4、終わりは華やかに
やっと、終わったと幸多はアスファルトの地面に座りこんでしまった。
あまりの脱力感に力が入らなかった。
「あー、いた!探したわよ幸多。」
女子の声がした。
「一香か・・・よう。」
「ようって、あれ?その子誰?」
「俺の友達だ。すっげぇ急だけどお願いしていいか?この子をお前の家で居候させてあげてくれないか?」
一香はちょっと黙ったが、
「わかった事情は聞かない。居候しても大丈夫。」
「ホントかっ!よかっ・・・・
バダンッと幸多が倒れた。
とても安心したような顔で。
それからの事。
幸多は三日間ずっと眠り続けていた。
そして、四日目。
「ふぅ、くぁぁああ。」
大口を開けてあくびをし、幸多は起きた。
いつものように起きた。
体が重くなったように簡単に立ち上がれそうになかった。
「こーた?・・こーたが起きたぁ!」
襖を開けて少女が入ってきた。
「ハッ・・ピー?そっか、俺帰ってきたんだ・・な。」
少女は瞳に涙を浮かべて微笑んでいた。
それからが大変だった。
幸多が起きたことをハッピーが一香に報告したため昼食になった。(幸多の起床時間は正午だった。)
ちなみに茅野家は兄弟姉妹が多い。
母、父、祖母、がいる。
そして長女の一香に長男の十真に次女の百花に三女の千鶴という構成になっている。
なぜか幸多も茅野家でご馳走になることになった。
なにやら道路で倒れたとき偶然通りかかった弟の十真が背負って幸多を連れて来たらしい。
「チッ、永遠に寝てればいいのによ。」
幸多が食卓に座ったとき十真が言った。
「あー、言葉使い悪いよとうま。」
妹の百花が箸を十真に向けて言った。
どうやら十真は幸多のことが嫌いらしい。
「箸を指差し変わりに使うのはマナー違反だと思うよ。」
呟くように三女の千鶴が言った。
幸多はああこれが日常風景なんだと心の中で思った。
茅野家の父の合図により昼食を食べることとなった。
幸多の右横に座っているハッピーはまったく箸が進んでいない。
「どした?ハッピー」
「コレ食べられるの?」
焼き魚を指差して言っている。
幸多は見本になるように箸で焼き魚の身を裂いて口に入れた。
「ホラ、食えるぜ。食ってみろよ。」
ハッピーはしぶしぶ頷きプルプルと震えながら箸を持った。
ぎこちない箸の持ち方で焼き魚の身を小さく箸で裂いて恐る恐る口に入れた。
無言で口だけ動かしている。
喉がゴクンと動いた。
「わぁ!おいしい。とってもおいしいよ。」
ハッピーは満面の笑みで答えた。
「ハッピー、もっと食べていいよ。」
一香がそう言ってほかの物も勧めていた。
(そういやいつの間に仲良くなったんだ?ハッピーのやつ。異世界のことは話してないよな。)
スクッと幸多は立ち上がった。
「ハッピー、ちょっと来てくれ。」
食事中だったが無視して幸多とハッピーは縁側に行った。
「お前、異世界のこと話してないよな?」
「話してないよー。あたりまえじゃん。私そんなに口軽くないもん。」
「あのなぁ・・・。」
くすっと少女は笑った。
そしてハッピーは小走りをして幸多の前に行くとくるっと体を幸多の方へ向けた。
「こーたが守ってくれるんでしょ?私のこと。」
―あとがき
第一巻(話)どうだったでしょうか。
まだ試作品なのでショートです。
ああ、つたない文章ですいません。
ショートですので次巻は考えてません。
この一巻でお楽しみを・・・。
―ハァ、PCでうつと目が辛いので今回はこの編で〆させていただきます。
青髪 一杜




