おわりに:何処かの地下大空間(魔郷)
「なんかさ、面白いことになってるじゃない。大姐様のとこ。魔族が聖女だって?しかも大姐様が。でもってなんとも可愛らしいんだよね。大姐様がさ」
吊りズボンに蝶ネクタイの少年が、足をパタパタ揺らしながら楽しそうに笑う。いつか見た、壁面から掘り出されたような巨像の膝の上で。
「ホント、これが見れただけでも先代のクソ魔王と取り巻きを始末した甲斐があったってもんだね♪準備に何年もかかって手間取りはしたけど」
それには直の反応はしないものの同意の姿勢を示しながら、ラーラスが返事をする。
「お耳に届いておられましたか。モリンから逐一知らせを受けている私共よりも、もしかして早い?」
「最近テレビってのを取り寄せて、さ。映るようにするのに若干手間取ったけど。すごい時代になったもんだよね。まさか世界中ほとんど同時に情報得られるなんて」
「あれは確か、電波、なるものが届かないと映らないのでは?」
ラーラスの隣の大男が首を傾げる。彼が副官(秘書)第一位であるが、明らかに秘書というような体格ではない。
「そんなものは普通、なんとでもなるでしょ。僕らの権能で」
両耳の後ろに手をかざしひらひらさせながら、少年はおどける。
「思いも及びませなんだ。恐縮にございます…それにしても、今次の調停の行方がこのような形に流れていっているのは、お上的にはいかが思し召しでありましょうか」
「僕の思った方向とはちょっと…いやかなり違った形で進んではいるけど、満足ではあるよ?…そもそも大姐様に調停を願ってしまったからね。もう僕から最後まで何か口を挟むことは無いな。あの人を甘くみちゃいけない。あの人は自身の調停を、冗談でも邪魔をするようなことをする存在がいたなら〜」
「全て、排除できるし、するからさ」
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