4 魔王様への誓い
夢を見ていた。置いて行かれる夢。私は一人ぼっちでもがいている夢。
苦しくって切なくってとても悲しくって。
変な事を口走ったかもしれない。
夢の中で不安を感じていたら、ふと、温かい何かが触れた。心地よくって包みこまれるようで、なんだか、安心する。
その何かにすがって、力を入れて握りしめると不安も安らいでくる感じがする。
……ああ でも、いくらなんでも置いてけぼりはひどいって!ロバ!
そこでウトウトとしながら、まだ眠たい眼を開けるとそこには、魔王様の顔が超至近距離。その近さに驚き跳ねあがる、
まさにエロイムエッサイムー!
心臓ドキドキどころか、心臓バッコンバッコンコン!口から出そうだよ、ウゲェロ!ゲロ!!
魔王様ってば、魔王様ってば、何で私の隣で昼寝?あっ、そうか私魔王様に髪を触られて眠っちゃったんだっけ!?
少し、距離を取り魔王様の寝顔を見つめる。整い過ぎている魔王様の寝顔を見ていると、それだけで魂を抜きとられるような感覚にもおちいる。
けど、寝顔はかわい…
そこで我に還り、バカ!何言ってんのよ!これも魔王様の策略かもしれないわ。私を虜にして、魂をいだたく作戦とか!?
危ない、危ないと意気込み、汗をぬぐう。
魔王様は、疲れがたまっているのか眠りは深そうだ。寝息こそ聞こえないが、眠りは深いとみた。
その時に、私に掛けられた薄手のタオルケットの存在に気づく。
「ケド…優しいとこもあるんだよな…魔王様…」
そうなのだ、この魔王様、実は優しいところもあるのだ。
もし、もし、遠い未来に『勇者』となる物が現れて魔王様を退治しに来ちゃったら、
その時は、私…魔王様とそのしもべ1として、共に退治されてもいいかもしれない…。
そこで再度我に帰り、頭を振る!
ダメダメ!私の役目は今のトコ、魔王様の行動を日々見守り、世界征服なる野望を阻止するべく、行動を監視することよ!
…だって、勇者に倒される魔王様なんて見たくないからね…。
そう思いながら、そっと魔王様の肩にタオルケットをかけた。
なんだかんだで完結です。
お付き合いありがとうございました★