10 エピローグ 1
10 エピローグ
ソル系連邦中央政庁首府人口軌道惑星【エリシュオン】にある、国防省議会局のサテライトオフィスVIP専用サロンでは、珍しく人の行きかう姿が見受けられる。
その一角のソファでは、国防議会直轄特別軍事査問委員会による手短な諮問を無難に終了し、後に開かれる政府公式報道発表を前にして中央政庁経営機構側から派遣された高級報道官僚による、世理臼・レイルズ元帥への事後監査ヒヤリングが終了しようとしていた。
中央政庁経営機構側から派遣されて来た、その未若き高級女性官僚は、サロンに鎮座する真珠色に煌めく巨大なロイヤルソファに深々と沈み込み、自分に比しても数段秀麗な美貌を持ち、それと反して底深い内面を有するこの老獪な大提督を前にして、一歩も怯む事無くこれまた見事な程に威勢よく対峙している。
「では、以上を以って事後監査聴聞を終了いたします。元帥閣下の貴重なるお時間を頂きまして誠に有難うございました。尚、本件に関しましては斯くの如く報告させて頂きますので、悪しからず。参考までに、レポートは稟議後統合参謀本部事務局あて連携させます」
聴く者にとっては極めて慇懃無礼な部類に入る物言いで謝辞を終えると、彼女は一呼吸置いた後、一転して砕けた口調で世理臼に問い掛けた。
「・・・でも、ホントに困ったものですわ、お兄様ったら。こっちの仕事を増やして、なーにが楽しいのかしら?」
その高級報道官僚、蓮華・レイルズは、ソル系連邦中央政庁にある最高経営企画部執政官官邸政務報道担当副補佐官としてのキャリアを着実に熟しつつ、他方、レイルズ家の次期当主としての責務をも漸く務め始めていた。
そう彼女こそ、世理臼とフェリィシィア・コルディス=美怜帝との間にあって、2番目に育まれた結合子であり、明利にとって実の妹なのである。
「さぁて、今回は何でも?転職先での仕事中に?ミドル・スターズで?アディリアと宰華の艦隊戦に巻き込まれたんですって?お父様そっくりですわね、なんて惑星直列級の珍しいご立派な言い訳事なのでしょう。それでもって、GUOOの?最重要文化遺産保護星系区の一つを滅茶苦茶にして?ついでに遺跡惑星を?1つ丸っこと原子崩壊させたですってぇ?まあ取るに足らない政治処理で済むとしても・・・」
そこまで爆ぜたように一気に捲し立てた彼女は、怒りの整理に区切りが付いたのか、一呼吸置いた後で穏やかな口調に戻り語り続ける。
世理臼は静かに目を瞑り、それまで優秀な娘の発する声色を楽しむかのようにジッと聞き入っていた。
「お父様?ちゃんと聞いて頂いていますか?冗談は別にしても、やはり【ヴァレダα】がGUOOの特別信任統治星域領である【六慾天】に存在していたとは。今後、対外政策の見直しについても微妙過ぎる話になりますわね。それにあの現象の事も・・・」
「【光燐海】だな、あれは未だ我々人類の手に余るものだったよ」
「けれど、其のままにはしておけませんわね。人類が自らの故郷【太陽系】を失ったあの悲劇の謎を解ければ良いのですが・・・それにしてもあの力を欲しようとは、経営企画局FSⅢ喪失資産管理部の連中は業が深すぎます」
「失いし故郷を探そう等と、危険極まりない下らない妄想だ。火傷程度で済む訳がない」
世理臼は、彼女の言に同意するようにゆっくりと瞼を開いて蓮華を見返すと、彼女の瞳には政治局員としての非情な陰りが差しているのを感慨深げに眺めていた。
