稽古
稽古をつけてくれるというルーマのお誘いを俺は、女子と二人だけ……デ、デートォォォォォ!と勘違いをしてしまった。勘違いの間違いの代償は大きい。
オークを倒してからまだ時間があったので、そこからすぐに稽古になった。
場所はギルドにある第一訓練所だ。そこは、ギルドが冒険者の訓練または、稽古のために開放しているところだ。
そこで今俺はルーマに稽古をつけてもらっている。稽古という名の暴力を。
ルーマと手合わせしたときとは、比べものにならないほど早い剣幕で剣を振るってくる。一度防げば、正面から、側面から、死角から三度の剣が振るわれる。しかも、剣に意識を集中させると足払いをされたり、回し蹴りが飛んできたり、何度意識が飛んだか忘れるくらいに。意識が覚醒した後は目が笑ってない笑顔で手を差しのべてきて、稽古を続行。ルーマ、君にはSの才能があるよ。
「今日はこれで終わり。明日からはもう少しハードにするからは」
ウ、ウソ…だろ……今日こんなに疲れてるのに、明日からこれよりきつくなる。逃げ出したい。
「グッホッ!」
「はぁ、まだまだ隙が多いいかな。もっと考えて、二手、三手、四手まで。」
「軽く言ってるけど、体動かしながら考えてるのは、きつい。」
「そこは、慣れだよ、慣れ。」
数学の先生が計算は慣れだよ、慣れって言ってたけど、慣れで出来たら誰も苦労していないよ。しかも、昨日言ってた通り、かなりきつい。
「ほら、休んでる暇なんてないよ。ファイト~。」
女子テニス部の掛け声のように言うな。ファイト~ってまだ俺に頑張れというのか。
「休憩にしようか。やり過ぎちゃったかな?」
やり過ぎちゃったかな?じゃないですよ。体力がたいへんなことになっていますから。
ちなみに今は、ステータスを見ないようにしている。ステータスを見て自分の力が上がっているのを過信しないようにと指示されたからだ。
「そういえば、ビャクヤはどこ出身なの?」
この答えはあらかじめ用意しておいた。テンプレで返す。
「もう帰ることの出来ない遠いい、東の国だよ。」
「ご、ごめんね。なんか嫌なことを思い出させた見たいで。」
?そんなに感傷に浸っていたか?心残りはもうないし……うん…もうないし。
「そんなことはないよ。今こうして二人でいる方が楽しいし。」
「そ、そうなんだ。」
うん?今俺が言ったこと…まぁ、いいか。
「それよりもルーマの出身はどこなの?」
「私はここだよ。」
「へぇ~。ここ出身の人って多いいの?」
「うん、多いっていえば多いいかな。」
「休憩終了。早く始めよ。」
「ハイ、リョウカイデス。」
心を無にして稽古に望もう。
「ガッッ!」
はい、痛みが強すぎて心を無にするなんて無理でした。今まで、蹴りは足払いだったのに、前蹴りをしてきて、その勢いで跳んでいます。あぁ、このままだと壁にあったて───
……はっ、気絶…してたのか?でも気絶していたのは、数秒だったようだ。
「ごめんね、でも、どんな技でも対応できるようにしないとダメだよ。」
「うん、分かったよ。」
「今日はこれで終了で明日は私用事があるから稽古はできない。ごめんね。」
用事って何だろう?まぁ、詮索は良くないからしないけど。
「分かったよ。」




