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防壁の一枚

 ~二月目序盤~


「今日の授業はここまで! 家庭訪問二番手は……」


「うちっすね」


 ライチか、普通の家庭を所望する!


「案内してもらおうか」


「うぃっす」


 全員帰り支度を整え校舎を出ようとすると……


 コンコン


 チャイムがないため扉をノックする音が聞こえた。今まで生徒以外誰も来たことないんだが……


「はい」


「ここであったが百年目! その首頂戴いたす!」


「どわっ! って、ホテイじゃねーか」


「先生その方とお知り合いですか?」


「同級生だが?」


「「「……えぇ~!?」」」


「うるせぇな! 何なんだよ!」


 チユキを除く生徒達の声が校舎に響く中、その当事者はやりたかったことができて満足げだ。


「その方は今や国のトップを担う人ですよ!?」


「官僚だからな」


「こんなところにいていいんっすか?」


「問題ない」


「あーしは正直何の事だか……」


「分かってねーのに驚いたのかよ」


「因みに私のお兄様も同級生ですわ」


「めんどくせーから自慢入れるのやめてもらえるか?」


 と様々にリアクションをとったところでホテイが口火を切る。


「今日はこの辺で用事があって、ついでだから今度ある大事について話に来たんだ」


「子供達は帰らせた方がいいだろ?」


「いや、聞いてもらった方がいいかもしれん。関係ない話でもないんでな」


「そうか」


 一応ここの校長にもなる俺が万が一誰かの応対をすることになったときのために簡易的に用意しておいた客間で話を聞くことになった。


「早速だが一週間後の新月、その日にこのベシャメル王国を何かが攻め混んでくる」


「何かって?」


「それが分かっていれば対策も取れるが、何なのかが分からないんだ」


「何で何かが来るっていうのは分かってるんだよ」


「それは過去の文献でお偉い方が調査した結果だそうだ」


「ふーん」


 本当は一人分でよかったのだが、一応聞いたら便乗してきた生徒たちの分も含めて全員分用意した茶を置いたテーブルを囲んで話は続く。


「それで国からSGFに根本を叩くよう命じられた訳だが、何分相手が未知ゆえ全てを国外で処理できるとも限らない。そこでこの学校で防壁の一枚を担ってもらいたいわけだ」


「アルペジオに頼んだ方がいいんじゃねーの? 人数多いし」


「あそこは確かに個人の能力は高いがそれゆえに連携が全くだ。今回に関しては未知の敵、絶対に連携なしでは足元を救われることになる」


「そういうもんなのか?」


「うむ。そこで問いたいのだが、誰かここの指揮をお前の代わりにやれる者はいるか? お前にはSGFとして戦ってもらわねばならん」


 前回よりは活躍できるか!? いやいや、そもそも俺は戦うことが苦手だからなぁ……それはそうと代わりはいる!


「その点は多分大丈夫だ」


「それはありがたい。では念のため携帯のアドレスだけ教えといてもらえるか? 召集の際に便利だからな」


「お前携帯持ってたっけ?」


「この前買ったのだ。ただもっぱら従者に持たせているし、機能についてはさっぱりだがな」


「何かそんな気がしたわ」


 天才のわりにできないこと多いよな。これに関しては天才だからこそか?


「ではまた今度戦場でな!」


「また明日学校で! みたいなノリで言うなよ!」


 変な台詞を残したホテイを見送って改めてさっきまで座っていた椅子に着く。茶を飲みながらどんなことが起こるかと頭の中で想定していると生徒達の目に気づいた。


「ホテイさんキレイな方でしたね~」


「クールビューティーって感じ?」


「先生の同級生とは思えない風格があったよね」


 失礼な発言も聞こえるがまぁ有名人が来ればざわつくのは頷ける。俺も近所でテレビの撮影するとかだったら野次馬してたし。


「実は先生優秀なんじゃないですか?」


「優秀だったのは上の学科のやつらだけで、俺は特にすごい訳じゃないぞ。それより遅くなったが家庭訪問行くぞ! 解散!」


 だいぶ時間を取られてしまった。ライチ家が何の変哲もない家庭なら問題ないが……今日は帰るのが遅くなりそうだな。

どうも!ロカクです!

一日二本投稿一回目二本目!ということで……二本目です!

20時に投稿しようと思ってたんですけど気づいたら22時過ぎてましたww

時の流れと言うのは非情ですね……

そんなわけで次週も二本投稿したい!ってなわけでよろしくお願いします!

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