「それより今回の決着が先です。アディリア連合星系側は表向き抗議を申し立てられる立場には無く、そしてあの女性の・・・美怜帝の宰華帝国は、相も変わらず侵攻介入の事実自体について知らぬ存ぜぬの一点張り。それに我がソル系連邦中央総軍と言えども例外ではありませんわよ。例え外洋辺境星域軍との合同演習に託けたとしても、虎の子の主力《熾天使艦隊》が直接関与していていたとあっては、当然其れなりの理由付けが必要となります。・・・元帥閣下のお考えは、如何様に?」
鋭く詰め寄る蓮華の言葉には、一連の事案に対し特別詮議案件として公表を主張する中央政庁経営機構評議会の説得に資するためなのか、一切の容赦がなかった。
「貴職の言い分は解っている心算だ。それよりな、蓮華よ、アディリアと宰華の連中には逆に感謝してもらわんといかんな。【ヴァレダ】と【洸燐海】という人類に対する未曽有の脅威から、最小限の犠牲で救出してやったのだぞ?寧ろ救済行為としての武勲でも刳れてやっても善かろうよ?」
彼の年齢と不相応に艶やかで張りのある唇から、アルトテナーの心地よい響きが漏れ出し、世理臼は彼女の追及を軽く往なす様に言葉を返す。
「うううううー。その、お父様の享楽好きのお気持ちは分かりませんわ!いいですか?一つでも間違えれば他世界に利する行為として捉え兼ねられない行為ですよ?中央政庁経営機構評議会に対して、自ら奨んで反逆の汚名でも被るおつもりですか?政敵は掃いて捨てる程湧いて出るんですからね」
「だーかーらー蓮華政務報道担当副補佐官殿、いいかね?我が中央総軍としても無告知長距離遠征演習【ティリオット・レイズン88】の演習途上たまたま通りかかった、偶然にもだよ。未曾有の古代遺跡災害に遭遇難儀していた他世界の人類を前に《熾天使艦隊》はこれを捨て置けず、星域世界間条約特別救難措置法に則った支援救助活動の一環としてだな、当然動いただけの事に過ぎないーんーだ。そににな?たまたま当初予定していた同胞救難模擬演習中にだな、たまたまだぞ?同邦国船籍であるSID艦が居ちゃったんだよなぁーこれが。序にと云っては何だがその救出もやっちゃった訳で、これって英雄的行為だぞ?その何処が反逆で?汚名だってーのかなー?」
やや無理やり感のある秀麗な元帥の詭弁に、蓮華は思わず眩暈を憶えるが、其れは其れで議会答弁の体裁は整えられるだろうし、それが一番政治的解決を導く単純な手立てともなろう事を彼女は容易に見越していた。
「それにしてもだな、母さんの疾呼さと言ったらなぁ、明利も危ない所だったのたぞ?何れ明利は宰華帝国へ送還される運命なのかも知れないが・・・いや、私はそこが当然気に入らないな。ああ、気に入らないとも!冗談ではないぞ!!」
「まーた始まったわ・・・」
呆れる蓮華の前で、世理臼は次第に不貞腐れた子供のような表情をしてそっぽを向くと、込み上げる怒りをぐっと堪える様に足を組み替え、駄々を捏ね始めた。
「蓮華よ、今更だ。何故あれに、母さんに、私がヘーコラ出来るとでも謂うんだ?ジョーダンもポイポイだぞ」
「・・・閣下・・・。最後の所感は呆れて物も言えませんので・・・聞かなかった事に致します。フゥうう。実の母による強制拉致未遂とは、ホントにお兄様も厄介な事ですね」
蓮華は、この複雑怪奇な夫婦関係の中で少々気の毒な立場に置かれた敬愛する兄、明利の姿を思い浮かべたのか、軽く頭を左右に振り同情する様な仕草で溜息を吐きながら嘆いた。
