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二人の魔法師と五つの魔導書  作者: 手鞠 凌成
二章 彼ら、彼女ら
22/23

復習課題。

久しぶりの投稿です……今回は結構長めですね……

様々な設定も盛り込んでしまったため、もしかしたら解釈や理解が出来なくなるかもしれません。

それでも、楽しんで読んでいただけたらなと。

あと追加ですかが、これから更に色々な設定が織り込まれてきますので、「この設定初めて知ったぞ!?」って言う部分が出てくると思います。本当なら序盤の冒頭に説明できたらなと思っていたのですが、入る隙がなく……一応、設定を組み込めるかどうか試してみたいと思います!

本当にすみません!

改めて世界設定の説明をすることになるかもしれませんので、ご了承下さい! 

すでに全話を読んでる方には、!「ここに設定を入れた方がいいんじゃない?」などの指摘やアドバイスをしてくれるとありがたいです!

序盤に組み込むことが出来たのなら、再度確認してもらい改めてこの「世界設定」を認知していただけたらなと。

出来次第活動報告するので、目を光らせといて下さい!

お手数ですがどうかよろしくお願いします!

 視聴覚室へ訪れた一組。それぞれ指定された席へ座ることなっていた。


 クロネス達は一番左――壁際の、前から三番目のテーブルであった。この長テーブルにはちょうど椅子が四席設けられており、そこにクリス、キャロス、ドゴル、クロネスの順で腰を下ろした。


 机の中央には赤く柔らかなクッションが置かれており、その上に両手で覆えるサイズの水晶玉が乗っていた。


 この水晶玉が今回の主役らしい。クリス、キャロスはどうやらそれに興味津々のようで、ずっと視線を注がせている。


 クロネスはさりげなくさっと目を周囲へ向けると、一際存在感を放つ、レスティアのいるグループが目に入った。レスティアから醸し出す気品溢れるオーラと、秀美な居住まい、辺りに振るう華やかな笑顔は、自然と注目を集めてしまう。クロネスは単に敵対という意味合いで、威嚇とも恨みとも取れる眼差しを孕んでいるが、周りの男子はちらちらと好意的な目線をまるで影に潜伏し獲物を狙う獣のように送っている。


 レスティアとは反対側の列で、しかもここからしたらかなりの距離がある。場所としても対角線上にあるので、視界に映らないだけましだった。


 そのことに多少の安堵を覚えつつも、クロネスはまた前へと向き直る。水面(みなも)に立った(さざなみ)か多少収まった。


 と、大スクリーンの前に立っていたドルスが手元にある何らかの機械を操作する。するとぱっと電気は消え部屋はたちまち暗黒に包まれる。


「え、なになに!」


 キャロスが相変わらず騒がしい。もう少し静かに出来ないのかと思っていると、今度はぼわっと机の中心が淡い光を放ち、クロネスたちを照らす。


 クロネスがその光の方へ目を遣ると、どうやら水晶玉から発せられてたようだ。暗闇の中にぽつぽつと煌めく水晶玉は、まるで夜の世界に迷い込んだようで摩訶不思議な光景を作り出す。


「わー、綺麗……」


 クリスが感嘆の声を漏らした。ドゴルも「おー」と静かに驚きを露わにする。キャロスは目をまん丸くし好奇心旺盛の子供のように瞳を輝かせていた。


 しんとした空気が流れていると、前方から声が聞こえてきた。


「さてと……お前たちの目の前にあるのは御覧の通り、水晶玉だ。だが、これはただの水晶玉じゃないぞ。この水晶玉はお前たちの戦闘の記録を写す鏡だと思ってくればいい。すぐ横にコード番号が置かれてるだろ。それを水晶玉に刻めば映像が映ると思うからやってみてくれ」


 そう言われ、クロネスは水晶玉の横を見ると、その下にほのかに照らされた紙があった。手に取ってみると、(暗いのでうっすらだが)確かに何やら番号が書かれている。


 クロネスは言われるがまま魔力を人差し指の指先に集め、そのコードを空中に描く。すると水晶玉は更に光を強め――しかしそれはほんの一瞬の事で、また闇に揺らめく淡白な灯りへ戻った。


 が、水晶玉の中では何かが動いていた。四人はそれぞれ顔を寄せ、覗いてみると、なんとそこにはクロネス達を俯瞰から捉えた映像が映し出されていたのだ。


 この水晶玉はいわゆる、記録用魔石に刻まれた情報を読み込み、出力させる装置のようなもので、この国では様々な場面で応用されている。ルーン語を使い指令を送って動かす魔導機械(マルテリア)よりも誰でも容易に扱えるので、特に学校での使用率が高いのだ。


