おうちもたまには衣替え
◆ガレン
「そういえば、この前、メロンパン訓練の帰りの立ち寄りなさったと伺いました」とエリアスに言われて、思わず、まじまじと彼の顔を見てしまった。
メロンパン訓練、周知されているのか。そして、立ち寄り情報が回るの、早くないか?
「あ、ちょうどガリー先輩が御用があるとかで、天馬の夜の世話を頼まれたんですよ〜。ブレーがいないので、気になって確認したら、私用立ち寄りで遅くなる予定と伺ったので」
ああ、そういうことか。初日に話しかけてきたことからもわかるが、エリアスは素直で人懐っこく、先輩たちに可愛がられている。
「ガレンさんが寄り道なんて珍しいなぁって思ったんです」
「ああ、友人のところに立ち寄ったんだ。ここからちょっと距離があって、訓練時に立ち寄るのが効率いいから」
「なるほどー。確かに天馬移動だと早いですもんね」
「ああ、そうなんだ」
「お友達は王都には来られないんですか?」
「魔法使いのところで修行中だから、なかなか来られないだろうな」
「魔法使いですか!すごいじゃないですか!僕はほとんど魔法使えないですよ」
「俺もだ」
……というやりとりをしたその後、話は思わぬ方向へ転がった。そして、今、エリアスとヒュリの家を目指して馬を走らせている。
なぜか――屋根の葺き替えのため、だ。休暇をとっても特にやることがなく、身体を鍛えるくらいしかないので、自分から言い出したことだ。これくらいは別にどうということはない。
とはいえ、エリアスも同行となるとは。ちょうどお互いの休みが合い、何をするのかと聞かれて答えた結果がこれだ。
馬で三時間かかる距離、早朝に出発だぞ。そう来るんじゃないかとは思っていたが、つくづく、エリアス、物好きなやつだ。
◆ヒュリ
朝ごはんをささっと済ませ、外に出てガレンをぐりちゃんといっしょに待っています。リサさんも後から顔を出す予定。
茅は昨日すでに運んでもらっているので準備万端。もうそろそろ、バルクさんも来る時間だ。おかげさまでお天気で茅葺き日和り。なんかソワソワしちゃうね。
あ、蹄の音が聞こえてきた。きっとガレンたちだ。
「おはようございます。遠い所朝早くからありがとうございます!」
「おはよう」
「おはようございます。はじめまして!」
ガレンと同僚の騎士さん。若いな。同じ年くらいかも。
好奇心旺盛な明るい感じの人で、目がキラキラしてる。二人ともストンと身軽に馬を降りる。
「はじめまして。ヒュリアと申します。遠い所、わざわざお手伝いに来ていただけて、たすかります」
ペコリと頭をさげる。王都からなら早朝出発。お休みの日にありがたい。
「エリアスです。ガレンさんにはよくしていただいています。今日は僕が我儘言ってついてきたんですよ」
「ピ」
「あ、こちら、ぐりちゃんです。精霊です」
「うわぁ〜、僕、精霊と会うのはじめてです。ぐりちゃん、エリアスです。以後お見知り置きを」
「ピ」
ぐりちゃん、けっこう、エリアスくんを気に入ったみたいだ。
「本当にお手伝いいただけるなんて、とっても助かります。えーと、ガレン、お馬さんたち用にお隣の緑地をお借りしたの。お水とかもそっちにあるの。ここから姿も見えるし、いい?
