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新しい居場所
あの出来事からしばらくして獣人と人間の対立は解消された。
ぼくはぼーっとお世話になっている宿でごろごろしていた。
お金も困っていない。
少女は用事があるとか何とかで結構前に出かけた。
何か新しいことをしてみたい・・・
そう思ったときに偶然前にあった商人と出会った。
商人から提案されたのは、「うちの知り合いが空き家を管理しているから住んでみないか?」
ということだった。
ぼくはまたお言葉に甘えて空き家に住まわせてもらうことになった。
その空き家は、魔物の出る森にひっそりとたたずむきれいで管理された一軒家だった。
「すごい・・・こんなにきれいなんて…」
少女が言った。
少女にこのことを伝えたときは、とても喜んでいた。
これからこの地で生活するのか…
とぼくは思った。