 また、これは魔術具と呼ばれる道具の一種でもある。魔術は基本的にこういった器具や道具に利用される事が多く、理由としては魔術は『物質』に結びつきやすい高い親和性――魔術シンクロ性という性質があるためだ。それ故に、生徒たちの着用している制服の制服機能(セーラーシステム)もその魔術によって付与(デルト)された内の一つだ。


 机の間を歩き周り、生徒たちの様子を窺っていたドルスがまたスクリーン前へ戻ると、ドルスは全員の耳へ届くように大きな声を張り上げた。


「やって貰うのは簡単な事で、そのーなんだ、つまり戦いの復習だ。今紙を回してる。そこに出来たこと、出来てなかったところ。そのための解決法等をチームでまとめて提出するように。期日は今日までだ。今回の授業はこれだけなので終わり次第解散してもいい。あとはゆっくり休め。ただし、変なことやてきとーなことを書いたら容赦しないからなー覚悟しろよー。あと、三神の月したら魔道競技会があるから、ここでしっかりと自分の弱点をきづけるように」


 やる気がまるで微塵も感じられない間延びした声が反響する。


 薄暗く姿こそは見えず、ほんのぼんやりとしたシルエットが目で確認出来るくらいだが、ドルスは本当に面倒くさそうにてくてくと足を進め、教壇の端に置かれた椅子に腰をかけると、次は力尽きたようにぐでーと机に上半身をへばりつかせた。クロネスは教師がこんなんでいいいのか、と呆れ目を向け、心の中でツッコミを入れつつ、それを尻目に視線を水晶玉の方へと動かした。


 すると。


「なぁ、クロネス。お前がこれ、やってくれないか?」


 そうドゴルがこちらに顔を向け、頼んできた。


「俺じゃあさ、多分何が良くて、何が悪いのかわからないだろうからさ、クロネスに任せたいんだが……」


 遠慮気味に声を発したからか、語末に向かって小さくなる。目も伏せ、迷惑ではないかと気にかけているようだ。だが、別にそれしきの事は何の問題をないので、心配させぬよう(クロネスにとって)努めて明るい声音で「ああ、いいぞ」と応えた。それが実際に明るかったかどうかはわからないが、ドゴルはその言葉にいつもの巌のようで堅そうな顔を少しだけ崩し、微笑みで返した。


「嗚呼、では頼む」

「あいよ」


 そう言ってクロネスとドゴルは立ち上がると、場所を交換した。これによって、クロネスはキャロスとドゴルの間にいることになる。


(使い方覚えてるかな……)


 クロネスはちょっとの懸念を抱きつつ、水晶玉に触れると、二つの青白く光る魔術法陣が水晶玉を挟むように浮かび上がった。確か……と探るように、思い出すようにしながら右手と左手をそれぞれに相応する魔術法陣へかざす。



  ――右手を左方向に回すと、映し出された映像の速度が上がり、逆に反対の方向に回すと映像のスピードが下がりゆっくりとした動作になる。どうやら左が早送りで、右がスローになるようだ。


 今度は左手の魔術法陣。先ほどと同じように手を捻ってみるが、映像は特に何も起こらない。ではと思い、下に押してみると流れていた映像が止まった。そしてもう一度同じことをするとまた動き出す。

 これで再生と停止を操作するらしい。


 扱い方法がわかったところで、早速課題に取り組むことにした。


 まずは冒頭から。木々に間を駆け抜けるクロネス達。ここは冒頭の部分で、クロネスが【土の巨兵(ゴーレム)】の存在に気付き、咄嗟に魔術を放った事で難を逃れた。



「ここなー、俺たちが早く気づいてたらな……」

「うん、そうだね……」

「クロネスがいなかったら、僕たちどうなってたことか……」


 順にドゴル、クリス、キャロスが口々に声を上げる。そうして彼らは紙にペンを走らせた。


 次の映像は、四方に【土の巨兵(ゴーレム)】現れた時だ。この場面は危機一髪なところもあったが、クリスの氷結魔法【ブリザード・テンペスト】で封殺し、クロネスの【呪縛(デリト・ローネス)】でとどめを刺し協力プレイが叶ったところ。


