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第12話 では、これより戦略会議です。もちろん裏も表もあるよ!

前回のあらすじ:我が孤児院に4名追加入りました。

 新たに孤児院に加わった4人、どの子も7歳だそう。で、孤児院の会合らしいものがあったようで、うちの孤児院の次に貧乏な孤児院の院長やスタッフがその4人を虐待に近い扱いをしていたらしい。それを自慢げに話していた院長をぶん殴り、その4人を引き取ったそうだ。


 で、今現在、食堂では俺とシスターアリス、アリサの3人、正確にはマーブル達も一緒だから6人か。プーカ、ミィコ、ワンタの3人と新たに加わった4人は外で基礎的な身体操作の鍛錬を行っている。


 ・・・いや、それはいいんだけどさ、何で孤児院最年少の俺がここにいるの? って思いっきり顔に出ていたんだろう。


「アイスちゃん、私達2人は、もうアイスちゃんを子供とは見ないことにしたから。」


 ・・・はい? 俺が不思議に思っていると、シスターアリスの隣に座っているシスターアリサも頷いていた。


「いや、どこからどうみても見た目より小さい子供じゃないでしゅか。」


「うん、見た目はね。でも考えるまでも無く、この孤児院を改良して風呂まで作っちゃうし、それだけじゃなく勉強面でも私らよりできるし、、、。私らって一体何なの? って思っちゃうときもあるんだよね。」


「えー? ボクはいつでもシスター2人の言うことを聞いて動いているじゃないでしゅか。」


「そう、そこなのよ。こんなことできる子って普通なら調子にのって私らの言うこと一切聞かないのよ。」


「だよね、でも、アイスちゃんは違うのよ。調子に乗らずにこんな行動取れるって、どう考えても5歳の子の行動じゃないのよね。」


 ありゃ。そりゃぁ、こちとら数えるのも面倒なほど転生してるから、延べ年齢数えると人族の寿命なんて思いっきり逸脱してるけど、今は成長の遅い5歳児よ。


「ということで、これからどうしようか、って話をしておきたいのよ。」


「これから、でしゅか?」


「そう、これからのこと。というのも、アイスちゃんがこの孤児院に入ってから少し経ったら。毎日欠かさずお肉が届くようになったじゃない、マーブルちゃん達のおかげで。そのおかげで金銭的にはともかく、食事的には下手をするとドボルザークにある孤児院で一番恵まれた環境に変わったのよ。」


「そうよね、それでその後アイスちゃんがいろいろと手を加えていったじゃない。勉強内容まで高度なものになってるし。施設内が快適になっただけじゃなく、お風呂まで使えるようになってるし。」


「それは、ボクとマーブル達が楽しく快適に過ごせるようにしただけでしゅ。もちろん、孤児院のみんなには感謝してましゅから、同じく快適に過ごしてもらってましゅが。」


「いや、食事面はともかく、毎日お風呂とかありえないから! いい? 毎日お風呂に入れるって、王族だったり、かなり高位の貴族くらいだからね! レッドパイン教会の教皇でも多分毎日はムリだから!!」


 シスター2人が代わる代わる近況という名の愚痴というか何というか。とにかくここぞとばかりに発散しているようだ。


 しばらく愚、いや、説明が続いたんだが、要約すると、この孤児院は金銭的には他の3つよりもない状態だが、食事や教育、ならびに施設内外の環境だけで見ると、他の3つの孤児院よりも圧倒的にいい状態らしく、問題となっている金銭面についても、小麦などの主食代程度で他の経費はほとんどかかっていないため実質問題なしと同じ状況らしい。


「話はわかりまちた。で、これからとは?」


「今まで話していた内容を踏まえてちょうだい。勢いとはいえ新たに4人も孤児院の仲間として迎え入れちゃったじゃない。しかも迎え入れたウチって、一番貧しいって評判の孤児院よね? そんな孤児院が死亡報告を教会に一切することなく今まで過ごしてきたでしょ?」


「もちろん、新たに来てくれた4人も元気に健康な状態でここで過ごしてもらうのは間違いないんだけど、そうなると、、、。」


「なるほど。他の孤児院や教会どころか、あちこちから目をつけられる、ということでしゅね?」


「流石はアイスちゃんね、そういうことよ。」


「だからさ、これからどうやっていけばいいのか、っていうことを話し合いたいわけ。」


「?? 別にこれ以上隠すこと無く堂々としていればいいんじゃないでしゅか?」


「そうしたいのは山々なんだけどね、今までは私達のお客、いえ、支援者にもお願いしてどうにか噂にならないようにできたんだけど、あちこちから目を付けられると、それも厳しいのよねぇ、、、。」


