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異世界ってやっぱり異国よりも言葉が通じないよね!?  作者: 月媛(*'―'*)♪
優しい大きな人達に、子供扱いされる私は中年女
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31.ルーシェさんのご帰宅?


 最初は、ルーティーシアさんのお古のうち、シンプルなワンピースが主なレンタル衣装だったのだけど、最近気づいた。


 私のために、新調してるのだ。


 長い1枚布を飾りボタンで留めて、ベルトやサッシュでウエスト辺りを抑えるだけの簡単なヤツを、何着も。

 そりゃ、ルーティーシアさんのお古が着られればいいけれど、ドレッシー過ぎる。恥ずかしくて着られない。と、ゴネる事がどんだけ迷惑だったのか。

 お貴族様の衣装なら、総レースだったりウエディングドレスみたいだっても当たり前、恥ずかしくても我慢して着ないといけなかった。


 穀潰しの居候なんだから、恥ずかしいとか言ってないで、お風呂も寝間着もなんでも、与えられる物で我慢しなくちゃいけなかった。



 反省した私は、お夕食前のお着替えからは、ドレスでもレースやフリルがたっぷりでも、なるべくシンプルなのを選んで、出された服から選んで着替える事にした。


 反省して気落ちしてる私を不憫に思ったのか、お習い事は、より苦手なパッチワークキルト教室ではなくて、無心でサクサクいける刺繍になり、お昼ご飯には、デザートのタルトがゼリー寄せベリー盛り合わせの3種類と豪華なものだった。

 おやつで機嫌をとる辺り、まだまだ子供と思われてる模様。


 お習い事の間も、午後の絵本でまったりの時間も、ルイヴィークがピッタリ寄り添い付きだった。


 反省は引き続きしてるが、気落ちは浮上した。


 毛脚の長いふわふわ絨毯に直接腰を下ろし、ルイヴィークに凭れかかって絵本を写本していると、にこにこ顔のお母様が、サンルームに入ってきた。


「ヴァニラ。ウルフィグァン、ヴィッヒ、バル、クィルフシリアヴァルディツァイトイッヒンデル」

 わ、解らん。正しく聴き取れてるかも解らん。

 が、私に呼びかけた事、途中にルーシェさんのミドルネーム《クィルフ》が入っていた事は解った。


もう、4日会ってないのだ、そろそろお帰りになる頃かもしれない。


 雷獣討伐の後始末、とやらは無事に済んだのだろうか。

 クロちゃんのお仲間を、なるべく殺すことなく、元いた砂漠地帯に帰すと言ってたけど、上手くいったのだろうか。


「ルーシェさんがお帰りになるのですか?」

 勿論、通じない。が、ルーシェさんの名前は多少いい加減な発音でも解るはず。

 お母様は、満面の笑みで頷き、私の頭を撫でる。

 セリフなしの漫画で、私は子供じゃありませんって伝えられないかなぁ。やっぱりその方がいいような気もする……

 保護しなければならない年齢でもないとバレたら追い出されるかもしれないけどね。


 今写本している絵本は、イソップとかアンデルセンとかにある昔話みたいな感じの絵である。

 文字は解らないので、実話かフィクションかは解らない。

 でも、ま、文字を覚えるための訓練だからなんでもいいや。


 サンルームに陽が差さなくなり、夕陽になってくると、じんわりかいた汗を流して夕飯前のお着替えの時間である。一度、絵本と紙と画筆用の色棒を置き、お2階の自分に与えられたお部屋に戻る。


 メイドさんがちゃんとお湯を張って、踏み台も完備されていた。

 キトンみたいな楽ちんドレスを脱ぎ、湯に浸かる。


 日本みたいに外で洗わず、湯の中で天然ハーブの入浴剤に皮脂や汚れが溶け出し、髪と頭皮だけメイドさんに洗浄(ウォッシュ)で洗って貰う。


 湯船からあがると、体はタオルドライ後バスローブをかけられ、髪はタオルに包まったまま、鏡の扉から寝室に入る。

 ドレッサーの前で、化粧水だの美容液だの刷り込まれ、最近は、同じ姿勢でお勉強したりお習い事したりするので、凝った肩や腰を、メイドさんの神の手でほぐされる。うは、ただで整骨院行ってるみたいだよ。


 本当に、お姫様待遇だよね。


 さて、反省した私は、並べられたイブニングドレスの中から、唯一肩や胸元、背中がそんなに出てない、若草色の脹ら脛までの長さのスカートがふんわりしたオーガンジードレスを選び、レースぴらぴらのショーツと共に身につける。

 メイドさん達が張り切って髪をハーフアップにしたり飾りをつけていく。


「え? なに? 今日は舞踏会でもあるの? 私は、参加しないよね?

 ねぇ? なんでこんなに飾りつけるの?」

 みんな、にこやかに作業していくが、誰も手を止めないし、説明もしてくれない。勿論、説明されても解らないけど。



 夕飯までまだ、時間があるのか、食堂には入らなかったので、ルイヴィークが足元に寝そべったまま、私はお行儀よくソファに座って、写本の続き。


 そのまま30分ほどすると、廊下が少しだけ賑やかな気がして、振り返ると、扉を家令のオジサンが開け、キラキラしい笑顔で、ルーシェさんが入ってきた。

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