「それにしても、お父様自身もう少し自重なさって頂かないと。任期半ばで軍籍から退役なさって気ままに余生を過ごして・・・何て事されるにはまだ早すぎます。次期宗主としての私の立場も考えて頂きたいものですわ、困ります。この若い身空で《枢密院テラ宗家8惑星軌道会議連協副委員長職》なんて、真っ平御免だわ!」
同時に、雁字搦めとなった自分自身の将来像を思い描いたのか、自分だけはこの異様な夫婦から自立し切っていたとの自覚が脆くも崩れ去り、蓮華の語気も次第に荒くなる。
「お父様!私はもっと気ままに仕事して居たいの!レイルズ家の重責なんて、真っ平御免だわ!!ほっといて・・・」
蓮華は、怒りにも似た感情に任せてふと前に目を遣ると、少し悲し気に自分を見つめる世理臼の眼差しに気付かされた。
「・・・あぁ、ご、ごめんなさいお父様。これはご無礼致しまして申し訳御座いませんでした。統合総参謀本部次長閣下にあっては、ご高察あっての事でしたわね・・・」
彼女の理性は、世理臼の娘としての素顔を自虐的に曝す様態に恥ずかしさを覚えたのか、少し控えめな態度を取って、ゆっくりと真珠色をしたロイヤルソファに深々と身を預け瞑想するように瞼を閉じた。
思わず蓮華が口にしたレイルズ家の重責とは《枢密院テラ宗家8惑星軌道会議》の重鎮として、《木星守護府外惑星第Ⅱ軌道管領職》を拝し《枢密院テラ宗家8惑星軌道会議連協副委員長職》のポストを担っている名門一族故の憂いでもあった。
彼らの属する《枢密院テラ宗家8惑星軌道会議》は、ソル系連邦政府中枢中央政庁議会に於ける重要な組織として、プロパガンダ的政策決定を補佐する政府経営機構部の統率中枢機関であり、ソル系連邦の広大な星系間国家運営に隠然たる影響力を有している。
その《枢密院テラ宗家8惑星軌道会議》は2つの部会によって構成されており、一方の《内惑星軌道部会》は、《火星守護府外惑星第Ⅰ軌道管領職》の称号を戴き、軌道議会の特別招集権を有して軌道会議連協代表委員長を務めるロドネル家を筆頭に、続くは《金星守護府内惑星第Ⅱ軌道管領職》ハルフォーネン家、《地球圏守護府内惑星第Ⅰ軌道筆頭管領職》の天黎院瑠璃家、《水星守護府内惑星第Ⅲ軌道管領職》に就く牌圃家により構成されている。
そしてもう一方の《外惑星軌道部会》を纏める筆頭レイルズ家に続いて、《土星守護府外惑星第Ⅲ軌道管領職》ウォルフレーゼ家、《天王星守護府外惑星第Ⅳ軌道管領職》メセンブリアンティモイデス家、《海王星守護府外惑星第Ⅳ・Ⅴ軌道群管領職》ブラキステルマ家が殿となって続く、何れも消滅してしまった人類の古き故郷【太陽系】を構成していた、原初惑星群の誇り高き名を冠した2部連合協議会、全8家24族委員により構成されていた。
中でも両部会を束ねる連協筆頭代表のロドネル家と、美怜皇帝を擁する宰華帝国との間に措いては、以前からの深い確執が存在している。
近年では、クロスコンドリナⅢ星系にある反物質生成コンビナートが生み出す莫大なエネルギー利権を、宙域ごと宰華帝国によって占拠強制併合された経緯もあって、敵対する宰華帝国美怜皇帝を配偶者としていた世理臼率いるレイルズ家とは、暫く疎遠となっていた。
だが、その遠因にあったものは、約25星歴年前に封印された《リトープス事件》に他ならない。
「はい、そうでーす正解。利口な娘を持って私も幸せだよ。だが同時に気の毒でもあるがな」
世理臼は、娘が自ら選ぶべき人生、蓮華自身の意思の赴くままの生き方を容認させてやれない牴牾さの為か、はたまた責務の重圧に悩む彼女の姿を心配してか、此処に来て彼の口調も努めて柔らかくなる。
