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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第一章 異世界転移したおっさんが、壊れた魔導書と旅に出る。
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旅立ち 将校用宿舎・3

「わー…………………

 見て……………………」

「…………見え……ぞ」

「さわっ……………」

「確………な」


「ナオキさん。

 あな………………ますよ。

 大丈夫、がんばてください」


「…………う?」

「おお、俺にも…………」


「あなたには神の力が、満ちています。

 ……………怒り。

 …………う気持ちを、握り…………。

 神の愛を……………ん」

「俺は現実主義なんだが……」


「よか………本が………ね。

 ………これ…………ろ?」

「力を…………とかなるさ。

 それに、何があっても俺が守る」

「……………てる」


守れなかった。

守るはずだった。

離れてはいけなかった。

失ってはいけなかった。




気持ち悪い、二日酔いみたいだ。

景気が揺れる。

クラクラする。



ユミル:

「大丈夫ですか?

 先程のあ……」


フリスト:

「ユミル。

 黙れ」


直樹:

「ん?

 何か……

 あったのか?」


ユミル:

「いえ……

 気のせいです。

 それよりも、ナオキ様。

 朝食の準備ができていますよ」


直樹:

「あぁ、ありがとう」



目を閉じて左手に集中した。

有る、たしかにココにある。

握りしめる?

何を握るんだ……


知ってる、俺は知っている。

体に纏わり付く何か、体の中の何か……

霧の様なものだ。

握ったり、開いたりを繰り返す。


ユミル:

「ナオキ様。

 冒険の書は、どうなりましたか?」


手の中に何かがあるんだが……


直樹:

「上手くはいかなかった。

 どうすれば冒険の書……」


左手にバシンという衝撃が走る。


直樹:

「……をだせる?」


ん?

何か持っている。

よく見ると黒い本を持っていた。

B5サイズのハードカバーの本。


これか?

何だろう……

こんなだったか?

黒い本だったか?

いや、青、青い本だったはずだ。

握った感触にも違和感を覚える。

薄い、もっと分厚かったはずだ。

大学ノート2冊分しか無い。

この倍以上の厚みがあったはずだ。

本当にコレか?



直樹:

「ユミル、これの事か?」


左手で持ったまま、テーブルの上に立てて見せた。


ユミル:

「えぇ……と。

 どれでしょうか?」


怪訝そうな顔で、こちらを見ている。


直樹:

「なんだ、見えないのか?

 じゃあ、触れもしないのか。

 いや……

 触れるはずだ」


ユミルが手探りで、本を探り始めた。

そう。

冒険の書は見えないが、触れるはずだ。


ユミル:

「あ!

 何かあります。

 あぁぁぁぁぁ!


 おぉぉぉぉぉ

 これが、冒険の書……」


少年のように目を輝かせた。


ユミル:

「持たせてもらっても……

 よろしいでしょうか?」


直樹:

「あぁ、いいぞ」


ユミルに手渡す。

本から、手が離れると霧散した。


直樹:

「あ!

 消えた」


ユミル:

「え!」


ユミルの顔が、一気に青ざめる。


ユミル:

「申し訳ありません。

 本当に申し訳ありません。

 僕が、不注意に触ってしまったせいで、とんでもない事に。

 どう責任をとれば……」


フリスト:

「ユミル、どうしたの?」


ユミルが、必死な形相で謝り続けている。

そうだった、これはたしか……


直樹:

「冒険の書」


バシンという、衝撃と共に本が現れる。


直樹:

「また、出たぞ!」


ユミルに声を掛けると、手に触らせる。

椅子に座り安堵の表情でグッタリしていた。



本をテーブルに置いて、手を離す。

すると本は霧散する。

また本を取り出して、テーブルに置く。

右手の指で触りながら、左手を離してみた。

本は消えていない。

次は頭にのせて、落としてみる。

本は落下しながら、霧散していった。


直樹:

「大丈夫だ、ユミル。

 俺の身体から離れると消えるみたいだ」


ユミル:

「そうでしたか……

 それは、良かったです」


直樹:

「冒険の書の、使い方は解るか?」


ユミル:

「いえ。

 使い方は、異世界人が知っているはずだと」


直樹:

「ふーーん」


冒険の書をペラペラとめくる。

日本語で何か色々書いてあるみたいだが。

いつでも読めそうだから、まずは食事にしよう。


フリスト:

「ユミル、顔色が悪いぞ。

 汗もひどいな。

 どうしたんだ?お前」


ユミル:

「大丈夫。

 本を触っただけです」


フリスト:

「ん?」



フーーーー、スッキリした。

問題が解決できてなによりだ。

まずいメシも美味しく感じる。



直樹:

「ユミル。

 聞きたかったんだが……

 魔法、魔方陣は、何処で手に入る?

 俺にも使えるのか?」


ユミル:

「魔力があれば使えるはずです。 

 魔法は、軍から支給されますよ。

 簡単なものや生活魔術などは店でも販売してます」


直樹:

「店で売ってるのか魔法?

 儲からないだろ?

 一回買ったら終わりだし」


ユミル:

「いえ、違いますよ。

 魔法はは消耗品です。

 商品によりますが、使ってるうちに壊れます」


直樹:

「どこで作ってるんだ?」


ユミル:

「軍管理の工場です」


直樹:

「工場……」


魔法は家電扱いか……?

なんか俺のイメージと違う。


直樹:

「俺って、魔力あるのかな?

 魔法は使える?」


ユミル:

「冒険の書を使うんですから、魔力はあるはずです。

 魔力量を調べる試験紙がありますよ。

 必要ないと思いますが、やってみますか?」


ユミルは自分の鞄から、名刺サイズの紙を取ってきた。

端のほうに丸が書いてある。


ユミル:

「端の丸を摘むと、紙に記録されます」


直樹:

「なるほど……」


言われた通り端の丸い部分を摘む。

これで俺も、魔法使いか!

ドキドキしながら、ユミルに見てもらう。


ユミル:

「えーっと。

 エッ!?

 反応ありません。

 どうして!?

 魔力が…ありませんが……」


直樹:

「なんだ、魔法は使えないのか。

 残念だな。

 元の世界に魔法なんかなかったし。

 予想通りの展開か……」


ユミル:

「ナオキ様、どうするんですか?

 魔力がありませんよ。

 これでは魔導書が……使えません」


直樹:

「うーん。

 どうだろう?

 ユミルも死にかけたんだろ?

 魔力以外に使える手段があるんじゃないのか?


 冒険の書には色々と書いてあるみたいだった。

 休憩中にでも読んでみるさ。

 さて。

 俺はまず、足の訓練を開始する」


早く歩けるように足の訓練を欠かすことはできない。

1日の訓練を終えると。

身体を拭いてからベッドへと戻た。


直樹:

「冒険の書」


魔道書を取り出すと読み始める。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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