53: できちゃった!
最近は日差しが入るのが早くなってきた。
今日もロックはお寝坊さん。
領地に毎日通うのも楽じゃないし、自宅をエラさんに譲って引っ越そうかなぁ?
スラム街の引っ越しも徐々に進んでいるしその方が色々都合がいい。
領地には領主邸宅が有るし、お風呂もある。
ロックを起こして相談する。
「ロック……起きて?」
「キスしてくれたら起きる……」
「ちゅっ……ちゅっ……」
「あのね、領地に引っ越さない?」
「治癒院はどうすんだ?」
「エラさんに譲って領地でまたやればいいかなって!」
「ロックも通いじゃ大変でしょ?」
「まあなぁ」
「とりあえず朝食たべて考えない?」
「そうだな!かすみを食べよう!」
「んもぅ!」
今日も仲良し、愛してるよ!ロック。
馬車を見送るとお醤油と格闘する。
今は搾りの工程で、重石の圧力でゆっくり1週間かけて搾り終えた。
それを火にかけ味を整えていく。
冷ましたら完成のはず?
ちょっと味見……うん、出来ちゃった!
これ、お醤油だよ!
時間はかかったけど自分で1から作ったものは感慨深いものがある。
マグロパーティ開きたいな!
お寿司も良いよね?
レイノルズ家にも持って行きたい。
そうこうしてる内にエラさん達がやって来た。
私は治癒院をエラさんに任せて領地に移りたいと話した。
勿論家付きでね。
「そんなことしていただく訳には……」
「その代わり、お給料を渡すのを止めるからポーションは私から買って貰う、これでどう?」
「本当にいいんですか?」
「エラさんの事ずっと見てきたし、任せられるって信用してるから!」
「何から何までありがとうございます……女手一つでやってこれてるのもかすみさんのお陰なのに家まで……」
「気にしない気にしない!家具も置いていくから身体1つで来ればいいよ!」
アレクが目をまん丸にして喜んでいる。
子供が2人居るんだから広いに越したことはないよね?
「領地まで馬車で少しだし、困った事があればなんでも言って?ポーションは小鳩急便に運ばせればいいしね!」
「わたし一生懸命頑張ります!本当にありがとうございます!」
「うんうん、明日の朝引っ越すから、エラさんも必要な物もっておいでね?」
領主邸宅にはメイドや執事がいる。
立派なお屋敷だし住まなきゃ損だよね笑
明日から、料理も洗濯も洗い物もしなくていいんだ!
めちゃくちゃ楽になるけど何しよう?
明日の引っ越しに向けて、洋服や防水シーツ、これ大事!
靴やお醤油などをアイテムボックスに放り込む。
大体こんなもんかな?
とりあえずポーション2種類を500個ずつ予備に作って置いた。
暇になった私はロックの元に向かう。
あ、そうだ。
料理人は居ないんだった!
急いで引き返して商業ギルドに向かった。
料理人を紹介して貰うためにね!
暫く待つとギルド長おすすめの料理人が5人やって来た。
5人も要らないっての……選びにくいじゃない。
条件として領地に移住してくれて住み込み出来る人がいい。
年寄りは給料も高いし、創作意欲が無さそうだから若い男性2人を選び3日で領地入りしてくれる様に頼んだ。
私は食材を買って領地に向かった。
「ローック!明日の朝からここに住むよ!」
「随分早いな笑」
「今日は1度帰ってロックの必要な物取りに行こ?
私は全部持ってきたから!」
「了解!笑」
思い立ったが吉日って言うじゃない?
私、せっかちなのかな?
日が暮れた頃、新居第1号最後の思い出にひたる。
「案外短かったね、ここ。」
「だな!ベッドマットがびちゃびちゃな思い出しかないぜ?いつもびちゃびちゃな方に寝るのは俺だしな笑」
「そうだったっけ?笑」
最後の1日は、手を繋いでゆっくり眠った。




