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恋してるだけ   作者: 夢呂
第七章【初めてのデート】
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翌日、早馬先輩とデートの約束をしていた私はその日の夜なかなか眠れずにいた。


(……明日…嬉しいけど、緊張する…緊張して寝れないよ…)


大好きなアイドルと一日だけデート出来ると言われたらきっとこんな心境なのだろう。

明日が待ち遠しいけど、同じだけ緊張する。


私の場合は、テレビに出ているアイドルではなくて“学校の”アイドルが相手なわけだけど。

しかも、一日限定とかではなくて、“彼氏”…だったりするわけなんだけど。


(先輩は、私のどこに一目惚れしたんだろう)

一目惚れだと、先輩は言った。

だけど私はそれすらまだ信じられなかった。

先輩の周りにはいつだって綺麗で積極的な先輩方がいたし、花火大会の日に綺麗な女性(ひと)を連れていたのも忘れた訳じゃない。


ドキドキしている胸にキリッとした痛みが加わる。


(私と先輩、付き合ってるんだよね?)

自分の気持ちは先輩に向いている。だけど先輩は本当に私が好きなんだろうか?


『“早馬朝斗”と付き合うってそういうことだよ』


一護くんの言葉がふと頭をよぎる。


(モテる人と付き合うって、ずっとこんな感じなのかな?)


夢みたいに嬉しいのに、どこか信じられない。

嬉しいのに、切ない。


気が付いたらいつの間にか、時計は朝方の4時になっていた。


(やばい…このままじゃ私眠れずにデートに行かなくちゃいけない…っ)


――――だけど焦れば焦るほど、眠れない。



『優妃、まさかあの男が本気で優妃のこと好きだと思ってる?』


カチカチ…部屋の時計の針が、音をたてて時を進める。


『身の程を知りなよ』


一琉の言葉が、私の心を侵食して暗くしていく。

そのまま私はいつの間にか、眠りについていた。


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