38話 攻めて来る理由
「現在、我が国は私が率いている
近衛大隊3個隊合計約3千
第一師団と第五師団合計約2万
ケッセリング戦闘団2個大隊基幹約2300
炎と氷の傭兵団約1千
の約2万6千少々がこの町からと、ヴァレシルさん率いる第二師団と第四師団の合計約2万が『夜と月の王国』の北東部からラムケ公爵領接収後に攻め込もうとしている訳です。
先程の通信だと、ヴァレシル軍の一部は国境に到達したそうですから第一王子とラムケ公爵にも報告が行っているでしょう。
そうなると向こうとしては、こちらの要求を呑まなくても、我が軍と睨み合いをしていればヴァレシル軍が割譲要求をした地を占領してしまう訳です。
となると第一王子はまず我が軍を撃破して、それからヴァレシル軍と戦うという各個撃破の選択肢しかないので必ず攻めて来ると思います」
と説明すると、その部下や他の者達も感心した顔で頷いた。
「陛下、ご説明いただきありがとうございました」
ケッセリングが代表して礼を述べ、勝算の具体的な説明を聞いた為か、心なし前より明るくなった場を見ながら、
(実際にあの魔法を使ったらどんな反応をするかな)
予定通りの威力なら、人間族だと間違いなく畏怖されると思うけど…魔大陸の者達ならそうではないと思いたい。
そうでないとこちらに来た理由の何割かが失われてしまうから…
などと考え込んでいると、両脇から肘で突かれた。
《私が言えた事でないかも知れないけど、きっと大丈夫よ》
《兄上、なる様になりますから》
横顔から考えを読んだらしい2人から、【テレパシー】でそう言われ、
《そうだね、先ずは勝ってから考えよう》
と返して、再び会食の会話に耳を傾けた。




