魔人信者、覚醒の鎖
腐狼の消滅後、信者たちは怒りによって魔人へと第二段階進化を遂げた。制御を失いながらも戦闘力はさらに上昇している。
森の奥で、空気が歪んでいた。
ガズルの言葉が落ちた直後、信者たちの体がさらに変質する。
「……泡の中に神だと?」
フードの奥で誰かが笑う。
その声はもう人間のものではなかった。
「ならばいい」
「その神ごと喰らえば、我らが新たな神になるだけだ」
黒い魔力が一斉に噴き上がる。
信者たちの肉体がひび割れ、骨が軋む。
“魔人化第二段階”
怒りと執念が、さらに上の進化を引き起こしていた。
「来るか……」
ガズルが低く呟く。
リーダー格の信者が踏み込む。
その腕は獣のように肥大し、爪は刃のように鋭い。
「裏切り者ガズル」
「貴様から始末する」
地面が割れる。
一瞬で距離が詰まる。
だがその瞬間――
「遅い」
ガズルの姿が消えた。
次の瞬間、背後に現れる。
「お前らはまだ“怒り”で動いてるだけだ」
「だから止まる」
ドンッ、と一体が沈む。
しかし残りは止まらない。
魔力はさらに膨れ上がる。
「喰らえ!!」
戦場全体が歪み始める。
狩り場へと変わっていく空気。
その上空。
一粒の泡が静かに浮かんでいた。
戦いはガズルと魔人信者の全面衝突へ。
メグルは戦場を上空から観測している存在であり、これは「介入前の状況観測フェーズ」である。