 シスターアリス、、、。お客ってはっきり言っちゃってるよ、この人。シスターアリサまで頷いちゃってるし、、、。まぁ、それはともかく、やはりこの2人がおきゃ、じゃなかった、支援者を通じてどうにかしてくれたんだ。


「そんなに難しく考えなくてもいいと思いましゅよ。」


「そうは言ってもね、支援者さん達もこのドボルザークではそこそこの地位がある方達だけど、その人達でもどうにもならない連中の目も意識しなきゃならないの。」


「いや、力尽くできたら、対応すればいいだけでしょ?」


「いやいや、その力尽くで来られたらどうしょもないんじゃ?」


「だいじょぶでしゅよ。そのために日々修行やらやってきたんでしゅから。シスター2人も自分の身は自分で守れるくらい強くなってましゅよ。」


「そうなんだけどね。でも、数で来られるとどうしょもないわよ。」


「数に関しては問題ないでしゅよ。マーブル達がいましゅから。ね、マーブル、ジェミニ、ライム。」


「ミャァ!!」「キュウ!!」「ピー!!」


「いや、マーブルちゃん達が強いのはわかっているけど、流石に厳しいんじゃ?」


「あれ? 言ってましぇんでしたっけ? マーブル達って、個々でもドラゴンクラスの魔物狩れるんでしゅよ。一昨日ワイバーン仕留めたんでしゅよ。」


「「え、えええーーーーーー!!」」


「折角でしゅから、今日の夕食はワイバーンのお肉にしましょう。・・・これだけあれば大丈夫かな。」


 そう言って収納スキルでワイバーンの肉を出した。うん、流石はマーブル達。最小限の攻撃で倒しているから肉質は素晴らしく、ライムが完璧に血抜きしてあるから臭みが全くない。加工しやすく解体してくれているジェミニの技も冴え渡っている。


「「は、はは、、、。」」


 しばらく呆然としていたシスター2人だったけど、どうにか気を取り戻して話し合いを再開した。


 考えてみると、勉強にしても、訓練にしても他の孤児院はおろか、下手な教育施設よりも教育内容が充実しており、食事面においても結構な範囲で畑の作物を狙う獣や魔獣により新鮮な肉が手に入る他、これらの副産物で主食のパンや小麦と交換なりなんなりして手にいれられる。


 そして、プーカ、ミィコ、ワンタのみならず、シスター2人もこれらの獣や魔獣であれば倒せるようになったので、別に隠す必要がなくなったことも大きい。


 ということで、基本的なことは変わらず行っていき、新たに畑の拡張をしていくことが決定した。


 また、新たに加わった4人だけど全員7歳。生憎覚醒の儀はまだ行っていないようだ。まぁ、喧嘩腰でシスター2人が連れてきただけあって当然か。


 話し合いの結果、しばらくは覚醒の儀は行わないことに。別に7歳で行う必要がないみたいだし、もう少しここに馴染んでからの方がよさそうだというマーブル達の意見もあったのでそうした。


 で、その4人なんだけど、一人目はジュエル。ネズミ族の女の子である。軽く鑑定してみると、どうも手先が器用のようで、道具作りが得意っぽい。ただ、以前いた施設では良い扱いを受けていなかったので経験値が圧倒的に足りていない様子。これからはいろいろ作ってもらってガンガン経験値を上げてもらいましょうかね。


 二人目はロビン、男。三人目はミレーヌ、女。この2人は何とエルフである。子エルフといえば奴隷候補の最有力である。ボロボロの状態だったとはいえ、よくもまぁ、シスター2人はここに保護できたものである。


 シスター2人曰く、あの施設にいたからバレずに済んだとのこと。というのも、身なりがボロボロで不潔感満載である上、2人ともフードをかぶりっぱなしで絶対に外さなかったからだそうだ。・・・禿げたりしない? 大丈夫だった? 思わずそっちの心配をしてしまった。


 ロビンは黒エルフ種でミレーヌは定番の白エルフである。こちらの世界でもエルフという種族は魔力の扱いに長けているそうだが、外見の色で魔力の使い方が異なるらしい。


 というのも、白エルフは定番のいろいろな属性を駆使した魔法での戦いを得意とする一方、黒エルフは主に魔力は身体強化や矢の生成に使うらしい。平たく言うと、白エルフはメイジ系、黒エルフはレンジャー系といったところだろうか。


