俗に言うナントカ
フランス語の辞書を引いて、伯叔母、おばさんの単語“tante”を確認していた時に、欄の終わりに俗語に男色家とあって、フランス語の語感だと男性同性愛者は男のオバサンなの? フランス語の男性同性愛者は“pédé”っていうのは知ってたけど、俗語はそうなのねえと、妙な感心をしたのでした。
いやあ、そう思うのも、英単語の“queen”の俗語としての意味が男性同性愛者だから、各国語で色々違いがあるのねえ、と。これも英語の辞書を引くと、女王、王妃、女性の優勝者、美人や美しい物、恋人や配偶者の呼び掛けとかの後に俗語としてと載ってます。
これはロックバンドのクイーンに関しての記事や本で知ったことだけど、アレです。男性ばかりロックバンドで何故「女王」と名乗るのかで、揶揄もあった訳です。
で、前の章で言及した本、『なぜペニスはそんな形なのか ヒトにつていの不謹慎で真面目な科学』(ジェシー・ベリング著 鈴木光太郎訳 化学同人)の「19「ファグ・ハグ」――男が好きな男を好きな女」の中で、男性同性愛者と親しくしようとする女性「ファグ・ハグ」の同義語が複数あるのを紹介しています。引用します。
「ファグ・ハグ以外にも、このような女性たちを巧みにとらえた表現が(それほど侮辱的でないものも含め)いくつもある。たとえば、フルーツ・フライ、クィーン・ビー、クイア・ディア、フェアリー・ゴッドマザー、ファグ・シャガー、クィーン・マグネット、ハグ・アロング、スウィシュ・ディシュ、ファゴティーナ、ホモ・ハニー、フェアリー・コレクター、フェアリー・プリンセス、ファグネット。」
えーごの辞書を引くと、“queen”と同じように“fairy”は俗語として男性同性愛者って載ってます。
男性同性愛者は女性っぽいとか、そういった感じで見られていたと使われる言葉から窺えます。日本語の「おかま」、これは語源がどうとかありますが、異性装の男性以外でも男性同性愛者を指して使われる場合もあるので、どこの文化圏でも男性同性愛者は女性的であると偏見に基づいているのでしょう。
決してそんなことはなかったと、歴史上の人物で知っているし、カミングアウトしている有名な方たちからもそれは解ります。
なんでそんな風に言われなければいけなかったのかな? そんな気分にもなります。
俗語の言い回し、新語流行語みたいにいつでも生まれるし、良くない言葉もあるでしょう。
言葉は祝福にもなるし、呪いにもなる。
ことほぎのみに使えるならどんなにいいでしょう。
言葉の意味を知る話で綴っていましたが、自分の中にも偏った部分があるかも知れないと考えさせられます。意外な所で知った事柄もありますが、きちんと理解していきたい。




