case1 一応勇者誕生
「さて…と、此処から二人…フォルダ起動」
──〜〜屋のコーヒーゼリーがリニューアルだってよ! いや〜〜屋は不動のプリン1択だから これだから素人は…時代は杏仁豆腐なのだよ あ?やんのか?覚悟はでき……──
この子は…男、10代、学業が中の上、運動神経は平気程度と…ふむふむ
此方は、おぉ上の中か、運動も全国ベスト8…って、裏の人間と関わりが…除外と
──ねぇ、クレープ食べに行かない?〜〜屋の 良いね行こ行こ!王道のチョコバナナは外せないよね ふっ通な私は抹茶ツナマヨ! えっそれは無いと……──
女、20代、有名商社の受付嬢…だけど天然…
次は女50だ…削除、何も見無かったよウン
此方は…ほうほう、ふむふむ
──〜〜屋のベイクドチーズケーキ食べた!? いやスフレの方が美味しいよ それよりガトーショコラが「「あぁん?」」すいません…──
こっちも良いな…いやこれも…うわぁこれは酷い、削除…おっこの子は中々…
「「「いらっしゃいませ!」〜」♪」
「むっ、私の…番」
此処が…夢にまで見た地球で最も有名なスイーツ専門店「〜〜屋」か!
「ご注文の方をどうぞ♪」
「注文……全部」
「えっ?あの…ケーキ、クレープ、パフェ等があり「ぜんぶ」…えっと、100品を優に超える「ぜ ん ぶ」は、はぁ、分かりました…」
この店は世界的に有名なはずじゃ無かったかなぁ?
接客がなってない…、最初から全部と言ってるのに…
「お会計を…少々お待ちください」
「これで、足りる…お釣りは要らない」
この国の通貨はエンと言うみたい、紙幣を紙の帯で束ねた物を使うとは…面白いシステムだね
「こっ、これは帯封!?はいっ!只今! てんちょ〜!!」
妙に張り切ってるなぁ、期待しても良さそうだね
これなら"迷い子"選びも捗りそうだよ♪
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家で家事をしていると、突然国王の使いを名乗る兵士さんがやって来た。
僕には兄弟姉妹が四人いて、上から姉・兄・兄・僕・妹が居る。徴兵とかなら男手である兄達が呼ばれるだろうし、税とかなら親か長男長女が…もしかして、口減らしとかだったら…!?
──…はい、申し訳……御神託により………こちらをお納め下さい……はい、後程向かわせますので……──
兵士さんがお金を…やっぱり…でも兵士さんには逆らえなくて、結局お城まで連れて来られてしまいました。
でも何故か王室へ通され、そこにはもちろん…
「こっ、国王様!?」
「国王様、彼の者をお連れしました」
「ご苦労、話は儂がつけよう」
一度だけ、演説の時に遠くから見た国王様が…直々にお話を!?
兵士ですら一部の人間しか会うことが出来ないと聞いたことがある。
「こ、国王様!えっと、本日はどの様な…あっ、お招き頂きありがとうございます?」
「はっはっは、よいよい。いきなり呼びつけて混乱しておるだろうが、少々酷な話になるかもしれない故落ち着いてから話そう」
「ふぅーーーっ。はい、そ、それでお話とは…」
「うむ、この事は民主には公開していないのだが、どうも西方の動きが怪しくてな、魔王が誕生したとの噂もある。そこで御神託に頼ったところ、お主が選ばれてな」
えぇー、あぁうんハイそーゆー流れですか、要するに勇者になれと、でも御神託で指名されるほどだから不可能ではないと。
つまり…僕の時代キター!
具体的な内容は、西方の国の情勢調査に魔王に類するものが居たのなら討伐せよとのこと。
「と言う訳で、主には旅の補助をしてくれる供を一人付けよう。資金と装備も用意する故、他の供は必要応じて主が工面するように」
「はいっ、ありがとうございます!早速ですが、準備が整い次第出発させて頂きます」
「その前に、両親兄弟に挨拶を忘れるでないぞ」
魔王討伐記の始まりかな!