 四人目はカタリナ、人族の女の子である。気配を消すのが上手で、以前いた施設でも気配を消して施設内暴力をやり過ごしていたようだ。歩き方もいかにも裏の世界の住人といった感じである。でもまだまだ甘いと言わざるを得ない。


 あれから1ヶ月が経過し、4人もここに馴染んできた様子。カタリナのいかにもな歩き方も日々の鍛錬によって磨きがかけられただけでなく、普段は普通に歩いたりと使い分けができるようになった。


 また、毎日入浴するようになって、ジュエルはなかなかのモフモフをお持ちだということもわかった。


 ロビンとミレーヌは、やはりそこはエルフ、2人とも美形であり、シスターアリサとアリスはお勤めを抜けてキャーキャー言っている始末。


 ・・・お前ら、仕事はどうした、仕事は。


「「大丈夫よ、アイスちゃんも可愛さでは負けてないから!!」」


 いや、そっちは別にどうでもいいんだけど。どうせ、成長した暁には、中の下か下の上にランクダウンする未来が確定しているし、、、。マーブル達に嫌われなければ別にどうでもいい。


 あ、上手いこと男女4人ずつになったので(シスター2人は除く)、これを期にお風呂と寝室は男女別々になったよ。シスター2人が交代で男側女側にそれぞれ担当するのは変わってないが。


 そんなこんなである夜、寝室にて。参加者は俺、マーブル、ジェミニ、ライムの4名である。


『これより戦略会議を開きます。』


『ミャァ?』


『うん、これから孤児院でどうしていくかの会議。』


『シスター2人と一緒に話したこととは別ですか?』


『うん、そう、施設内のことじゃなくて外のことだからね。』


『なるほどです。』


 そう、俺達だけでの話し合い。従って念話での会話である。これはいわば裏の会議である。


『畑に来ている獣や魔獣達については、プーカやワンタやミィコ達だけでも十分対応できるようになったよね。』


『ですね。それに、新たに来た4人も予想以上に戦力になってくれてますね。』


『ミャァ!』


『いっぱい倒しているから、アクアやマヌールもつよくなってるー!』


『おお、アクアやマヌールも成長してるんだ。』


『うん、もうすぐ2つに分けられるって-!!』


『おお、そこまで! それは楽しみですなぁ。』


『ミャー!』『キュー!』『ピー!』


『で、そのジュエル、ロビン、ミレーヌ、カタリナの4人なんだけど。あの孤児院以外で何か情報ってある?』


『ミャァ!』


『なるほど。ネコ達からの話だと、ジュエル、ロビン、ミレーヌについては特に問題はないんだね?』


『ミャア。』


『仲良くしてる野ウサギからも、あの3人は命からがら逃げ出してここに来たって言ってました。』


『ほう、ネコの長老からの話だけじゃなく、野ウサギからの情報もそうなんだ。じゃあ間違いないね。じゃあ、カタリナは?』


『ミャ、ミャミャア。』


『あれま、よりによって暗殺者ギルドかい。』


『そうなんだけど、何か様子がおかしいんだよー。』


『様子がおかしい?』


『うん。あのギルド、あまりうごいていないみたいで、まともにご飯がたべられてないみたいー。』


『へぇ、そうなんだ。で、カタリナは向こうと接触を取っていそう? 一応こっちでも気配探知は仕掛けてあるからそういった動きは掴んでないけど。』


『ミャァ。』


『マーブルの探知にもかかってないのね。じゃぁ、大丈夫か。取り敢えず、向こうがどういった接触をしてくるのか調べておいて。』


『ミャァ!!』『キュウ!!』『ピー!!』


『それと、次の議題は、新たな作物についてです。』


『ゴメンです。ワタシ達ではわからないですよ。どれも似た感じで訳分からないです。アイスさんが一緒でないと。』


『そうなんだね。じゃぁ、近いうちに一緒に森に行こうか。』


『ミャァ!』『キュウ!』『ピー!』


『シスターの許可を取らないとならないけど。まぁ、何とかなりますか。』


 これら以外にもいくつか話し合って閉会した後、モフプヨに包まれた俺は余りの気持ちよさにすぐに眠りに落ちた。


 おやすみ、マーブル、ジェミニ、ライム。明日もよろしくね、、、。

今回もご覧頂き誠にありがとうございます。

体調の関係で投稿できなかったことをお詫び申し上げます。

毎日更新は流石に厳しいですが、できる限りこまめに更新していく予定です。

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