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エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
ロメスコ遠征編
55/69

珍しいらしいドラゴン

「全員ちゃくせーき!」


 中級試験から一週間、ライチとロアンも完治していつもの風景が戻ってきていた。結果として中級試験で名目上差がついてしまったが、こればかりはしょうがない。それはそうと今日はある一点においていつもと違っている。


「えー気づいているとは思うがこの段ボール、全員おまちかねのあれだ。唯一まだ動いてなかった部活が稼働することになるわけだが……ギョクロ、開けていいぞ」


「ひゃっほー!」


 今活動している部活といえば白魔術研究部に家庭科部、それから剣技部だ。ここにある段ボールは残る飼育部のため王に注文していたもので、中級試験翌日に学校に来た際不在届けが入っていたのを忘れており今日に至る。


「どれどれ……こ、これが……!?」


「おっ! 立派な(ぶつ)よこしてくれたな!」


 段ボールの面積をほぼほぼ独占して入っていたのがタマゴが入った孵化装置だった。他にも説明書やら数日分のフード等が見受けられるが、気になるものが一つ。


「なんだこれ?」


 封筒に入った手紙らしきものが一つ、追加の説明書かと思ったが裏を見てみると俺宛になっている。


「なになに……ふんふん……げっ!」


「先生どうしたんですか?」


 いつの間にかタマゴの方に群がる子供たちのなか、ロアンが俺の異常に気づいた。異常の正体はもちろん手紙であり、その内容はというと


 こんにちはエビス君、王です。いかがお過ごしかな?

 さて、タマゴについては孵化する一週間ほど前にして送っているよ。産まれてからについては説明書を見てくれたまへ。

 それからドラゴンが産まれたらドラゴンの写真を持ってきてもらいたい。見栄を張って側近に「何かいい感じのやつ送ってやってよ」って言ったら本当に結構希少な物を手に入れてくれたらしくて、私もこの目で見てみたいんだ。基本城にはいないけど、よろしく頼むよ。

 代筆 側近:ヨシカゲ


 ということだった。この手紙が本当ならタマゴはいつ孵化してもおかしくない。それより、なにげに呼び出されたことが問題だ。基本王は城にいないということで鉢合わせする可能性は低そうだが、少々後ろめたいことがあるため不安でしかない。


「いや、何でもない」


「そうですか」


 そう言うとロアンは卵の方に視線を戻す。しかしまぁまずは卵が孵化するのを待つしかないか。


          ◆◆◆


「へーい、じゃ今日はここまでー、卵誰か持って帰るか?」


「「「「…………」」」」


 小声で相談しているようだがどうやら全員何かしら理由があってか持って帰れないらしい。


「……しょうがねーな、産まれてからある程度成長するまでは俺が面倒見るか」


「サンキューエビセン!」


「ただし、学校の時間内はお前たちに任せるぞ?」


「「「「はい!」」」」


 どうやら全員納得の形を作れたようだ。


「もうやることねーから今日のところはかい……」


「ちょいまち! みんな! これ!」


 解散と言おうとしたところでギョクロが注目を集める。卵を指さしているが……卵はただ鎮座している。


「クロちゃん、それはドラゴンの卵よ? いくらバ……んんっ、クロちゃんでも今日の一連の話全部なかったことには……」


「いや、それはわかってるし! よく見て!」


 チユキはギョクロのことをバカにしているらしい。しっかしこの卵がなんだって……ん?


「これ動いてないか?」


「そう! それ!」


「しかもここ、穴開いてんぞ」


 この穴は送られてきたときから開いていたのか、それとも卵が動いたことによる弊害か……覗いてみるか? いや、なんか怖いな。持ち上げてみたもののなんか動いてる気もするし……


「ライチ、パス!」


「うぇっ、無理っすよ! チユキ!」


「渡されても困りますわ! クロちゃん!」


「あーしも嫌だし! ロアンっち!」


「えっ!? あの……えっと……」


 パスを回した者たちはロアンから手渡しで卵が渡ってこない距離を取っている。ニヤニヤする俺達とは対照的にロアンはどうすることもできずおろおろする他ない。弱いものいじめみたいで気が引けるし、受け取っておくか……


 ピシッ


「先生何とかしてくださいよ~」


「待て、まずゆっくり地面に置いて……」


 ロアンが半泣きで訴えてくるもんで受け取ろうとした矢先、卵が大きくひび割れ始める。これはまさか……


 ピシピシッ


「来るぞ!」


 パーンッ!


「クェー」


「うぉーーー!!」


 なんとも間の抜けた第一声だが確かにこれは理想通りのドラゴンの幼体だ! きれいな蒼色をしたそのドラゴンはじっとロアンを見ている。


「クェー!」


「な、なんですか!?」


「ありゃプリンティングだな」


「プリン!?」


「プリンティングな、産まれてから最初に見た生き物を母親と認識するってことだ。鳥の(ひな)で例えられることが多いけどな」


 大学行ってたときに単位数稼ごうと思って興味ないのに取ってた心理学の知識がこんなところで役に立つとは……二度と使わないだろうけどな。


「はいはーい、ちょっと写真とらせてねー……じゃ、あと頼むぜロアン母ちゃん」


「母ちゃんじゃないです! 勝手に任されても……ちょっ、こっち来ないでー!」


「あーしが最初が良かったし!」


 飼育部部長ということもあって育成の主導権を握りたかったであろうギョクロだが、自分もパス回しちゃったもんだからしょうがない。さて、俺はとりあえずさっき撮った写真を王のもとへお届けするか。

どうも!ロカクです!

また二週ほど飛びまして……隔週って言ってましたっけ?w

これからさらに遅くなる可能性がありますのでご了承くださいm(__)m

ちょっと立て込んでまして、時間が作れないかもしれないのです。

早く上げるよう努力しますのでよろしくお願いしますm(__)m

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