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第0話 ~王子様なんていない~
魔女も呪いも実在する。
それは私が身をもって痛感した事だ。
一年ほど前、突然私の前に魔女が現れた。絵本の様な、黒いとんがり帽子に黒いドレスの柔らかな金髪の魔女。
なんで魔女とわかったかって? その女性が自らを魔女と言ったから。それから……私に呪いをかけたから。
『お前に呪いを与えた。発作的に全身を激しい痛みが襲う呪いだ。何もしなければ小一時間は続くだろう』
「何もしなければ……?」
『異性との口付けでそれは瞬時に治まる』
ああ、これは本当に呪いだ。
私はまだ十二歳。そんな関係を持てる様な人なんていない。
そうでなくても……私は周りとの関係が思わしくないというのに。
魔女は言うだけ言って消えた。
突如、激しい痛みが全身を襲う。
「あああああ!!」
呪いが現実のものだと認識した。
ああ、王子様なんて人が現れたらな……。でもそんな人はいない。それだけは自分の人生で思い知っていた。




