修学旅行は下準備から
「みんな、今日は俺たち別世界組のために集まってくれたこと感謝する。それぞれ思うとこはあるだろうが、力を貸して欲しい」
校舎前の広場には生徒たちにSGF、その他と俺を含めて総勢十七人の大所帯となった。
「面識がないやつもいると思うが、敵じゃないはずだから安心してもらって構わない。で、もう一度説明するが、俺たちが元居た世界に帰るには「幻想破壊」という術が必要だ。その術は五人目が発動する事で成功するようになっていて、それまでの四人は失敗することでヒントが得られるようになっていた。そのヒントを基に条件達成のため、ヒント毎に四つのチームに分けた」
昨晩この面々をどう分けるか考え、この場で発表するため鳥の子紙にチーム分けを書いておいた。何度か誤字って書き直したが、何十回目かの成功した分を持ってきた。
「ここにあるように、呪文と魔法陣を作るのにカフィア・ツトム・フクロウ、これからこの世界がどうなるのか国民に伝えるのが姉貴・エンジ・ナバロ・ミサ・オオグロ、それから……そうだ、こいつはロアンの従者で……」
「皆様ごきげんよう」
丁寧に右手を左胸の前に置き、礼をするのはセルゲイだ。こいつに協力を仰ぐ際に度肝を抜かれる話を聞いた。
「実は勇者だった男だ」
そう告げた途端各々一斉にざわついた。主人であるロアンですら知らなかったようで目を丸くしている。
「セルゲイ、それは本当ですか!?」
「本当でございます。隠していたつもりではなかったのですが……申し訳ありません」
詰め寄るロアンにセルゲイは謝罪した。しかし、ロアンはセルゲイの顔をほぼ毎日見ても勇者だと気付かなかったということは勇者は顔バレしていなかったのだろうか。
「それから俺も初見だがそっちのやつらが……」
「勇者一行が一人レイエールです」
「同じくドミンゴだ」
レイエールと名乗るどことなく奥ゆかしさのある女性とガタイのいい明らかなパワータイプドミンゴも協力してくれることとなった。イベント上協力してくれることになっていたのかもしれないが……
「勇者一行にはラピスラズリ回収を頼みたい」
「かしこまりました」
難易度がどれほどになるかわからないが、勇者というくらいだ、大抵のことは何とかしてくれるだろう。
「そして俺たちはブルーオーシャンを取りに行く!」
「あのぉ……私は……?」
表現が分かりにくかったのかテトラが伺ってくる。確かに「俺たち」となれば俺と生徒たちということになるだろう。ここまでの振り分けではテトラだけ残っていることになっており、不安らしい。だが……
「……? 一緒に来るだろ?」
「!! はい!」
最初から「俺たち」の中にテトラは入っているつもりだった。快く付いてきてくれるようでなによりだ。
「これから一週間、各々条件達成のため頑張ってもらいたい。早く終われば好きにしてもらって構わない。一週間で間に合わなさそうだったら何かしら連絡を入れて欲しい。以上、質問はあるか?」
この四年弱、俺は間違ってなかった。これだけの信用できる仲間がいて間違っていると思えるわけもない。今度こそカフィアにナバロ、姉貴の悲願を果たす!
「健闘を祈る! それじゃ、幻想破壊計画開始だ!」
各チーム作戦会議に入る。
「さて、さっき言ったように俺たちの目的はブルーオーシャンを手に入れることだ。と言ってもどこにあるかは分からない。そこで、情報を持ってそうなやつに話を聞いてこようと思う。ちょっと待っててくれ」
この場にいるメンバーで最も冒険していて条件を持っていそうなやつ。さらには新しい情報源になりそうなやつらといえば……
「おーい、セルゲイ!」
「エビス殿、どうされました?」
「俺たちブルーオーシャンを探しに行くわけだがアテがなくてな、勇者として世界を旅してきたであろうお前なら何か知ってるんじゃないかと思ってな」
ブルーオーシャンが幻想破壊専用のアイテムであれば知らないかもしれないが、仮にブルーオーシャンをうちのドラゴンの成体みたいなバケモノが持っているとして、冒険のいち関門としてエンカウントしているとすればワンチャンあるかも知れない。
「そうですねぇ……私は存じ上げませんね」
「そうか……邪魔したな」
「いえ、お力になれず申し訳ありません」
戻って情報収集の仕方を協議して……
「ちょっと待ちな」
勇者一向に背を向けたとき、背後から引き止める声がした。
「エビスと言ったか、ブルーオーシャンについての情報なら持ってるぞ」
声の主は勇者一行が一人、ドミンゴだった。
「ホントか!?」
「あぁ、だがタダってわけにはいかないなぁ、いくら出す?」
「何っ!?」
まさか金を要求されるとは、勇者一行の一人なんだからもうちょっと周りの目とか気にしないか? しかし素直に従ったとしてその情報は有力なのだろうか。
「……いくら必要だ?」
「そうだなぁ……」
「おいっ!!」
空気が凍り、周りで作戦会議を続けていた他のチームもこちらに視線を向ける。力いっぱい手を握り、体を震わせて怒気を放っているのはまさかのセルゲイだった。
「こちらのエビス殿は我が主であるロアン様の師だぞっ! 身分をわきまえろっ!」
「落ち着けよ! 大丈夫だから! なっ?」
羽交い締めにしてセルゲイを抑える。
「ちっ、分かったよ。ブルーオーシャンはだなぁ……」
それからしばらく、ドミンゴはブルーオーシャンについていくつかの情報を話した。やはりこの場に来たのがセルゲイだけじゃなかったことはこのイベント攻略に繋がるらしい。一応礼を言ってチームの輪に戻る。
「あ、エビスさんどうでした?」
「信用できるソースか分からんが、ひとまず向かうべきはここから南東に位置するアメリケーヌ国だ。詳しくは道中で説明する」
信用できるか分からんと言ったがセルゲイにあれだけ怒られた後であり、イベントを進める上で必要なサブイベントであったとすれば十中八九間違いない情報だろう。
「さて、分かってると思うがこれが最後の旅になる。ロアン、ライチ、ギョクロ、チユキ、テトラ……」
学校を開校したときから大分顔つきが変わった面々の注目を集めながら先陣を切って一歩踏み出す。
「これが俺たちの修学旅行だ! いくぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
いつの間にか他のチームはいなくなっていたり作業に入っていたりと俺たちは四チーム中最後の始動となった。仲間たちの協力に感謝し、それぞれうまくやってくれることを信じながらもブルーオーシャン入手に力を尽くしたい。
どうも~ロカクです!(。・ω・)ノ
ここ最近ではわりと早い更新に漕ぎ着けて良かったです!
さて、ここで何を書いていたか忘れましたww
あれですね、今後のことですね!何度もお伝えしてきたようにあと数話で終わりですがここからが面白くなってくるところですよと書かせていただきますね(´^ω^)
このエビス先生が終わってもまだ中途半端にしている作品もありますのでそちらもご一読いただけると幸いです!
それでは、また次回!




