scene5 調合
「戻りました! 言っておいた材料と器具は!?」
ギルドホールに戻った僕です。今、先輩に人形のように抱えられてます。
……この方が早かったからね!
「ええ、揃えました。患者は、マチルダ嬢とプルト殿、ギース君とギルドの小浴場にいます」
迷宮からの出口近くで待ち構えていたチーフが、綺麗に籠に詰められた材料を渡してくれる。……良しっ! 素材は全部揃った!
「では、調合できるスペースに……チーフ、先輩も患者さんのところに連れて行ってください」
「わかりました。キサ、シャーロック君を給湯室へ、スノー君、ついて来てください」
先輩の腕をがしっと掴み奥に行くチーフ、僕は先輩からたくましい自警団員の女性、キサさんに渡され別の奥に……もう抱っこ良く無い? って思いながら連れて行かれました。
* * *
給湯室に運ばれた僕は、揃っている器具と材料を再び確認する。ちなみに給湯室は言っておいた通り、暗室になってます。
……うん、完璧。
「……まずは皮膚の保護液を」
そして紫外線をあまり発し無い、魔具ランプで手元だけを照らしながら調合を開始する。
その調合は、まず皮膚の保護液を作り、それに粘度を付け、最後にヒートモスを加わえる。そんな手順。
……うん、塗布薬なんだ。だからこれも対症療法、なんだよね。
『氷皮症』の根治方は一つ──神官に成ること。
……知られているのは、ね。
『氷皮症2』
その治療法はヒートモスを使い体表面温度を上げ、
患者の意識を呼び戻し、
神官にし、体内に魔力変換機構を作ることのみ。
その他の選択肢は……知られていない。




