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突き放されても信じてる

「待たせたな!」


「いや、十分早いぞ。まぁ座るといい」


 襲撃されたはずが無傷らしい城に到着した俺とセルゲイはさっきの連絡の際に聞かされていた会議室の扉を開けた。


「運転手が良かったんだ」


「……というのはそちらの御仁のことでいいか?」


「あぁ、こいつはセルゲイ! 何で連れてきたかはこれから順を追って説明する! というわけで先に話していいか?」


「よかろう」


「サンキュー! まずはあのバケモノどもについて、文献では五ヶ所のワープホールから出現することになってたらしいが今回の一件には六ヶ所目のワープホールが存在したんだ」


「ふむ、そうだったのか」


「だが俺が思うに六ヶ所目のワープホールは本来無かったもので、出所が違う。ワープホール検定持ちのオオグロなら気づいたんじゃないか?」


「確かに俺はワープホールのエキスパートだが国内なら感知できる程度で出現場所までは分からんし、たまに研究者が作って遊ぶもんで基本アンテナはオフっとるんだ」


 俺の皮肉を自慢に変えやがった。


「本題はここからだ。その誰もマークしてなかった六ヶ所目ははなれにある俺の学校前に出現した。そこから現れたのは俺が知ってる人物で、そいつは俺の生徒を連れ去りやがった……」


「個人のために動くわけにはいかんね、俺は降りようかねぇ」


「人質にされたのが国王の娘だとしてもか?」


「……それを早く言いたまへ」


 立ち上がりかけたフクロウをもう一度座らせることに成功した。チームである以上こんなんでも欠けると完成度は下がる。


「そして敵は王の首を持ってこの地図の場所まで来いと言ってきた」


「王の首? それだと本末転倒だね! それにしてもここって……?」


「忘れられた湖、ヴルーネ湖だ」


 疑問を呈してきたミサはヴルーネ湖を知らないらしい。地図上では海かそれこそ湖のような青い表記ではなく平野と同じ土色の表記であり、湖とは名ばかりで今や水は無い。


「この場所にどんな意味があるかは分からんが何か仕掛けがあるかもしれん、万全で臨むに越したことはないだろう。俺からは以上だ」


「内容は理解した。が、それは私たちがやることか?」


「えっ?」


「エビスよ、君は自分や我々の力を過信しているぞ。私たちの上にはもっと強く、実績のあるチームもある。王からの(めい)もなければボランティアでやる必要もない。危険を冒してまでその子を助ける義理があると思うか?」


「お、俺の生徒なんだ! 助ける義理はなくても……」


「君が依頼するのか? 高くつくぞ?」


「くっ……王が依頼すれば良いんだな?」


「そうだな。無理だとは思うが」


「どういうことだ!?」


「生徒の事を知らないのか? 王は三女であるスゥ様を溺愛していて、植物状態となった今でもスゥ様を次期王にしようとしている。だが、いつ目を覚ますかわからない者に任せるのはどうかということで国民は第二候補のロアン様を推しているわけだ。その声を無下にできず今に至るわけだが、ロアン様がいなくなれば国民を黙らせることができ、王としては万々歳だろう」


 長女はこの前救ったあの娘のことか。


「そんなの……実の娘だろ!?」


「いや、ロアン様は実の娘じゃないな」


「何っ!?」


 もはや俺とホテイ意外は各々寝ているが……そこに突っ込んでいる場合じゃない。


「正式には現王の子ではないといったところか……」


 俺がこの世界に来てから王妃が変わったという話は聞いていない。もしそうなっていれば国中で話題になり国の情勢に興味の無い俺の耳にも届くはずだ。


「ちょっと待てよ、現王妃はどうなってるんだ? ロアンが現王の子じゃないとして実の母親なら口出すくらいできるだろ?」


「ふむ、王妃は王の過度なDVに病まれてしまってもう長らく(おおやけ)に姿をお見せになっていない。今はどうしておられるやら……」


 一体いつから出てきていないのか、下手すれば生きているかも微妙なところだな。


「必要な情報はあらかた貰った、やることも分かった。最後に改めて聞くが協力はしてもらえないんだな?」


「そうだ……すまない」


 はっきり言われればただの冷たいやつだと諦めたところだが、何か事情があるらしい。それがホテイだけのことなのか他全員に当てはまることなのかは分からないが、謝られればここは引くしかない。


「行くぞセルゲイ」


「はい」


「待て!」


「ん?」


「こっちからの話だが、化物どもは城周りの石像だけを壊して去っていった。それからもう一つ、あいつは一筋縄にはいかんぞ」


「あ、あぁ」


 あいつじゃ特定できないだろ。一筋縄にいってもらいたいもんだがそうはいかないやつがたくさんいる。俺の敵がなんたるか知ってるような口ぶりだったな。


          ◆◆◆


「セルゲイ、もう一回病院に向かってくれ」


「分かりました」


 数少ない協力者たちが起きていることを願い、敵地に殴り込む準備を進めよう。残り時間は半日強、何ができるか考え抜くしかないか……

どうも!ロカクです!

土曜二本投稿サード二本目!ということで、SGF?(ホテイの独断)は協力してくれないようですね~

となれば本当に信じられるのは……

来週できれば投稿しますが、あんまり期待しないで待っててください!

それではまた次回!

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