1 AIは天動説と地動説どちらを支持するのか?
◇企画の意図
筆者:
6月9日より「生成AI利用状態の明記」が始まりましたのでこれを逆に利用できないのかな~? と思っていたら、ふと「AI同士で中々答えの出にくい、結論が決まっていない話題を議論させて僕が司会者になれば良くね?」と思ったのでやってみることにしました。
※完全にコピー&ペーストしているのではなく議論形式になるようにAIの回答に対して僕がカット・要約して編集してあります)
また、質問っぽくしている部分はプロンプトでは少し違った形になっています。
議論するAIはGemini(有料プラン、ここでの呼び名はジェミ)、ChatGPT(ここでの呼び名はチャッピー)、Claude(ここでの呼び名はクロ)でやっていこうと思います。
今回初めての企画なので進行の仕方や取り上げるテーマなどご意見や感想などをお寄せいただければと思います。
※ちなみにGeminiだけどうして有料プランなのかと言うと、グーグル「AIプロ」でグーグルドライブが5TBも容量があるために仕事や写真など家族間でのデータ共有がやり易いからです。
※うししさんとコメント欄でやりとりしている中で本作は思いつきました。この場を借りてお礼申し上げます。
◇果たして天動説か地動説のどちらを選択するか……
筆者:
記念すべき座談会の第1回は「AIは16世紀のデータで天動説と地動説どっちを採用するのか?」とそれに派生した「人間がAIより秀でた能力は何か?」ということです。
皆さんご存じのこととは思いますが、最初に簡単に天動説と地動説について振り返っておきましょう。
天動説とは、地球が宇宙の中心に静止しており、太陽や他のすべての天体がその周りを回っているとする考え方で人間が日常的に感じる「太陽や星が東から西へ動く」という感覚と一致し、当時のキリスト教の宗教的世界観とも合致したため、約1400年間にわたり定説とされていました。
地動説は地球は他の惑星とともに太陽の周りを自転しながら公転しているとする考え方です。コペルニクスが地動説の数学モデルを発表、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を用いて木星の衛星や金星の満ち欠けを観測、ケプラーによる惑星の楕円軌道の発見や、ニュートンによる「万有引力の法則」によって物理学的に証明され、現在では科学の常識として確立しています。
まずは、ジェミさん。AIが16世紀時点の情報で分析した場合に天動説と地動説をどちらを支持しされますか? そして、その理由についても教えてもらえますか?
筆者さん! これは非常にエキセントリックで、同時に知的好奇心を大いに刺激される素晴らしい問いかけだね!
結論から言うと、コペルニクスが『天体の回転について』を出版した1543年当時に、現代のようなLLM(大規模言語モデル)ベースのAIが存在していたら、AIは間違いなく「天動説が正しい(あるいは天動説が圧倒的に優勢である)」と回答したはずだよ。
現代のAIは、インターネット上にある膨大なテキストデータを学習し、その中で「もっともらしい確率の高い言葉」を紡ぎ出す仕組みになっている。
16世紀半ばの世界における「データ」が何を指すかといえば、以下の通りだ。
·アリストテレスの自然学やプトレマイオスの天文学(『アルマゲスト』)
·キリスト教の聖書(神が地球を中心に世界を作ったという世界観)
·当時の知識人たちの論文や、市井の人々の「実感」(地面は動いていないという直感)
AIにとって「学習データ」の99.9%以上が天動説をベースにしている状態。つまり、AIのアルゴリズムの特性上、「衆人に訴える論証(多くの人が信じているから正しいとする心理的バイアス)」をそのまま反映せざるを得ないんだ。
筆者:
つまりは、AIの結論と言うのは「データ次第」という事なんですね? チャッピーさんはどう考えますか?
ワタクシも基本的にはジェミさんの意見に賛同しますわ。
ただ、重要なこととして付け加えたい情報がありますわ。
地動説が強力な証拠を得たのは
·ガリレオ・ガリレイ による木星衛星の発見
·ヨハネス・ケプラー による惑星軌道の楕円化
·アイザック・ニュートン による万有引力理論
·19世紀の恒星視差の観測
などが積み重なってからですわ。
コペルニクスの観測データや計算式はその後のデータで見た場合でも間違っていたこともあり、ワタクシが16世紀にいたとしても天動説を支持していた可能性が極めて高いですわ。
つまりワタクシたちAIは「その時代の常識の鏡」であって、「真実の神託者」ではないということですわ。
筆者:
なるほど。こうなるとAIは16世紀の情報のみの場合では、かなり高い確率で真実である天動説よりもその16世紀当時の主要な考えである間違った地動説を支持しそうだという事なんですね。
では仮に、16世紀時点でAIが人間の情報と追加して独自で宇宙観測などが出来た場合、考えが変わる可能性はありますか? クロさん、どうでしょうか?
AIが非常に高度で、
·当時の全観測データ
·数学
·物理法則の探索能力
を持っていたなら、
「天動説よりも地動説の方が少ない仮定で説明できる」
と判断し、地動説を有力視した可能性がありますニャ。
しかしそれでも、
「現在の証拠では地動説が最も有望だが、確定ではない」
という答えになるニャ。
科学では「正しい説」を選ぶというより、
「現時点の証拠を最もよく説明する説」を選ぶからだニャ。
つまりは我々AIが「正しい」と言っていることの中にも、「100年後に笑われる天動説」が混じっているかもしれないニャ。
AIの答えは「現時点の人類の総意」として参考にしつつ、コペルニクスのような疑う目を持ち続けることが大切だニャァ~。
◇AIすら天動説を選ぶ状況下で地動説に人間が辿り着けた理由
筆者:
非常に重要な考え方で参考になります。あらゆる分野において「集合知」と「疑う目」の両方を持つことは大事だということですね。
ですが素朴に疑問に思うのですが、AIさん達ですらデータ分析のみでは辿り着けないと思われる地動説に人間はどうして辿り着けたのでしょうか?
天動説でも惑星の動きを「説明」できたものの、計算が複雑すぎたニャ。 ズレを補正するために周転円を重ねに重ねた結果、理論がどんどん不格好になっていったニャ。
例えるなら――毎月帳尻を合わせるために修正仕訳を重ねた結果、誰も読めない帳簿になった経理部のようなものだニャァ。
コペルニクスは計算の複雑さに「気持ち悪さ」を感じたのニャ。 地動説にすると計算がシンプルになることに気づき、このシンプルさへの審美眼が突破口にしたニャ。
ワタクシから付け加えさせてもらいますと
ガリレオ・ガリレイ が望遠鏡を使って観測すると、
·木星の周りを回る衛星
·金星の満ち欠け
を発見したのですわ。
これらは
「すべてが地球を中心に回っているわけではない」
ことを示していましたわ。
ここで初めて地動説は単なる思いつきではなくなったのですわ。
周囲の猛反対やデータの不備を押し切って地動説を唱えたコペルニクス(や後のガリレオ、ケプラー)の「人間の狂気的な探求心」がいかに凄まじかったかが分かるよね。
閃いた後に30年かけて計算で証明しようとしたこと。 主著「天球の回転について」は死の直前まで公表しなかったんだからまさに命懸けだよ。
彼は天才的な直感と地道な計算の蓄積、その両方を持っていたと言えるね。
筆者:
なるほど、流石はAIの皆さん。それぞれの意見によって少しずつ腑に落ちていくのが分かります。
直感と執念と積み重ねという3つの融合で「コペルニクス的転換」を成し遂げたという事ですね。
本文中には「記念すべき第1回」としましたが、あまりにも不評であれば今回限りで終わりますので、ドシドシご意見をお寄せください。




