赤子暴君、転生す。
皆様、初めまして。転生日記 と申します。
ダークで俺TUEEEE系が好きです。
今回は赤子編スタートです。
短めですが、楽しんで頂けると幸いです。
小説家になろう、初心者ですが、何卒宜しくお願い致します。
末期ガンで入院していた俺――ダオロスは、ベッドに横たわりながらぼんやりと思う。
人生は短く、退屈だった。もっと楽しみたかった。もっと話したかった。父さん、母さん、ありがとう。
もし死んだら異世界に転生しないかな――。
そんなことを考えた矢先、脈が弱まり、心電図が甲高く鳴り響く。
慌ただしい足音。医者や看護師の声。
もう、終わりだ。
「……もし異世界に行けたら、何をしようかな」
心の中で呟きながら、俺は静かに旅立った。
⸻
「んん、眩しい……」
次に目を覚ますと、真っ白な空間。
そこで俺を出迎えたのは、フード付きのローブを纏った女性だった。
『あの……あなたは?』
「ん?ああ、転生者か。いやぁ、可哀想な人生だったな。でも安心しな。これからはもっと楽しめるぞ〜」
……と言いながら、目の前の女は袋菓子をボリボリ食っていた。
こ、これが女神……?
「あ、そういや。破壊の尽くす限り暴君になりたいとか言ってたろ?」
『え、うん。もし新しい人生を歩めるなら……』
「あ〜最高。うちそういうの大好物なんだわ。最近、世界の管理にも飽き飽きしててさ〜。
パーッと暴れる奴、ずっと待ってたんだよね。そこで君がカミングスーンってワケ!」
……軽すぎないか?この女神。
「で、何したい?世界の破壊?暴君プレイ?」
『……もしできるなら』
「いいねぇ〜、そそるじゃん。あ、そうそう。転生者には特典ってもんがあってね。ほら、ステータス開いてみ?」
俺は言われるままに意識を集中する。
『種族:未定/体力:未定/魔力:未定/固有スキル:未定……未定ばっかりじゃないか』
「そりゃそうだ。まだ何も渡してないからな。今から転生者特典に加えて――特別に、転生者ポイントもくれてやるよ」
『ポイント?』
「好きに割り振ってスキルやステータスを手に入れるんだ。うちは放任主義だからさ。君の好きなように暴れな」
『……すごいな、転生ってのは』
「お、その顔。暴君の器だわ〜。いいねぇ。
割り振りできたらそろそろ旅立ちだ。あ、そうそう。私は女神レハイムって名だ。
寂しくなったら街の教会で祈りを捧げな。そしたらまた会えるから。……じゃ、少年!楽しい第二の人生を!」
袋菓子のカスを払いながら、彼女は手を振る。
『え、ちょっ……!』
視界が一気に暗転。意識が飲み込まれていく。
⸻
――次に目を開けたとき、俺は赤子の体で揺籃に寝かされていた。
「ダオロス……ダオロス……」と、誰かが優しく名前を呼んでいる。
どうやら、本当に転生したらしい。
しかも……魔王の息子として。
ご視聴頂き、ありがとうございます。
次回は、魔王城編です。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。