intimate relationship
7時にセットした
モーニングコールに
慌ててふたりとも
シーツの上やピローの下を
手探りし
最後は私がとめた
しばらく天井を見上げて
頭がはっきりしてくるのを待ち
身体を起こした
うつぶせの彼の背中に
キスをして
裸のままバスルームへ向かう
蛇口をひねって
熱めのお湯をためながら
水位が上がるバスタブのなかに座り膝をかかえた
お湯が
腰の辺りまでたまる頃
やはり
裸のままの史哉が
バスタブの僅かな隙間に
身体を滑り込ませ
私を背中から抱きしめた
水位がいっきに上がる
お湯のなかで
乳房と下腹部をまさぐる手に身体をよじろうとして
彼の両足に自由を奪われた
私の脚を開くようにして
両側から固定すると
バスタブのなかで
完全に支配した
蛇口から勢いよく
落ちる湯の音に
私の喘ぎが混ざる
のぼせる前に
解放してよ?…
ホテル3階の
見晴らしのよいダイニングで モーニングプレートと
ブラックコーヒーの朝食を済ませたあと
ゆっくりチェックアウトし
銀座まで歩いた
途中
ショーウィンドーいっぱいにかけられた
ウェディングドレスを見て
「朱音はどんな式を挙げたい?」
と、
問いかける史哉に
「ガーデンパーティー形式が理想だけど 史哉は仕事関係の招待が多くなるでしょう?年配のお客様は
式場の方が安心するでしょうね」
「最近は結構自由らしいけどな」
「うちの親のことは話してある通りだから
おばあちゃんには何度も会ってるから 今さらかしこまることもないわね」
「ああ
うちの親父とは…
そうだな どこかでメシでも食べるか」
母は
喜ぶだろうか…
祖母を
あの家族と親族席に
同席させなくてはならない気まずさに
ほんの少し気が滅入る
自分にとっての家族は
亡くなった祖父と
優しい祖母だけ…
でも、
母たちを呼ばないと話せば
祖母は納得せず
自分も出席しないと
言うだろう
有楽町から山手線で
東京駅に出て
中央線に乗りかえた
史哉は思い立ったように
祖母に挨拶すると言って 一緒に三鷹の自宅を訪れた
「まぁまぁ、史哉君
いらっしゃい」
祖母は
優しい顔をほころばせて
孫の恋人を歓迎した
いつもより長く
仏壇に手をあわせ
お寿司でもとろうかと
孫に耳打ちする祖母に
史哉は
「おばあちゃん、少し
お話しても良いかな?」
と、
ネクタイの位置を直して
向き直った
座卓をはさんで
祖母もすこし
緊張した面もちで
正座した
「朱音さんを僕にください
これまで以上に おばあちゃんのことも大切にします」
史哉の言葉を噛みしめるように 僅かな時間を置いて
目尻を押さえながら
祖母は何度も頷いた
「ありがとう
こんな大切な話を
この子の親より先に聞いたんじゃ申し訳ないわ
良かったねぇ 朱音
うんと幸せにおなりなさいな」
「ありがとう
おばあちゃん」
「ほら、やっぱりめでたい日だから、お寿司をとろうねぇ」
祖母はいそいそと台所へたつと
お品がきの束をめくりながら
ふと
手を止めると
流しの前で顔を覆った