「我が愛娘にして、有能なる政務報道担当副補佐官殿よ。私にとって軍職は、単なる義務と趣味だからね。それに軍を首になったとて、今更《宗家》の仕事に専念するつもりも更々無いからな。だからこそ次期宗主殿よ、明利の存在が必要なんじゃない?そうだろう?」
肩を竦めながら、世理臼は新進気鋭のエリート娘による家庭内政務調査ヒヤリングを早々に切り上げるべく、早めの幕引きを目論む。
「しかしながらだ、統合軍内部の問題処理については、関係諸機関以外に余計な波風は立てたくないのも本音だよ。後の始末は私に任せ、議会対応を進めてくれないか。・・・それよりだ、久々の愛娘との面談をもっと有効に活用しなきゃな。おぉ、そう、そう、肝心な事があったんだ。ところで蓮華、話は変わって先日のお見合いの件だが~、実は薦めていたハルフォーネン家からな、是非にと・・・」
蓮華に向かって、身を乗り出して世理臼がそう言いかけた時、突如空を衝いて小型ブラスターの発した発砲音が威勢よく鳴り響き、フロア中に激しく木霊した。
「ドカ!ドカ!ドカ!」
スカートのスリットから素早くポケット・ブラスターを引き抜き、オフィスの天井へ向けて躊躇なく撃ち込んだ蓮華が真珠色のソファの前で仁王立ちしており、当然の如く彼女の眉間には、一筋の厳しくも深い皺がクッキリと刻まれている。
「全くもっていい加減な問題処理だわ・・・。お父様!国防省議会局の、ここの防諜システム、チョット緩くはありませんか?」
世理臼は彼女の動きに一切動ずる事無く、呆気に取られポカンと彼が見上げた天井付近から、偏光迷彩シールドによって偽装されていたM・Mドローンの破片が、天井のハニカム構成材と共にパラパラと舞い落ちて来た。
「お、おお、此処は完全防諜遮断エリアだから、こりゃ典型的なスタンドアローン型だねぇ外へ漏れてはいまいが、何処から入り込んだのか、それにしても見事だ。そだね・・・再び正解。おい、誰か問題発生だ!至急議会警護局長を呼べ!!」
「いいえ、お父様。問題なのはお兄様の方ですわ!」
ポケット・ブラスターを握ったままの蓮華の語気が、再び勢い気色ばむ。
「お兄様の今度の何は?・・・お相手は?選りにも選って、最低最悪ロドネル家所縁の娘なんですって?いーえ、全く許せませんわ!一体全体、何様のつもりなのかしら?!」
怒り昂ぶる蓮華にも困ったもので、問題の矛先が核心へと向かって行くことを恐れた世理臼は、一先ずハルフォーネン家を利用した回避策を忸怩たる思いで中断せざるを得なかった。
「やれやれ蓮華よ。これも国家機密級の極秘扱いなんだがね、その娘さんと云うのはだな、実は先代のロドネル十三代元宗主その人なのだよ。・・・いや、ほら何だ。明利には明利のな!厄介事を背負込む・・・な!まぁ、落ち着きなさいよ」
「それがどうしたの!お父様!!私は至極冷静ですわ!・・・えっ?ロドネル家の先代宗主ですってぇ?冗談でしょ!!だったら尚のこと大事じゃありませんか?」
怒れる愛娘を鎮めるべく、世理臼は一層あたふたと回避対処を余儀なくされる。
「まぁ、そのぉ、男にはな、遣るべき時に、遣るべき事を、成さねばならない事も有るのさ。蓮華さん?彼の気持ちも、少しでいいから察してやってくれんかなー?ってやっぱし、ダめかねぇ?」
世理臼の発した言葉の切れ端の何処かが、遂に彼女の琴線に触れてしまったのか、蓮華の瞳に観るも鮮やかな鋭い雷光が奔った。
「やや、終ったな。これは不味いぞ・・・誰かぁ、居ないのぉかぁ?出来るだけ早く、お願いだから早く議会警護局長を連れてこいぃ!」
