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俺と奴隷少女の異世界生活  作者: 柊 ヤマト
第二章 街からの脱出
12/22

ご主人様は誘拐犯を殺すようです

地下の階段を下りる毎に怒りと殺意がこみあがってくる。


「ここが監獄か」


なかなか広い作りになっており、監獄への道の入り口に木の板で文字が書いてある

あの商人は今奴隷を売る為に遠くの街まで出かけているのでここには奴隷はいないだろう。

もし奴隷が1人でもいたら騒ぎになっていたので運が良かった。


さてどの道を進むかと考えてくると、女の悲鳴がかすかに聞こえてきた。

この悲鳴はレディアだ。

どこだ、どこの道なんだ。

「こっちか!」

俺は看板に★マークが書いてある道に向かって走り始めた。

頼む、無事でいてくれ。



レディア視点



ゴスペル、この男は商人とグルだった。

いつからかは知らないが脱獄用の穴を知っていた商人はゴスペルの自由を約束して、ゴスペルは商人と手を結んだのであろう。

売れない奴隷の処分をする為に。

彼は絶望した人間の顔を好む異常者だ、普通に殺すなんかつまらない、なんて下種な事でも考えていたのだろう。

逃げた奴隷達は商人が門の反対の位置にある飲食街で晩飯を食べていると思い、門まで移動したがそこに商人は待ち伏せをし、脱獄し人生をやり直せると希望に溢れていた奴隷達を全員殺害した。

私が最後の一瞬で見たのは商人の狂った笑顔だった。


ご主人様…あなただけでも逃げて欲しい

私は死んでもかまわない、私に感情をくれたあなたにこれ以上迷惑はかけれない


私は、ゴスペルに連れて行かれ、永遠と拷問を受けていた。

ゴスペルは殺さない程度に私を痛みつけ、ご主人様の事を聞いてきた。

だが私は絶対に言わない。


「なぁ?レディアだっけか?あの奴隷達の脱獄する時の笑顔見たかぁ?あの笑顔!希望が出来てさぞ嬉しかったろうなぁ!」


私は両手両足を縄で結ばれ、うつぶせになっている。

この男が何を言おうが、もう聞けなかった。

聞きたくなかった。

脱獄の提案をし、皆から感謝の言葉を浴びせられていた男が

こんな男だったなんて。


すると細い道の方から走る足音が聞こえる。

ああやめて、やめて。

細い道から出てきた男は服や手、包丁が血で染まっているご主人様だった。

なぜ、なぜ来たのですか?

自然と涙が溢れてくる。

来て欲しくなかった。

でも、ありがとうございます、ご主人様。

私は、またあなたに救われました。


「お前誰だ?その血、もしかして兵士達を殺したのか?」


「うるせぇ、お前とする話は無い。レディア遅くなってごめん、そこで見といてくれ、今からそいつを殺す」


ご主人様の目は赤く染まっていた。


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