表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/4

第肆章 浄水方法における各属性魔法の有用性

 最後に,浄水方法を構築する際の各属性魔法の有用性を検討します.

属性は火,水,風,土,雷の5属性プラス光と闇で考えます.


 火属性

 珪素ガラスの加工時や排泥といった廃棄物の焼却処分で有用.ただし,いずれも高い火力が必要なため,高位の魔法が必要と思われる.


 水属性

 設備洗浄や水量調整に使える.水が漏えいした時などに水が操れれば漏えい個所の修復も容易になる.住民全員に行き渡るほどの大量の水が用意できるのならば,浄水設備を作る必要もなくなる.ただし,水道インフラを個人に依存するのはリスクが高いため,緊急時以外は浄水設備による継続的な水道供給を基本とした方がよい.


 風属性

 エアレーションやオゾン処理において,空気の送風,オゾンの移動といった点で役に立つ.オゾンを扱う場合は安全面に十分考慮し,魔法使用者自身が健康被害を受けないよう注意すべき.


 土属性

 設備を作る際の土木工事,オゾン設備の珪素ガラスの材料の珪素の用意など,特に土木工事においては非常に有用な属性.

 かなりの範囲で魔法を使用するため,高位の魔法使用者が適切ではあるが,小規模の魔法を複数人が行うことでも実施は可能.


 雷属性

 消毒用の次亜塩素酸ナトリウムの生成,オゾンの生成の際に必要な属性.ただし,両者とも異世界において使用可能な状況は限定的であるため,他の属性と比べ雷属性の必要性は少ない.

 電気設備が実現可能な技術レベルになった際には,また違った役割が出てくるが,本書では検討しない.


 光属性

 大量の水の浄化が可能であれば,水道インフラを作る必要がないが,そのような大規模の回復魔法使用者はまずいないと考えられる.水質汚染の際の患者の個別的な治療に必要となる属性ではあるが,医療インフラの話であり.本書では検討しない.


闇属性

 ゾンビ化+感染により,住民全員をゾンビ化できるのならば,死ぬことはないため浄水インフラの必要性はなくなる.


 というわけで,闇がチート臭いです.その闇を抜けば,インフラ構築では,土木工事において有用な土属性がオススメでしょうか.

 個人だけなら,水属性がベストなんですけど,ある程度の規模の飲み水確保になると有用な魔法の属性が変わるという結果になりました.

 地味とか言われる土属性ですが,水道インフラ構築においてはとても役立ちそうですから,異世界でインフラ構築する方は土属性を使えるようにすると良いかと思います.


内容に誤り等がありましたら、お気軽にご指摘ください。


<参考資料・施設>

WHO飲料水水質ガイドライン 第4版(日本語版)

 http://www.who.int/water_sanitation_health/publications/2011/dwq_

guidelines/en/

横浜水道記念館

 http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/kyoku/torikumi/suidou-pr/kinenkan/

水道施設設計指針 2012 厚生労働省 浄水施設抜粋版

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000103930.pdf

水道維持管理指針 2006 7.浄水施設 13.水質管理 (抜 粋 版) 厚生労働省

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120224.pdf

横浜水道百年の歩み


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] しっかりした調査、分析に基づく興味深く、読み応えあるガイドラインでした。 とても参考になります。ありがとうございます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