入学式
今回短いです。
久しぶりですね。
どうぞ?
「君、凄い遠いところから来たんだね」
アインは自分の荷物をおっぴろげ整理している途中で、ミーナの話は適当に相づちを打ち、アイン自身は荷物と向き合っている。
剣を壁に立てかけるとミーナは剣に興味が出たらしく、剣が立てかけてあるところまで、てとてとと歩き剣を眺めている。
「ねぇねぇ、これって黒狼石で出来てる?」
ふいにミーナがアインに質問をした。
アインはミーナの方に向かず、ああ、だけど何で分かったんだよと質問を投げ返した。
アインは話しているが手を動かすのをやめていない。
「だって、私の武器も穂先の刃だけ黒狼石で出来ているからだよ」
アインはまだ振り向かずそうなんだと言う。
しかし、ミーナが言った言葉を脳内でリピートすると、アインはミーナに振り向いて驚いた。
「えっ、本当に?」
ええ、とミーナが言う。
そして、ミーナは自分の武器であると思われる布にくるまれたものを持ってきて、アインの前で布を取り、武器を見せた。
それは槍だった。
刃が黒い。光に当たり、黒く光る。
「凄いもの持ってるな」
「それはアインもじゃん」
二人はその日談笑した。
翌日、二人は同じ部屋になって二日目だというのにかなり仲が良くなっていた。
朝食を取りに、棟の食堂へと二人は足を向ける。
「広いな食堂」
「そりゃ、ね」
二人はおぼんをそれぞれ取り、自分の好きなものを取ってゆく。
アインは適量くらいなのに対し、ミーナは大食いらしいのかは知らないが皿には山盛りのご飯が乗っていた。
「凄いな」
「いや、これでも少ない方だよ」
はは、と乾いた笑いをするアイン。
ミーナは食べることに集中して無言になる。
(ん?このサラダ美味しいな。おっ、このジャムも中々の甘さ)
そんなことを思いながら、食べる手を緩めることなく、快調に朝ごはんを済ませた。
午前九時、大講堂Aに新入生は集まり入学式が行われることになっており、アインとミーナは支度をして大講堂Aへと向かった。
「ええー、君たち新入生が入学したことをとても嬉しく思います。周りの友達と切磋琢磨し合い、とても良い学園生活を送ってください。短いですが学長からの挨拶を終わりとします」
短いなと一言、アインは思い、学長を見る。
校長の話し方や声音とかで判断するならば、ただ優しい人と思うだろうが……いや、実際も優しいのだろうが校長から滲み出ているのは綿密に、純粋な魔力。並びに闘気。
この学園の名に恥じぬ人物とアインは校長を見て思った。
一方、メーアとフィアは隣同士だったらしく、校長の話をあまり聞かず、雑談をしている。
「そうなんですよ!私が強盗に物を取られた時にアインくんが助けてくれたんです!」
「メーア、アインの話を聞けるのは嬉しいけどもうちょっと声を抑えてくれない?周りの視線が痛い」
メーアはフィアの言葉を聞き、周りをちらっと見ると確かに、静かにしてくれオーラがひしひしと感じる目線が向けられていた。
すいませんとメーアはペコペコ頭を下げて謝る。
最後にミーナというとアインの隣で……寝ていた。
気持ち良さそうにぐっすりと。
そんなミーナを見てアインは猫みたいだと思うのだった。
そして、入学式も無事に終わるとそれぞれの教室に行くことになった。
次はそれぞれのクラスの様子を書きますー