あと、飲み物でも用意するので、まずは一息ついてください。あ、朝ごはんがまだなら、簡単なものでも用意しますけど?」
「いや、俺は大丈夫」
「おかまいなく!僕もちゃんと食べてきました!」
うん、元気いいな。感じいい人だ。
お馬さんたちを移動させ、戻ってきたところで、リビングに通すことにする。
リサさん、起きてるでしょうね。と思いながら、案内すると、ちゃんと起きて待ってました。絶対におうちに起こされたな。
「おはよう。リサ・オルディナ・アヴェロンだ。わざわざお休みの中、手伝いにきてくれてありがとう」
「おはようございます。同僚のエリアス・ヴェルナーです」
「おはようございます。はじめまして。エリアス・ヴェルナーと申します。今日は貴重な体験ができるので、楽しみにしております」
「貴重な体験かどうかわからんがなぁ〜。どうぞ、よろしく」
「はい!」
挨拶が済んだので、声をかけた。
「お飲み物、ここで召し上がります?庭にもテーブルがあるのでそちらでも。冷たいお茶と温かいお茶、どちらが良いですか?」
「庭でいいんじゃないか?そうだな、冷たいものをいただこうかな」
「エリアスさんは?」
「ガレンさんと同じものをお願いします」
そう言われたので、冷たいお茶のピッチャーとグラスをお盆に載せ、持っていこうとすると、ガレンが何も言わず、持ってくれた。
「ありがと。じゃあ、こちらへ」と案内する。
庭のテーブルにおいて、汗をかくだろうし、作業中もここに置いておくので勝手に飲んでもらうようにする。ちょっと摘めるものとおしぼりくらい用意しておこう。
「ヒュリちゃ〜ん。おはよう」
あ、バルクさんがきた。あいかわらず、バリトンボイスでかっこいいな。
「おはようございまーす」
「あ、助っ人さんか。いい男二人。ヒュリちゃん流石だね〜」
「ま、こんなもんです。任せといてくださいよ」
お互いに軽口。無口な人と思ったら、意外に冗談を言う人だった。
「よろしく」
「よろしくお願いします」
いい男二人も挨拶してる。
「じゃあ、さっそく始めるか。ま、今日は単純だ。古い茅を下におろして、新しい茅を屋根にあげる。魔法で茅は下に落ちるし、新しい茅は屋根に運べば自然に茅葺きがはじまるんだろ?」
「はい。そのはずです。ちょっと古い茅落とすようにしてきますね」
そういうと、ヒュリは建物に近づき、詠唱を唱えているようだ。魔法使いの修行はかなりすすんでいるらしい。
詠唱が終わったらしく、こちらに戻ってくる間に茅が屋根からポンポンと落ちてくる。
「ほわ〜、ヒュリさん、すごい魔法使いじゃないですか。茅、ポップコーンみたいになってますよ」
エリアスが目を丸くしている。
ヒュリは気配に気づき、後ろを見て、「うわ〜」と言っている。なんで自分で驚いている?
「いいなぁ。ヒュリちゃん、うちで仕事してよ」
「あはは。だめですよ。これ、わたしが魔法でやってるわけじゃないもの。師匠のご先祖の魔法ですよ」
「あ、そうなの?」
「はい、すごいですよね〜。ほんとポップコーン!」
「おもしろいですねぇ。今日、来てよかった!」
「……よかったな」
あっという間に屋根の上から三分の一くらいがすっぱりなくなった。お坊さんの頭かな。てっぺんに毛がなくて、まわりにだけあるやつ。歴史の資料集でみたやつ。
「お坊さんみたい」と笑いながら呟くと
「ヒュリさん、うまい」とエリアスくん。
「確かに坊さんだ」とガレン。
ブハッ。と吹き出すバルクさん。
「じゃあ、俺達で還俗させるか〜」
「ピ」
お、ぐりちゃん、参加。
バルクさん、うまいですね。
バルクさんの指示のもと、いい男たちはフォーメーションを組んだ。バルクさんは地上、ガレンははしご中央、エリアスくんは屋根の上。途中で役割交代するんだって。
これで茅を放りながら、屋根に持っていく。リズミカルで楽しそうだ。茅は一束に紐でくくっている。これもおうちはしゅるっと解くらしい。
屋根に置くと、紐をほどき、パパっと屋根に茅を敷き詰めていく。
「うわ〜、すごい!面白い!」とエリアスくんが叫んでいた。うん、あれはすごいよね。
おもしろくてついついずっと見てしまい、気がつくと意外に時間がたっていた。
「お昼用意してくるね〜!」と叫び、キッチンに下がります。
リビングにリサさんがいたので、報告。通常運転。今日は研究モードではないので、ダラダラしてる。
「今日、お天気いいし、茅葺きが終わったら、お庭でお昼にしましょうよ。お隣さんもランチにきますし、庭の木の下でお昼は絶対に気持ちいいですよ」
「はいはい。じゃ、用意できたら研究室に呼びにきてくれ」
「はい、了解です」
飲み物はお隣さんがもってきてくれるので、こちらは果実水とアイスティーくらいは用意しておく。
食べる時に魔法で温めたり、冷やしたりすればいいし、またちょっと様子見てきましょう。
古い茅の片付けでも手伝おうと思ったけど、料理用意するし、汚れちゃうと面倒なので勝手ながらおまかせすることにしました。
汗だくだろうけど、リサさんがクリーニング魔法をしてくれるそうだ。
分離魔法でやってみる?と一瞬思ったけど、服まで分離させたらまずい。今回はやめておきます。
作業開始してから二時間たたずに茅葺き終了。古い茅はバルクさんの荷馬車に積み上がっている。さすが、仕事が早いです。
ちょうど、お隣さんもこちらに来てくれました。ロゼワインとサングリア、あと食後のコーヒーを用意してくれている。わたし、コーヒーを入れるの下手だし、ヴァルトさんがいれるコーヒーがおいしいので先に頼んじゃった。
みんなで外に出て、屋根を見上げる。
飾り棟になってる!かわいい!あと……屋根の上に猫?
