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「おはよう」
急いで支度をして家を出たところで、私は動きが止まってしまった。
「…どうして…」
(先輩が、ここに?)
待ち合わせに間に合わないと思って、事前に少し遅れそうですと連絡したのは確かだが、待ち合わせ場所は家ではない筈だ。
「寝坊したとか連絡してくるから待ち合わせるより迎えにきた方が良いかと思って」
眩しいほど爽やかな微笑みを浮かべて、先輩が言う。
「……すいま…せん?」
待たせてしまった申し訳なさと、私のことを迎えに来てくれた先輩に感激してるのと、突然心の準備もなく会ってしまったこの状況に、私は頭がついていかないので赤面したまま俯く。
「行こう?」
クスッと笑って、先輩が言った。私は黙って先輩の隣を歩く。
(先輩の私服も…―――格好いいな…)
「勉強会、捗った?」
歩きながら何度か先輩のことを盗み見ていると、不覚にも先輩と目があってしまった。
「あ…いえ」
目をそらして私は答える。
(あぁ…今の…絶対不自然だった。…しかも盗み見てたのバレたかも…)
そんな動揺を隠すように、私はヘラヘラと笑いながら言葉を続けた。
「なんか、話してばかりになってしまって」
勉強はあまり進まずに、結局、一護くんと帰ってきてしまったことを思い出す。
「そうだろうね」
「え?」
先輩の言葉が想定外で、私は驚いて先輩を見る。
「大人数で真面目に勉強なんて、無理でしょ普通」
先輩が前を向いたまま、そう言った。そんな言い方されると思わなくて、私はショックを受けていた。
「先輩…、―――なんか、怒ってます?」
「いや、別に?どうして?」
逆にそう聞き返されて、私はうつ向く。言い方が、いつもより冷たい気がした。
「いえ…」
私はそれ以上何も言えなかった。