 ここは出来ているという評価が妥当だろう。


 このシーンでは、ドゴル、クリスも思う所があるのか、うんうんと力強く頷いている。キャロスは少し不満そうに目を細め、唇を突き出していた。なにせキャロスだけ見せ場がなかったのだ。その事に拗ねているのだろう。


 けれど、その後の偵察ではキャロスの体躯技術を活かすことが出来たので、結果オーライだ。


 そうしてどんどんと進めていくと、後半辺りからザザザッとノイズが入り、しばらくして砂嵐が巻き起こる。


 突然の出来事にクロネスたちは「あれ?」と首を傾げた。前に戻し、また同じように再生してみるも結果は同じで山頂へ行って、【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】が出現した場面で途切れてしまうのだ。


 装置の不具合なのかと、クロネスは疑問に思っていると、


「あーそのシーンな。記録用魔石がそこで壊れたんだよ」


 上から声が降りかかり、ばっとクロネスは反射的に見上げるとそこにはドルスがいたのだ。ドルスは水晶玉を覗くようにして、腰を前に曲げている。


 どうやらドルスは見回りをしていたようだ。それにしても何の気配を感じなかった事にクロネスは驚いきつつも、ドルスは(おとがい)に指を当て説明を続けた。


「うーんとな、【巨体神の六手(ルディエト・ゴーレム)】のあの大地が隆起する衝撃?  で、魔石が壊れたんだよ。ついでにそれを運んでた機械もそのままバランスを崩して墜落。少し欠けた状態で見つかったんだ。

 なんとか情報を収集して復帰を測ってみたんだが、一部しか取り戻せなかった……悪いな、なんか……」


 そうドルスは申し訳なさそうに呟いた。声のトーンも低くなっている。それにドゴルは「いえ、お気になさらないでください。これ以降の反省点や改善点ももうわかってはいるので」と受け応えをする。


「おーそうか。ならいいんだ。まぁわかってるならいい。しっかりと紙に記述するようにな。記録にないからってふざけて書いたりしたらダメだぞー、その時の残留思念さへ読み取っちゃばバレるんだからなー」


 水晶玉が光ってるお陰で、ドルスの顔がよく見える。

 その口元は僅かに上がっていた。


 ドルスの言葉を聞いたキャロスは「ひっ」と頬を引き攣らせ怯えた表情を浮かばす。そんなキャロスの反応に満足したのか、ドルスはふんと鼻を鳴らすと「冗談だ」と付け加えた。


 嘘だとわかったキャロスは露骨にほっと安堵のため息をつく。

 キャロスはなにかバレたらやばい事があるのだろうか、とクロネスは一瞬気になったが、まぁキャロスのことだから何かあるはずもないという結論に至った。


「ま、頑張るようになー」


 ドルスはそれだけを言い残すと巡回を開始した。


 背中を目で追いつつ、姿が見えなくなったところでクロネスは視線をさっと紙へ落とした。紙には欠点や弱点部位、解決方法や成功箇所等が沢山書き込まれ、白紙を埋めている。


 もしもこれから、彼らと一緒に行動することとなれば、多分もっと大量の白紙が必要となることだろう。


 時には悩み、時には喧嘩して、そして笑いあって。もしかしたらそれぞれの道を歩み、もう会えなくなるかもしれない。けれど、そんな日々が何の味気のない空白に色を与えてくれるのには十分だった。様々な色がプラスされてく事に、それらは混ざり合い更に新しい色を作り出す。そして全てが黒に染って何も出来くなったらまたあたらしい紙を用意し、色付けをしていけばいい。


 それは途方もないように思えて、実はとても短く儚い事。それでも、何も無いよりかは少しの汚れでも付いた方が幾分かはマシだ。眺めていて飽きない。


「よし、ラストパートだ。みんな頑張ろう!」


 と、キャロスが腕を上げ活気づいた声を発した。


 それにドゴル、クリスも「おーっ!!」と控えめに声を出し、緊褌一番。


(よし、頑張るかな)


 クロネスも自分に気合を入れると、映像を再生させた。


読んでいただきありがとうございます!

終盤の「白紙」のところは、この表現でいいのかとうんうん悩みながら、書きました笑

意味がわからなかったり、通らなかったらすみませんm(*_ _)m訂正、もしくは改善案を下さい。

感想をいただけたら嬉しいです(*^^*)

これからも更新は一応続けていきます。

毎回楽しみにしている方々には申し訳ない……けど、少しでもこの作品を面白いって思ってくれるのなら、とても感謝です!

次の更新日はいつになるか分かりませんが、楽しみにしていただけたらなと思います!

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