「終わりました。よろしければ上で確認なさいますか?しかし、すごい魔法ですね。俺の出番なしでしたよ」
バルクさんが、リサさんに伝えている。
「いや、いろいろと助かった。ありがとう。そうだな。せっかくだから確認しに行くか。ヒュリも来い」
「はい」
「大丈夫。はしごは不要だ」というとリサさんは一瞬にして屋根の上に。
「おお〜〜っ」
ノリがいいです。エリアスくん。
じゃ、わたしも。おうちにお願いしましょうか。
「上にお願い」というと、シュッと屋根に飛ばしてくれた。
「おお〜〜〜っ」
エリアスくん、おもしろい。ガレン、存在感ないよ。
リサさんも屋根を見回し、いいんじゃないか、と頷いてます。シンプルな幾何学模様の茅でつくった縁取りがおしゃれ。あと、茅でできた猫!
本でも見たけど、これも作ったんだ。かわいい。
「いいな。ヒュリはどうだ?」
「気に入りました。すごい素敵!」
二人でおうちに「ありがとな」「ありがとう」と声掛けした。あと、リサさん、しゃがんで「気が付かなくて悪かったな」と追加で謝ってました。
その後、二人でおうちに下に降ろしてもらう。男子三人はびっくり顔でした。特にエリアスくん、お目々キラキラです。
「すごすぎるーーー!」心の声がだだ漏れです。
「どうもありがとう。とても綺麗にできてる。かなり暑かっただろう?よかったらクリーニング魔法するぞ。すっきりしてから食事にしよう」
「あー、お申し出はありがたいのですが、ちょっと仕事が立て込んでおりまして、ご満足いただけたなら、今日はこれでお暇させていただきます」とバルクさん。
「そうなのか。それは残念だな…」
「いえ、楽しい仕事でした。魔法の茅葺きなんぞ、なかなか見れないですからね。いい経験をさせていただきました」
え、バルクさん、帰っちゃうの?と焦ったら、さすが年の功、エルナさんが
「あら、せっかくヒュリちゃんがランチ用意したんだから。サンドウィッチつくるから持ってきなさいな」と提案してくれた。
さすが!思いつかなかった。
「ちょっとまっててね。その間にクリーニングしてもらってて。はい、ヒュリちゃん、手伝って」
エルナさんはそう言うとうちの中に入っていく。
キッチンにつくと、バケットを大きく切り、コロッケ、チキン、野菜、ディップを手際よく挟んでサンドウィッチ二種完成。紙袋にいれて出来上がり。はやーい。はい、と渡されました。
庭に戻ると、バルクさんはリサさんのクリーニング魔法ですっきりしたみたいだ。サンドウィッチの紙袋を渡す。
ガレンたちはとみると、こちらもすっきり。服もしゃっきりしている。うーん、クリーニング魔法も捨てがたし。
バルクさんをお見送りした後、ではランチにしましょうか。という時に、「あ!」とそろって声をだす、男二人。
「お土産渡すの忘れてた!」だって。二人してすっかり忘れていたらしい。
いただいたのが、ガレンから、おばちゃんからリサさんへのプレゼントのお米のお酒。新しい屋根のお祝いかしら? ガレンのお土産は王都の石畳っていう名前のチョコレート。チョコ大好きだからうれしい。
そして、エリアスくんからは王都で流行っているという虹色クッキー。お花のクッキーの真ん中に溶けた飴が七色七味。赤、ピンク、オレンジ、黄色、黄緑、水色、紫。ガラスみたいでとっても綺麗。
「ガレン、チョコレート大好き。ありがとう!
