27話 ◆◆◆グレンディルside◆◆◆
陛下方の素晴らしい魔法の数々によって行軍による疲労が最小限に抑えられ、このまま戦闘に突入しても全く問題ない程の士気を保ったままバイユークに到着した。
陛下方はまだ子供であられるので、兵達の性についてまだあまりご理解がないかと思っていたがそんな事もなく、兵達に街…というか主に歓楽街に繰り出す許可を与えられたのでどこまでご理解頂いているか興味があったが、丁度この市の代官の質問が答えとなった。
陛下は、
「機会があれば欲求を発散させておかないと、軍規の乱れにも繋がりますし、略奪や暴行なども起きやすくなりますから」
とお答えになられ、更に商業ギルド長に『夜と月の王国』北部を占領した場合に、水商売の者達を後方の街に派遣出来ないか相談なさっておられた…ヴァレシル様よりよく分かっておられる気がする…
後ほどそういう知識をどうお知りになられたかお聞きしたところ、王太后様に一通り習われたとの事だった。
色々な武術、魔法、製作、教養などとどれも超一流な方なのがよく分かる……誠に惜しい方を亡くしたものだ。
まだまだその死を陛下方は引きずっておられるが、少しでも助けとなる様にこれからも仕えていきたい。
◆ ◆
明日は陛下方は先行してカルサア渓谷に道を造りに行かれると言っておられたが、代官の話によると最近、賊が出るらしい。
一瞬、南の者共の諜報活動かと思ったが、頭目は竜人で単独や少数の者達を狙って襲うそうだ。
私が明日行って灰にして参りますと言ったところ、逃げ足が速いらしく取り逃がす…又はそもそも私を恐れて出てこない可能性があると代官に言われて断念した。陛下方が出てきたらついでに片付けると仰られた。
まだ子供であられますし、見目も麗しいのでちょうど良い獲物と勘違いして出て来そうですな!
という訳で遠目に護衛を付けようとしたところ、
「護衛が居るのがバレたら逃げられますし、賊程度に殺られる様ならむしろ早めに殺られておいた方が良いでしょう」
と仰られたので、お力を疑う様な真似をした事を謝罪して明日は私もバイユークに留まる事にした。
(勿論、少し離れた所で捕縛要員は待機させる)
作業は半日もあれば終わるとの事だったので、あまり時間は無いが水入らずで景色を楽しまれて欲しいものだ。




