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恋してるだけ   作者: 夢呂
第三章【自分の気持ち】
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「………っ」

私は先輩の唇が触れた自分の頬に思わず手で押さえる。頬の熱が異常に急上昇した。

(今、何したの?―――今、なんて言ったの?)


『俺のものになってよ』という台詞が、私の心を掻き乱す。


(アリエナイ。アリエナイ。だって先輩はー―――…。)


素直に頷く事が出来ない理由。それはあの日、告白を断った日の先輩の態度が引っ掛かっていたから。私が断った後、あっさり引き下がっていたし、花火大会にはすでに綺麗な女の人を連れていた。


(本気なのか…信じられないー―…。)



「優妃ちゃん?」

先輩が私の顔を覗き込む。


「あの…私…」

声が震えた。なんて答えるつもりなんだろう、私は。



私の気持ちは、ずっと変わらない。初めて先輩を見た日から。私の中で、先輩は“特別”。


(―――そう。…私は、先輩が好き。)

分かってる。自分の気持ちは。だけど頷けなかったのは、心のどこかでまだ先輩のことを信じられないから。


「付き合ってくれる?」

先輩が、もう一度そう訊ねた。優しくふわりと微笑んで。


(本当に?―――本当に?)


ここで頷けば、先輩は私だけのモノ?

もう他の女の人と付き合わない?


グルグルと考えても、分からない。分かるのは、確かな自分の気持ちだけ。


「優妃?」


私の腰に回された腕が先輩との距離をより縮める。

先輩の瞳が、…真っ直ぐに私をとらえる。


「突き放さないなら、俺は自分の都合の良いように考えるけど?」


綺麗な先輩の顔に見入っていた私は、近付いてきた先輩の唇にそのまま唇を塞がれた――――…。


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