらしき人にお礼を言い、自警団と敵の戦いを尻目に、ゲコゲコ団の幹部を探して戦うことにした。

 街を走っている途中、飲食店が建ち並ぶエリアからは、酒を提供する店を襲おうとしていたゲコゲコ団の戦闘員が明海を狙って攻撃をしてきたが、難なく倒していき、その度に店主から明海に酒のボトルが提供されていた。

 走った疲れを潤すために水分補給をするようにもらった酒のボトルの中身を空けながら、気が付けば街の中心部にたどり着き、敵の幹部らしき男と相まみえた。


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