33. 中学2年 11月 さまざまな学校
「最近、調子悪い?」
志賀先生との面談で聞かれた。
10月の後半くらいから、爽涼を休みがちになっちゃってる。朝起きられないっていうのもあるけど、めんどくさくなっちゃって。
行ったけど、やっちゃんもさっつぁんもタキちゃんも休む時があって、そういう時、1日がすっごく長くて苦痛。一度なんか、わたしと3年生の男子と2人しかいないことがあって、嫌になっちゃった。三神先生が気を使って、いろいろ話しかけられて、それもめんどくさっていうか、なんて返していいかわからないし…
やっちゃんとメアド交換してたから、たまに“今日休むね”ってメールがくるけど、いつもじゃない、気まぐれだ。
「なんか疲れちゃって」
と笑ってごまかす感じ。
「この間さ、カンナ小で、俊爽の先生方と懇談会みたいのがあってね、池澤先生もいらしゃってて、『礒田さん、がんばってますよ』って、おしゃってたよ」
「はあ…すいません」
「ううん、謝らなくていいよ。最近、寒くなってきたから、朝、大変だよね。無理せずにね」
先生、ちょっとがっかりしたかなぁ。
「そういえば、前に渡した高校のパンフレット見てみた?」
「あっ、一応見ました。爽涼でももらったりしました」
「あ!ほんと?通信制?見学は行ってないかな?」
見学なんて考えたことないよ。
「通信だと毎月やってるでしょ。随時とかね、個別に対応してくれるんじゃないですか?」
と母にも言った。母は笑って
「行くだけでも、行ったらいいんじゃないかと思うんですけどね。腰が重くって」
なんて言うから、先生も笑う。
「通信って、一般的な授業の他に、芸術系の授業あるじゃない?」
そうだっけ? 実はあんまり見てない…そんなこと書いてあったかなぁ。
「アニメとかイラストとか?そういう授業。それで単位が取れるかどうかは、学校によるだろうけど、そういうのを学べるのもいいんじゃない?美術得意だし」
得意ってわけもないけど…アニメとかイラストって? 漫画家とかイラストレーターみたいなこと? えー? なんだろう。そんなのあったっけ?
通信制って、CMでも見るけど、学校みたいなところで撮ってるよね。通信制じゃないの? 家でやるんでしょ? あ、でも、もらったパンフレットの写真の生徒って制服着てたな、そういえば。
「公立でも、条件が合えば受け入れてくれる学校もあるんですよ。不登校だったんですけどーって事情を説明してね…」
と言い淀み
「受験してもいいですか?って問い合わせるの」
と言った。母はすぐ理解したのか
「結構、厳しそうですねぇ。了承されても、合格するの難しそう」
「そこがね、そうなんですよ。高校側も賭けみたいなもんですよね。まあ、こっちもですけど。まあ、断られることが多いですかね」
2人がなにを言ってるのかわかんないけど、あんまりいい話じゃない。
合格したけど、結局、また不登校になっちゃうかも、結局辞めちゃうかも、ってなったら、なんのために受験した、させた、みたいなこと? そうなると学校側の責任問題も持ち上がるかもだし、だったら最初から受験させなければいいんだ。よっぽど優秀ならともかく、そんなめんどくさい生徒を受け入れたくないよ、かな?
それを通信制は受け入れてくれるってことかと考えてたら
「私立校は案外、受け入れてくれるんですよね。まぁ、進学校は無理ですけどね」
私立校のパンフレット2校も以前もらってあった。ムツキ市にある女子校と市内の共学。図書館に行く途中にあるフェンスに囲まれた学校だった。
「でね、そんなことがあるから…」
そんなこっとって? めんどくさいこと?
「公立でも受け入れてくれるところがあるんですよ」
先生はまたバサバサと資料を探す。
「以前は県内に2校くらいしかなかったんですけどね。今はもっとあるのかな、ハズキ市にはないんだけど」
先生は資料をパラパラめくった。
「不登校とか成績がイマイチなんだけど、本当は実力が出しきれてないかもしれないとかね。そういう子が基礎から学べるようにできるんですよ。そこは毎年1、2人行ってるかな?」
ハズキ市にはないが、隣のウズキ市にある。
でも、ハズキ市って県立高校けっこうあるな。6、7校あるんじゃないかな。そんなもんなのかな。
でも…そこら辺は受け入れてもらえない。私立は3校ぐらい? そこらへんも多分無理だねっていうかいやだな。
やっちゃんはフミ学苑の高校に行くのかな。通信制のパンフレットもらってたから、そっちかな。
さっつぁんやタキちゃんはどうなんだろう。聞いてみようかな。




