飲み会にはカウンセラーが常駐しています
「お疲れ様でした〜!」
「登録抹消回避、おめでと〜!」
「ありがとうございま〜す」
ギルドに採集した草を提出し、無事に登録抹消の回避ができました。
三人で乾杯。といっても、ルカは下戸でアイスティー、カヤとわたしはサングリア。お酒より食事メインのわたしたち。かわいいものです。
急な帰還のため、受付姉さまたちも予定あり、「お店で飲んでてくれれば顔は出す!」という頼もしいお言葉。このお店は前にセレナとも来たことがあり、顔なじみの人たちも多い。
立ち呑み屋さんだけど、ご飯もおいしいところなの。
飲んでる間に色んな人からお声がけをいただき、地元に戻ってきたんだなぁという感慨が生まれるね。
「あ〜、ヒュリ〜!」
セレナが来た。
カイルさんといっしょだ。前はガレンと四人で飲んだこともあったなぁ。
「セレナ〜!」と手を振ると、二人揃ってこちらに来た。
「カイルさん、お久しぶりです!」
「おかえり。元気そうだな。セレナから聞いたよ。その様子だとクエスト問題なかったみたいだな」
「ヒュリ、ギルドで同期に会えたら多分ここって言ってたから、誘ったの」
「はい。おかげさまで無事クリアしました。なーに、すっかり二人仲良くなってたのね〜」
「だって、ヒュリもガレンも地元から旅立っちゃったし。つまんないじゃん」
「ふつつかな従姉妹ですが、カイルさん、よろしくお願いします」
ペコリ、と頭を下げてみた。
そうすると、セレナはギャハハ!と笑い、「何言ってるの〜」とバシバシこちらの腕を叩いてくる。痛いってば。
カイルさんはと見れば、苦笑。
「はい、承知しました」と頭を下げられた。
あら、だいぶセレナに鍛えられたとみえる。時の流れを感じますなぁ。
その後、受付姉さま方、騎士団の方々、冒険者の方々、次々と顔を出してくれて目まぐるしい。
みんな、ひとしきり話して、じゃね!という軽さ。こういうの、いいね。
ルカとカヤも明日あるから、と帰っていった。ばいばーい。
わたしもそろそろ帰ろうかな、セレナに声掛けしようと思ったけど、盛り上がってる。
騎士団の人かな?楽しそうだから、もうちょっと待ってるか、と思ったところにカイルさんが来た。
「何か飲むか?」と聞いてくれたので、じゃあ、とアイスティーをお願いした。
アイスティーが来たところで、改めて、乾杯。
「カイルさん、セレナと付き合ってるんだ」と聞いたら
「は?そんなんじゃない」との返事。
「あれ、そうなんだ。二人で会ったりしてるなら、そうなのかと思った」と言うと
「お前もいないし、推しのダルクレストもいないしで、暇なんだろ」と返ってきた。
「カイルさんも暇なの?ま、仲良しはいいことよ」
「俺じゃ、ダルクレストの代わりにはならないだろ」
あれ、急にやさぐれてきた。酔っ払いか?
「な〜に、それ?あの〜、ティーンエイジャーにわかるように言ってもらえますかぁ?」
「腹立つな、その言い方。ばあちゃんみたいなとこあるくせに」
「おばあちゃん子だからしょうがないんです〜」
「はっ」
アイスティーを一気に飲んだら、ストローがズッと音を立てた。飲み終わっちゃったよ。
「まぁ、いいや。おばあちゃんモード発動。はい。何かばあちゃんに言ってみな」
「お前、それ、どんなキャラだよ」と文句言いながら、おかわりを頼んでくれるカイルさんはやさしい。
「いや、まぁ、おれは代用品ってことだ」
「え?なんの?」
「ダルクレストの?」
「ガレン?どっからそうきたの?二人とも全然違うんだけど」
「そりゃ違うさ。かたやトップ付き、天馬にも乗る。こっちはしがない町の騎士」
「えー、そこ?カイルさん、めんどくさい。そしてわかるようにご説明お願いします」
「うるせぇな。めんどくさいんだよ!」
「おー、カイルは開き直った!」
「ナレーションするな!」
「ま、なんだ。そこらへんはわたしの力不足だ。すまんが、ティーンに相談せず、己で乗り越えてくれ」
「だから、そのキャラ誰だよ」
野菜スティックぱくり。ごくん。
「でもさ、カイルさんはカイルさんだよ。カイルさんがいやならセレナも誘わないでしょ?
気にしてるの本人だけな気がするけど。……まぁ、兄さん、がんば!」
「お前、ほんと腹立つなー」
「ひどい。こんなに天使なのに」と返して、別のテーブルにいるセレナに向かって
「セレナー、カイルさんが送ってくれるって。そろそろおいとましませんか〜?」と声をかけた。
カイルさん、怒って見せてるけど、まんざらでもないのばれてますって。




