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第19話「まだ、ね」

レインは、 少しずつこの国の空気に触れ始めていた。

――そして。 初めてのデート(?)に、 邪魔が入ります。

店内は今日も賑わっていた。

肉を焼く音。 油の弾ける音。 笑い声と注文が飛び交っている。



「また来れた……」 エイルは少し

嬉しそうに周囲を見回した。



「そんな気に入ったのか」

「うん」 「美味しかったし」

レインは少しだけ笑う。



すると。

「あっ」 明るい声が飛んだ。

カウンターの奥にいた金髪の女性――ナナがこちらに気づいた。



「レイン達じゃん」

「いらっしゃい」



「……どうも



「エイルどれが食べたい」



「これ」

「わかった、じゃあ俺はこれ、2つともセットで」

レインとエイルは別々の新商品バーガーセットを注文した。


「わかった、それとそれのセットね」

「今ちょっと混んでるから、出来たら持っていくね」



「適当に座って待ってて」



「わかった」

二人は空いている席へ座る。

エイルは店内を楽しそうに見ていた。

「凄い人気」



「まぁ、うまいしな」



「ナナ忙しそう」



「慣れてる感じだったな」

しばらくして。

ナナがトレーを持ってやって来た。

「はい、お待たせ注文の品です」



ハンバーガーセットが二つ並べられる。

その横には、ナゲットとスコーンも置かれていた。



レインが見る。

「……これ頼んでないよ」



「あぁ、それサービス」 ナナは笑った。

「ティアには世話になってるから、お礼」



「お礼?」



「この前からさ」

「待ち時間の間に、店の前で変な占い始めたの」



「……そういえばやってたな」

「評判いいって」



「そうなの、あの子のおかげで客増えたんだよね」 ナナは肩をすくめる。

「待ち時間の定番になっちゃって」



「時間かかるフードあると、結構待たせちゃうから助かってるのよ」



「そうか」 レインは小さく頷いた。

「ありがとう」



「じゃあ、ごゆっくりどうぞ」 ナナは笑って戻っていく。



エイルは嬉しそうにナゲットを見つめた。

「食べていい?」



「あぁいいよ」



「いただきます」

エイルは小さく笑って、ハンバーガーを口に運ぶ。

「……おいしい」



「そんな嬉しそうに食う?」



「嬉しいもん」



「いただきます」

レインもハンバーガーを一口食べる。

「美味しいな」



「レインのバーガー、私のと味違うんだよね」 エイルはレインが食べるのをじっと見ながら言った。

「……ちょっと食べてみたい」



「えっ? いいよ」 二人はハンバーガーを交換した。



「ありがとう」 エイルは小さくかぶりつく。

「……こっちも美味しい」

嬉しそうに笑うエイルを見て、レインは少しだけ微笑んだ。



嬉しそうな顔を見て、レインは微笑んだ。



その時だった。

「あれあれ?」



聞き慣れた声がした。

レインが顔を上げる。


「やっぱり」

「レイン君だ」

ルカだった。



「……げっ」



「げっって失礼だな!?」

ルカはケラケラ笑う。



そしてエイルを見る。

「うわ」

「凄く可愛い子いるね」



エイルはきょとんとした。

「彼女?」

「青春じゃん」



「違います」

「まだ」 レインが反射的に言った。



一瞬止まる。

ルカはニヤニヤした。

「へぇ〜?」「まだ、ね」



エイルは意味がよくわかっていない顔で首を傾げている。



「あぁごめんね自己紹介まだだったね」

「俺、ルカ・レインズ」

「探偵と記者やってます」



「レイン君には、いつも仕事手伝ってもらってるんだよね」



エイルはぺこりと頭を下げた。

「私は、エイルと言います」



「いや本当可愛い子だなぁ」

ルカは感心したように言った。



レインはじっとルカを見る。

「……もういいでしょ」

「ルカさんも忙しいですよね?」



「あら?」 「照れちゃった?」



「照れてません」

ルカはケラケラ笑う。

「まぁいいや」



「また依頼来たら連絡するよー」

ルカはひらひらと手を振りながら去って行った。

ルカに会った瞬間、 レインの平穏は終わりました。

あと、 「違います。まだ」 は、 本人だけ気付いてないやつです。

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少しずつ、三カ国の全貌が見え始める。 『笑い』『選別』『価値』が交差する異世界ファンタジー。 (※執筆・画像すべてスマホ1台で制作しています)
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