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蒼龍ノ爪痕-わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる-  作者: 東山ルイ
シーズン3 自分から助かろうとする者のみが助かる
73/97

73 てめェは確かに強ェーが、同時に眠てェほどに甘いんだなァ!!

普通の連載です。

「──ッッ!!」


「てめェの硬すぎる身体ですら銃弾が効くようになる!! なあ、オマエはあのルーシ・レイノルズと引き分けたんだよなぁ!?」


 声を荒げるエアーズは、右肩を撃ち抜かれて鈍痛によって意識も朦朧としているメビウスへ追撃を仕掛けた。


「だったら()()()()()()()()の前哨戦にァちょうど良い!! おら、へばってるんじゃねェぞォ!!」


 受けた攻撃は発砲だけだというのに、メビウスの目つきは瀕死の病人みたいに碧さを失いつつある。それに加えて、エアーズは刃物のような固形物を自身の周りへ展開し、その死にかけにしか見えない白髮少女に撃ち込んだ。


「ぐはっあッ!?」


 普段であれば傷口すらつかない攻撃でも、エアーズが言うようにいまのメビウスは皮膚の硬さや免疫力が弱くなっている。しかも再生が不可能と来た。この惨劇は魔術を介した未来予知をしておけば防げたはずなのに。

 と、メビウスはなぜか笑う。「……下衆の後知恵だな」とつぶやいて。


「なーに笑ってるんだ? 気味悪リィ。もう意識保ってるのがやっとだろうに」


「いいや……。まだまだ足りんさ」


「ンだとゴラ!! ……。上等じゃねェか。そんなに足りねェというんなら、高射砲で仕留めてやるよ。骨のかけらも残さねェ」


 刹那、メビウスは魔力を膨張させた。彼女の周りに幽霊のような現象が起き、それらは吸い込まれていく。異変に気がついたエアーズはナイフらしき物体をメビウスへ突き刺さそうと動かしたが、時すでに遅しといったところであった。


「……!? 龍娘?」


 ──なんだ。わしの正体を知らないのか。


「私は蒼龍のメビウスの孫娘だぞ? 龍娘になれることがおかしいか?」


「おかしいとは思わねェけどさ……。隔世遺伝ってヤツか? ──まあ、弱点自体は変わってねェからなァ!!」


「分かっているさ。ただ、突撃してくるとは冷静さを欠いているようだな」


 自分から接近してくれるときほど楽な話もない。メビウスは龍娘であり、その真価は肉弾戦でこそ発揮できる。龍の爪が、腕力が、巨大化した魔力が、なにもかもが、メビウスに有利だ。


「ぐぉ!!」


 メビウスは接近戦を仕掛けようと間合いを詰めてきたエアーズに炎を吐く。この紫髪の青年が先ほどやった『再生能力を奪う』に比べれば器用なことはできないが、単純な破壊力であれば息吹のほうが圧倒的に上である。


「あちィ!! あちィ!! チクショウ!!」


「案外耐久力はないのだな」


 この一撃で空中浮遊ができなくなるほどに、エアーズがダメージを食らうとは思ってもなかった。人道に従ってメビウスはエアーズを助けようと彼に近づいていく。

 だが、エアーズは嫌味な笑みを浮かべた。


「おお、蒼龍の孫娘さんよォ!! てめェは確かに強ェーが、同時に眠てェほどに甘いんだなァ!!」


 メビウスの胴体をエアーズの出した金色の刃物らしきものが、再生能力を奪われているメビウスの、目を見開いたメビウスの身体を引き裂く。


「ぎゃあああッ!!」


「くだらねェ悲鳴挙げるンじゃねェ!!」


 エアーズが高射砲と評した魔術による幻体は、あと数十秒でフルチャージされる。

東海村JCO臨界事故、でググると一定期間とはいえ細胞が再生しないのがどれくらいヤヴァイのか分かってもらえるはず……。

いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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先行公開しています~別サイトですがよろしければ!!(ブックマーク・通知オン・PLUSとなっている話を見るにはアカウント登録が必要らしいです。手間かかるけどよろしければ是非!!)

蒼龍ノ爪痕~わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる~-

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