エリアスくん、このクッキーとっても綺麗!食べるのもったいなくなっちゃう。ほら、光を通すととてもきれい!せっかくなので二つとも後で出すね。みんなでいただきましょう」
大きな木の下でみんなでテーブルを囲む。
ふわっとテーブルクロスをかけるだけで特別感がでる。うん、いい感じ。
ランチメニューは、ピラフ。スパイス・チキン。ポテトコロッケ。たらこのディップ。ハーブとクリームチーズのディップ。タプナード。バケット。トロムさんの菜園の野菜サラダ。野菜のオーブン焼き。ちょっとずつ、トロムさんにわけてパントリーに。人見知りだからね。
あとは、大皿でどーんと出して、それぞれ好きなものを好きなだけ取ってもらいます。
飲み物はアイスティーと果実水。
それにお隣さんから、ロゼワインとサングリア。ガレンのお土産のお米のお酒も加わって、大人チームはまったりお酒を飲みながらのお食事。
そして、さすが、男子二人。もりもり食べてます。気持ちいい食べっぷり。
ガレン、もくもく食べてます。目があったら、うんうんと頷いてきた。おいしいのね。よかった。
「うま〜〜!」エリアスくんも気に入ってくれたようでなにより。
「ポテトコロッケ、すっごいおいしいんですけど!なにこれ」
「マッシュポテトパウダーにミルク、茹でたじゃがいも、チーズ、刻んだバジルで作りました」
「えっと、じゃあ、このピンクのディップは?」
バケットにたっぷり塗ってから聞いてくる。気に入ってくれたんだね。
「唐辛子漬けのたらことホイップ生クリームをまぜました」
「サラダもおいしい!」
「これは家庭菜園のお野菜で作ったの。庭師の小人さんの腕がいいんだね」
トロムさん、褒められてるよ。聞いてるかな。
「ほんとに全部おいしい……ガレンさん、ヒュリさんがこんな料理上手って知ってたんですか?」
「んー、そんなちゃんと食べたことなかったけど、まぁ、知ってた」
「なんか、腹立つコメントだなぁ」
正直者だな。
「正直なところ、おいしい調味料とかにかなり助けられているのです」
「え、じゃあ、僕にも作れるかな?」
「うん、作れるよ。大丈夫」
「作ってみたいなぁ…」
「簡単なものから作るといいかも。たらこディップとか簡単だよ」
「ピィ」
お、ぐりちゃん、参加した。エリアスくん、気に入ってるなぁ。
「ぐりちゃんもがんばれって」
「やる。レシピください」
大人チームはまったりお酒を楽しんでいますね。
いい風も吹いてきて、葉っぱのさわさわ揺れる音も気持ちいい。
なんとなく、落ち着いたところでデザート出しましょうかね。
「コーヒーと紅茶どっちがいいですか?コーヒー飲む人?」と聞くと、みんなノリよく「はーい」と手を上げてくれました。あ、全員コーヒーだ。
コーヒーを淹れるのは、お隣さんのベルンさんにお願いする。
その間にわたしは締めのシャーベットを用意してきます。
デザートはミルクとはちみつと胡椒のシャーベット。凍らせて、空気入れてふわっとさせればいいから、簡単。けっこうガリガリ胡椒を挽いて入れるのがマイブームなので、勝手にガリガリいれる。
その後、小さな粗塩をほんの数粒ぱらり。
お好みで追加できるように小皿に粗塩を入れておく。このお塩もおいしいのよ。
それから、二人のお土産も忘れずに。おかげさまでデザート三種。とっても豪華になりました。
ランチはゆっくりみんなで楽しみ、だらだら過ごしているうちに、ガレンたちが帰る時間になった。三時間かかるから、暗くなる前に帰らないとね。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
