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エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
ロメスコ遠征編
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兄に騙された妹

 信じることこそが嘘を本当にする絶対的方法だと気づいた。安っぽい話かもしれないが、誰も俺に見向きもしなかった前の世界では俺自身が「嘘」になっていたことだろう。だがこの世界にいる、俺の側にいてくれるやつらは信じてくれている。今こそその思いに報いるとき!


「ミサ! ウンディーネ! ちょっと聞いてくれ……」


 俺が狂ったようにボーイッシュガールに殴りかかっていたとき、脳の半分は冷静だった。その冷静な部分でボーイッシュガールの弱点となりうるところを見つけた。


「あ~そういえばそうだったかな?」


「やってみる価値はありそうねぇ」


「あと1時間もすればレーザーぶっ放せるんだけど、もう諦めたってことでいいのかなぁ!?」


 相変わらず機械をいじりながら、周囲をハリボテロボットで固めて大きめの声でタイムリミットを教えてくれるボーイッシュガール。今から一泡吹かせてやる。


「あーもうダメだな! 冥土の土産に名前聞いていいか?」


「もっ、物分かりがいいね! 僕の名前はカフィアだよ!」


 名前を聞いただけなのにボーイッシュガール改めカフィアの手元が狂い始めた。ここで俺の仮説は確信に変わる。


「そうかそうか。あともう一つ、あの本やらノートやらが本棚にすし詰めの部屋はお前の部屋か?」


「まぁ……」


「ふんふん」


 そろそろか……


「いやーありがとよ、おかげで整ったわ! お前が行く冥土の準備がな!」


「なっ!?」


 やっと顔上げたか、だがもう遅い!


「濃厚海水ビックウェーブぅ!」


 俺は基本ゲーマーだがテレビっ子でもある。バラエティー番組の罰ゲームで芸人が大量の粉やら水を被っているのを思い出した。しかも対象はずっと下を向いている。これは上からの攻めが有効だろうと気づいた。


「ミサ!」


「オッケー! てりゃあ!」


 ミサの蹴り一撃、まさにロボットどもを一蹴した。アイドルも競争時代で何か突出したところがないと厳しいということで体を鍛えていると聞いていた。ここまでとは予想以上だ。


「あっ!」


「これでっ! 終わりだぁああああ!!」


 ここで拳銃でも持っていれば突き付けて終わりにできるが、生憎(あいにく)持っていないため殴ることにした。


「くっ」


「……とまぁ男だったら殴ってるところだが男っぽいと言っても女だ、さすがに殴れねぇよ」


「エビちゃん……人の心があったんだ……」


「俺をなんだと思ってんだ!?」


 俺はそんなに冷酷な素振りをしてたか? いやいや、多分ミサなりの冗談だろう。なんたって俺は目の前ににっくき少女がいてもぶん殴らないんだからな。


「なんでわざわざ機械兵共に防御させてんのかと思ったらお前たいして強くねぇだろ」


「うっ……」


「それから俺を殺す気もなければレーザーを射つ気もない、一体どういうことだよ? 言ってみ?」


 相手は女で子供、喧嘩腰でかかるのもよくないだろう。ここは紳士の余裕で必要なことを聞き出すとしよう。


「……海老沢末広、お前はもう前世界(あっち)に戻る手段を確立しているんだよね?」


「あぁ、確かに」


「じゃあ何故早く実行しないんだよ!? 帰りたくないの!?」


 さっさと正攻法で帰れってことか……ん? ってことは……


「すぐ帰ることもねぇっつーか、まだ現世界(こっち)でやることがあんだけど……お前製作者なのになんですぐ帰んねぇんだ?」


「僕は不本意で現世界(ここ)にいるんだ! 一緒にこの空間を作っていた兄が……はっ!? お前いつ前世界(あっち)への戻り方を知った!?」


「つい最近だな」


 空間って作れるんだなー、俺が知らないうちに技術は進歩してたって訳だ。


「五人目は最初から戻り方を知ってるんじゃないのかっ……」


「知ってると思って帰れ帰れ言ってきてたんだな……」


「僕も本来はあっちの世界への帰り方を知っていた。でも僕が知っている方法は今や無効になってる」


「お前が現世界(ここ)に来てからその兄貴がプログラムを書き換えたんじゃねぇか?」


「多分そういうことだ……」


 こいつはどうやら兄貴に騙されたらしいな。ひでぇ兄貴だ。


「あのー、おいてけぼり感がすごいんだけど……」


「そうだよな……まぁいつかは言うことになるし、もういいよな! 簡単に言うと俺もカフィア(こいつ)現世界(ここ)の住人じゃない。別の世界から来たんだ。あと俺の姉貴とナバロってやつもいるんだけどな」


「へっ、へぇ~」


 事態が飲み込めてないらしいが仕方あるまい。俺からしてみても急展開だ。


「そんでまぁ……言いにくいことだが今列挙した以外のやつらは多分全員カフィア(こいつ)とその兄貴が作ったらしい」


「え~!? じゃあ私たちは……」


 何というのが正しいのか、もう傷つけないというのは不可能か。


「言うなればCPU、架空のキャラクターなんだ!」


「……」


 黙り混んでしまうのも無理はないし、そもそも自分が架空だと言われて受け入れられるわけもない。


「海老沢末広、正確にはそうじゃないよ」


「あん?」


「君は疑問に思わなかったかい? そんなCPUがどうして君の言葉に合わせるように会話できているのか、君の作戦に合わせてくれるのか」


「確かに、んで?」


「僕達兄妹が作ったのは限りなくリアルな空間であり、自分で考え自分で行動するあと一歩で人間になりうるCPU、そしてクライマックスには希望も用意している!」


「「希望って……」」


 ミサとハモりつつ最も気になる希望について問う。話の文脈からすると人間手前のCPUに関することと取れるが……


「制作者としてネタバレはご法度だからそこだけは自分で考えてよ、今後何もしないし、しないからなるべくエンディングを迎えてもらえると助かるよ」


 そうして俺たちは洞窟から追い出された。その際砂嵐避け用に護衛ロボを付けてくれたあたり何かもうあいつを信用してもいい気がする。さて、帰って帰郷準備を進めるか。

どうも!ロカクです!

新年度始まって一ヶ月、新生活にもなれてきた頃ではないでしょうか?

私はいつもにこにこ平常運転ですw

さぁ、はっきり申しますとこの物語もうそんなに長くありませんw今回分読んでもらったらわかる通り殆ど知りたいことは分かりましたからね!

もう先は短いですがもう少しお付き合いくださいませ!

では、また次回!

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