昔からそうなのだが、恋慕にも似た深い兄への敬愛の思慕を寄せる蓮華にとって、こと最愛の兄である明利のお相手の事となると、彼女の行動には見境がなくなる傾向にあったのを思い出して、世理臼は不吉な予感に駆られる。
「うーうう、ぅお父様は黙っていてくださいな!公私ともに事後処理担当は全て「あ・た・し」なんですからね!!それにしても何てことかしら!」
世理臼の勘違いなのかも知れないが、太古の昔から言われるように、兄妹愛に溢れた斬れる娘の扱いにはとても苦労するらしい。
「それよりお父様、この後の方がより大変ですわよ?ロドネル家とあの女性の・・・宰華帝国帝室との確執が再燃するわ。中央政庁経営機構世界間外交省政策調整局サイドでも、もう対処できません」
これまでの怒髪天を衝く表情とは一転して、蓮華は健気さを漂わす一人の娘へと戻り、一層悲嘆にくれた表情で世理臼を見つめ返していた。
「お父様、如何しよう・・・あの女性を、美怜女帝を止められないわ」
「・・・その問題については、我々にも責任がある。すまないな蓮華」
世理臼は同情を寄せつつ、我が子の苦悩に真摯に向き合う覚悟を決める。
「だがな、そのロドネル家自体も今や族内紛争の真っ只中だ。そこへ来て、降って湧いたように25星歴年前の先代宗主《アルテミア・ディモス・ロドネル十三世》と云う亡霊が蘇った訳だが・・・偶然にしても程がある。裏で操る何某かの存在を訝しんではみたが、その気配さえも皆目掴めないのだ」
「確か、ロドネル家の先代宗主って、若くして夭逝したという・・・まさか?お兄様のお相手がその女性だなんて本当なのですか?お父様はご存じだったのですね」
「結果そうなるな。何せ昔の記憶ではあるが、実に美しくも聡明でいて可憐な女性だったよ。だが、それ以上に怖い人物だったな。何より【フェリィシィア】の無二の親友でもあったのだからね」
世理臼の語った意外な言葉に、蓮華の顔が驚きに満ちて行くのが窺い知れた。
「お母様に親友ですか?到底信じられませんが・・・レイルズ宗家政務院資料館のレベルⅠ極秘記録によれば、当時のロドネル家は、《内惑星軌道部会》にも秘密にした何か得体の知れない壮大なプロジェクトを企んでいたとか・・・」
「仕掛けるにしても、余りの時間と手間のかかり過ぎでしかないからな。だとすると随分と周到で高尚な奴らに違いない筈だ。果たして何を狙っているのやら・・・それにつても確たる証拠もない噂に過ぎぬがね、嫌な予感がする」
夫婦世代の確執により生じさせた問題を、子供たちに押し付けてしまうような所業に、彼は酷い後悔を覚えると共に、新たな破滅が簸た寄せる不遇な時代が到来しようとしている予感に瞳を曇らせる。
「・・・しかしだ、蓮華。まず、その物騒な武器を終ってくれんかな。ふぅ。【フェリィシィア】の、若い頃の【美怜帝】そっくりに見えてきたぞ」
「はぁ?何ですとぉ!?あの女性のですってぇ?言うに事欠いて美怜帝にですってぇえええ?ううぅ・・・(プッツン)うおっ父様ーぁあああーーー!!」
「ゎ、解ったから落着けぃ、なあ、なぁ落ち着くんだ蓮華ぁ。いかーン!フェリィシィアの射撃は無茶苦茶正確だったからなぁ・・・こりゃ、何処に当てられるか解らんぞ?」
再び発せられた世理臼の余計な一言が、又もや彼女の逆鱗に触れ、蓮華・レイルズ政務報道担当副補佐官の発する怒声が執務室内に木霊するや、駆け付けてきた2、3人の議会局護衛官が、勢いサテライトオフィスVIP専用サロンの中へと血相を抱えて雪崩れ込んでいった。
あと一話で、ひとまず終了です。




