表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空と海を継ぐ者 神も仏も居るんです  作者: 平木 ナヲル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/38

幕間 たらいのうどん!

短い幕間を挟みました。

「我は前鬼なり!前鬼はたらいに入ったうどんが食べたいなり!!」

海にかかえられた前鬼が、突然大声を上げた。


「何だよ!たらいに入ったうどんって?」

「何でうどんがたらいに入っているんだ?」

空と優がキョトンとして前鬼に尋ねる。


「美しの郷で女将が教えてくれたなり!この地のたらいうどんは絶品らしいなり!!」

「妾は後鬼なり!後鬼もそのたらいうどんを望むなり!!」

後鬼も続いた。

「ならば、支払いは兄貴なり!!」

海も悪のりする。


「久しぶりにそのやり取りを聞いたな!」

空が笑った。

「よし、美しの郷では迷惑をかけたから、俺の奢りだ〜!たらいのうどんを食べに行こう!!」

優が拳を突き上げた。


その姿は、美しの郷でギクシャクとしてしまった感じは微塵もなく、普段の関係に戻っていた。




「これが『たらいうどん』なりか?」

「思った以上にシンプルなり!」

前鬼と後鬼が歓声を上げた。


机の上に『ドン』と置かれた、大きなたらいに入れられたうどんを見て、空達も目を見張った。

「つけ麺なんだな!」

「おツユがいい香り!」

「早速喰おうぜ!」


海に抱えられた前鬼と後鬼が、たらいうどんを出汁に付け、一口(すす)る。

「美味いなり!」

前鬼がカッと目を見開く。

「上品なお出汁に、喉越しの良い麺が合うなり!!」

後鬼がもう一口と海にせがんだ。


海が甲斐甲斐しく前鬼と後鬼の口元にたらいうどんを運びながら、合間を見て自分もうどんを啜る。


「確かに美味いな。だが、何で器がたらいなんだ?」

空がたらいうどんのいわれを調べる。

「うどんも美味いけど、俺はこのサワガニの素揚げが気に入った!」

優がバリバリとカニを食べながら笑う。


「元々は寿司桶に使われる木の桶で豪快に食べていたのが、たらいで食べているように見えたので、たらいうどんの名が付いたらしいよ」

空がメニューの裏の説明を見て呟いた。


「なるほど。大人数で囲んで食べるからこのスタイルになったんだな」

優と海も、メニューに書いてある説明を覗き込む。

「ねえ、下の谷川に降りてみようよ。出汁に使われるジンゾクっていう魚がいるみたいよ!」




「水が綺麗。透き通って、川底が見えるわ!」

海が大はしゃぎで、谷川に入った。

「苔で滑るから気をつけろよ!」

「大丈夫よ。気持ちいいから空兄も入りなよ」

空が眩しそうに海の足元を見て、『よし、俺も…』と靴を脱いだ。


「だけど、明らかに水量が少ないな!」

優も靴を片手に周りを見渡した。

「何故か市場村の周辺だけ、雨が降ってないのよね」

隣でうどんを食べていた家族の会話を思い出して、海が心配そうに呟く。


だが、前鬼と後鬼の明るい声が、そんな雰囲気を吹き飛ばす。

「あの石の陰に魚がいるなり!」

「カニもいるなり!!」

前鬼と後鬼も楽しそうに笑いながら、水辺の自然を満喫していた。






空も海も優も、美しの郷で受けた精神的ダメージを癒やすと、次の巡所がある市場村いちばむらを目指して歩き出した。





ルート的に微妙に苦しいのですが、前鬼が「たらいうどんが食べたいなり!」と駄々をこねたため、少し寄り道をしました…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