第9話 CLASS DISPARITY
私はIDカードの交付会場へ向かった。
このIDカードは予め各人別のカードを作成されているわけではなく、個人認証を行ってその場で部隊内の手続きを行うことは可能だったけど、結局私は当日までIDカードを受けとっていなかったため、窓口で貰うことになった。
そして、その後来賓と幹部の人垣を掻き分けて、私は校舎の自分のクラスであるB組の教室に入ると、ある一人の少女と出会った。
その、少女も実に可愛らしいツインテールをした少女だった。
前世の頃からボーイッシュな髪形をしていた私とは正反対だった。
「…あの、お名前を伺っててもよろしいでしょうか。」
その少女は少し引っ込み事案な所があった。
「私の名前は潮見麗。麗でいいよ。あなたの名前は?」
すると、彼女は口を開いた。
「わ、私の名前は・・・冬下美幸です・・・気温を操る異能が得意です。よろしくお願いします。」
一見地味な能力に見えるが、ポテンシャルはかなりある能力である。
「よろしくね」
私はウインクしながら挨拶をした、その時だった。
「ね、あれ風本空音さんじゃない?」
「あれが、名門風本家の娘で、あの風本家最高の逸材と言われる秀空様の妹さん・・・」
風本空音が教室に入っていった。
私は正直そうやって人を差別するのはどうかと思っていたところがある。
私は前世の客室乗務員で様々な身分の人と出会ってきたが、大体の企業の社長や代表取締役はファーストクラスに乗る人は稀であり、ビジネスクラスを選ぶ人が多いのと同じような状況である。
つまり、必ずしもあの子は身分を見せびらかすタイプではないと思うかもしれないため、そんなに羨望の眼差しで見られてもいいことではないと思う。
そして、彼女は後ろの席についたので、また美幸は後ろでオドオドしてしまった。
「え・・・席が隣・・・?どうしよう・・・」
「大丈夫だよ。ほらちゃんと挨拶したらいいと思うよ。」
「あの・・・?あなたたちの名前は・・・?」
「わ、私の名前は・・・冬下美幸です・・・よろしくお願いします。」
「私は潮見麗。よろしくね」
「初めまして、私は風本空音や。よろしくな。・・・ところで」
空音ちゃんはあることに気付いていた。さすが名家の家である。
「美幸はんの家ってもしかして元区長の家・・・?」
「・・・そうだよ。私のおじいちゃんが元衆議院で初代兵庫8区長だったけど、私が生まれて間もなく亡くなってしまって・・・そういう空音ちゃんの家はどうなの。」
「うちはおとんが異能開発者で、自身の開発した異能データーを元に先行で異能ICチップを入れたら、最強の風能力者になっていたから、うちは異能四天王の一家の一角を担っているんや」
「なんか、凄い家だな・・・私は名家の出身ではないし・・・」
私は、少し2人の存在が遠く感じるようになった。
しかし、2人はあまり気にしてはいなかった。
「大丈夫や麗はん。名家であるとかは関係ないから・・・完全に実力社会だと思うは」
「麗ちゃんも、Aグループの地点で既に認めれらた能力を持っていることだから・・・」
私は少し一安心した。とにかくこの部隊に仲間が出来たことが。
そして、私はあることを思い出した。
「そういえば、この後どうするの?私はこれからホームルームでも行ってみようと思うけど、2人も一緒にいく・・・?」
私は空音ちゃんと美幸ちゃんの顔を見上げて尋ねた。
「私は、行こうと思うけど・・・空音ちゃんはどうするの・・・?」
この世界は担任制度というものはない。
実戦が中心になり、部隊での繋がりが多くなったため、担任ではなく部隊長が主に事実上の担任を担っているのに等しいのだ。
しかし、大体の説明は多くの異能開発時間に割り当てるためにコンピューターや紙によって配布されたり、そもそも今日は授業も連絡事項も既に終わっているため必ずしもホームルームに出る必要はない。
では何故私はホームルームに行こうと思ったのかと言うと、部隊内での結びつきは大事だと思っているからだ。
新しい友達を作るためには、率先してホームルーム活動に参加して交流することが一番の近道だと思っているからだ。
だけど、空音ちゃんは私たちの誘いを断っていた。
「あかんは麗はん、美幸はん。これからお兄と待ち合わせをしていたところなんや・・・やから、一緒には出来ひんと思うは。」
「ふーん・・・空音ちゃんのお兄さんって、イケメンなの?」
イケメン・・・その意味では美幸ちゃんの意見は間違いではないと思う。
だけど、その質問だと、空音ちゃんが何と答えればいいのか困ってしまうかもしれないと思った。
そのため、私はすぐにフォローを入れた。
「空音のお兄さんってもしかして・・・風本秀空さん?」
これで、空音は悩む必要性が無くなったのか口を開いた。
「うん・・・せやで・・・でも、麗はんよくわかったは。風本という苗字がちょっと珍しすぎたとちゃうんかな・・・?」
空音は少し苦笑交じりで驚いていた。
「いや・・・私、朝に秀空さんに声をかけられて、自分の噂を聞いたことを言われて・・・」
「おーい、空音!お兄が仕事から帰ってきたぞ」
その時、ある人が空音ちゃんを呼んでいた。
To be continued.




