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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第三章 異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う。
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貰い火 嘆き・8

直樹:

「なんだ?

 遺体泥棒の件か?

 だから盗んでないぞ。

 本人の許可だって貰っている。


 それにお前たちでは、助けられなかっただろ?

 救えないお前らが悪い」


メグスラシル中将:

「そこではない。

 君が助けた兵士たちの状況の事だ。


 よく聞いてくれ。

 君が助けなければ、全員が死んでいたはずだ。


 その場合、兵士が身寄りのない場合を除き。

 兵士の家族には、戦死の保障として金銭が支払われる。

 そのお金は、家族にとって重要な生活費になるだろう……


 しかし、君が助けてしまった。

 彼らは、まだ生きているのだろう?


 当然、戦死保障金は支払えない。

 しかも、彼らは軍務を放棄している。

 給料は出ない。

 仕送りをしていた兵士の家族は。

 いったいどうやって、暮らしていけばいいんだ?」


直樹:

「待て!

 待て、待て、待て!

 ちょっと待ってくれ!」


まずいぞ……

そんな仕組みがあったのか。

基地の軍医は、どう処理していたんだ?

隷属者の家族の事なんて、考えたこともなかった。



直樹:

「あぁ!

 俺の勘違いだ!

 こいつら以外は、みんな死んでたぞ!

 奴ら全員に、その戦死保障金を!」


メグスラシル中将:

「では、遺体は何処に?

 彼らの遺体は無い。

 戦死保障を払うのは難しい」


直樹:

「待て、待て。

 本当に待ってくれ!

 そうだ!

 死体が見つからない戦死者だっているはずだろ!」


メグスラシル中将:

「こんなに大量は、ありえないぞ!」


直樹:

「待ってほしい」


メグスラシル中将:

「そこでだが。

 どうだろう?

 君が助けた兵士を、こちらで働かせないか?

 それなら給料は出せる。

 戦死保障金も小額にはなるが、都合してもいい」


直樹:

「兵士として参加させるのか?

 それは無理だ。

 条件が色々とある。

 4日を超えては、存在できない」


メグスラシル中将:

「それは、どういうことだ?」


直樹:

「奇跡の代償だ!

 困ったぞ……

 時間をくれ!

 すぐには回答できない」


メグスラシル中将:

「ナオキ殿。

 我々も鬼ではない。

 彼らは、君がいなければ確かに死んでいたはずだ。

 こちらも少し考えてみよう。

 1日挟んで明後日。

 また話し合いを持とうではないか?

 どうだろ?」


直樹:

「ありがとう。

 よろしく頼む」


メグスラシル中将:

「そうか。

 ありがたい。

 ではよろしく頼む。

 明後日、またこちらから兵を連絡に行かせる」


直樹:

「わかった」


中将と握手をして、テントを出る。

物資補給の仕事に戻った。





大佐:

「メグスラシル中将、お見事です」


准将:

「クッソ!

 あの異世界人!」


メグスラシル中将:

「まだ序盤に過ぎない」


准将:

「次は、必ず!」


大佐:

「准将殿。

 異世界人を敵視するのはおやめください」


メグスラシル中将:

「准将!

 彼に手を出すことは許さない!」


准将:

「しかし、メグスラシル様……」


メグスラシル中将:

「准将!

 君は、状況がまるで分っていない!

 感情論で物を見るな。

 今は戦争中だ。


 彼は我々の補給線。

 生命線となりえる存在だ。

 彼の協力が得られなければ、後1月と持たない。

 准将!!

 君が彼の代わりに、物資を提供できるのか?」


准将:

「無理……です。

 申し訳ありません」


メグスラシル中将:

「我々は、負ける事は許されない。

 どんな手を使ってでもだ!

 大佐!

 現在の兵站状況を」


大佐:

「はい。

 現在、補給線の復旧の目途が立っておりません。

 異世界人に頼っている状態です。


 兵の補充の件ですが。

 戦地を迂回している事と、敵の妨害もあり補充が厳しい状況です。

 消耗速度に追いつきません」


メグスラシル中将:

「要請している、異世界人の状況は?」


大佐:

「できればローガン殿、もしくはジョン殿。

 誰か戦闘系異世界人の援助をいただけないか。

 上層部に打診しては、ありますが。

 望みは薄いと言わざるえません。


 わが部隊に配属されている異世界人2人は役に立たず。

 改善のために、キンックで訓練中です。

 敵軍に、異世界人の兆候は見られませんが。

 警戒は必要です」


メグスラシル中将:

「今、ナオキ殿を手放すわけにはいかない……」


大佐:

「はい。

 ですから、ナオキ殿を追い込むのは……」


メグスラシル中将:

「わかっている。

 それにあの能力、どれほどの兵士を扱える?


 よし。

 瀕死の兵士はナオキ殿に引き渡せるよう配慮させろ。

 バレてもかまわない。

 それと巡回・警護の兵士は、接触させるな。

 

 物資の補給時に、少将への手紙を依頼しよう。

 それとは別ルートで、少将へ連絡を取れ。

 彼の情報を集めるんだ!」




中将との話が終わった俺たちは、黙々と作業をする。

何処の世界も、金の問題が付きまとう。


午後14時から、俺一人で瀕死の連中を隷属させる。

超絶操作マッスルマリオネットを使えば、バレることはない。

34人の追加だ。


申し訳ないが……

いざとなったら隷属者の家族の件は、無視させてもらう。

そもそも隷属者とは、条件を提示しての契約だ。

腹を括ってしまえば、たいした話ではない。


できる限りは、彼らの家族も助けてやりたいとは思うが。

限界はある。


今回の件で、軍に目を付けられたと思うが。

それなりの兵力は持っているので、逃げ切れるだろう。

中将と適当に話を合わせながら、自分の有利な方向へもっていきたい。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

地図はランキング?の所に、リンクを貼ってあります。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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