エルナさんがサンドウィッチを作って二人に渡してくれました。王都まで時間がかかるからねって。
いつの間に!さすがです。
そして、わたしたちからのお礼を兼ねたポーションと傷薬の軟膏のセットがお土産です。ポーションはリサさん、軟膏はわたしが作ったもの。
あらためて、リサさんと二人にお礼をいって、みんなでお見送りをしました。
ガレンは「今日は楽しかった。ありがとな。お礼なんてよかったのに。ランチもごちそうさま。また訓練帰りによるな」といい、
エリアスくんは「お土産ありがとうございます。また絶対に来ますね!」って言って帰っていきました。
その後、ベルンさん、エルナさんもそのままお帰りに。
「楽しかったですね〜」
「ヒュリのおかげだな。ランチもうまかった」
「まだお土産残ってますよ。明日のおやつも充実ですね。あ、クリーニング魔法、教えてください」
「やっぱりな。そう来るんじゃないかと思った」
二人でおしゃべりしながら、うちの中に入ると、パサ、パサっと音がする……
屋根の上の茅猫飾りがこっちに向かって歩いてくるところでした。
かわいいんだかちょっと不気味なんだか。微妙。あ、でも、右の後ろ足がちょっと短いんだ。
ちょっとコケつつ歩いてくるところが、かわいいかも。
「リサさん、この茅猫ちゃんもおうち?」
「だろうな。おもしろい。微妙に不気味だな」
あ、リサさんもそう思ったのか。
「まぁ、茅猫も動けるのは敷地内だけだから、騒ぎにもならないだろ。好きにさせとけ」
「あ、外にはでれないんですか?」
「うちの魔法はこの敷地内だけだ。そういうルールで出来てるからな」
「じゃあ、気が付かないうちに外に出て壊れちゃうってことはないんですね。よかった!」
「どんくさそうだもんな」といったリサさんの言葉を聞きつけたせいか、茅猫ちゃんはリサさんの足をパタパタ叩いていた。
もちろん、まったくダメージは与えられていない。かわいい。
翌日。
出勤すると、エリアスが駆け寄ってきた。
「おはようございます!昨日はどうもありがとうございました!」
「おはよう。こちらこそ、朝早くからこき使って悪かったな。いろいろとありがとう。助かった」
「とんでもない!またぜひお誘いください。お誘い待ってますよ!」
昨日からずっとこんな調子だ。まだ興奮がさめていないらしい。
いつもはもっと落ち着いてるが、昨日も子供みたいにはしゃいでいたからな。ヒュリもいつのまにか、エリアスさんからエリアスくん呼びになっていたしな。
エリアスとのやり取りを聞きつけ、天馬隊メンバーが集まってきて、質問がはじまった。
「なに、昨日二人で休んでどっか行ったの?」「あやしいなぁ〜」
「はい!ガレンさんのお友達のところに!めっちゃくちゃ楽しかったんですよ!」
「友人の家の手伝いに行くのに、一緒に手伝ってもらったんだ」
「なにそれ、この前言ってた女の子?」
……勝手にそっちで言ってたんだと思ったが?
「あ、女の子です。ヒュリさんていって、めっちゃかわいいんです。きゅるんって感じなんですよ〜。楽しくて料理上手!魔法使いで、ひゅっと屋根に移動しちゃうんですよ!」
「きゅるん?」
「かわいいだと!なんで誘わないんだよ!え?屋根に乗るの?なにそれ?」
あー、確かにきゅるんとしてるな。言いたいことはわかる。うん。
まだまだ話が長引きそうだし、仕事があるしで、俺は離脱。
聞いたところによると、その後もずっとエリアスは興奮気味にみなに報告していたらしい。
おかげでヒュリがものすごい美少女になっていた。まぁ、かわいいことはかわいいが、美少女ではないだろう。ヒュリが「推し」と宣言したそうだ。
エリアス、大丈夫か?




