ショート番外 ラーラとミアの誕生
ラーラとミアは、母親ラミアの人生(?)2度目の産卵で出てきた、4個の卵から産まれました。
※母親は平民なので、固有名詞である名前は無い。
父親は…?特にいません。
ラーラの住む世界のラミアは殆ど女性しかいない為、発情期になると、別のオス・男性魔物を誘惑し、あんなんしてこんなんして…、子種だけいただく。
そうやって子孫を残すのです。
しかも女の子しか生まれません。
※男性ラミアは、別の世界からの流れ者
母親ラミアは、高貴な魔族の男性と情熱的な夜を過ごしてから、妊娠してることに気がつきました。
しかも今回は、前より沢山の娘を宿したかも?
ラミアは人間と違って「つわり」は無いものの、身体の調子が悪くなることが多い点は一緒です。
身体が怠い、機敏な動きができない、獲物を噛む時に牙から出す毒の使い分けがしづらい、魔法が上手く使えない…等。
幸い、双子の娘ラミア(長女と次女)は2人揃えば狩りができるくらい成長している為、母親が不調の間の食事の心配は無用でした。
逆に娘達が、母親ならびに未来の妹達の為に、イノシシやクマ、大型カエルや魔界マグロ等を狩ってくれました。
娘達が用意してくれたご馳走のおかげで、母親や胎内の中の妹達はたっぷりと栄養が取れました。
7ヶ月後、急に産気付きました。
「イタタタタタタ…」
脂汗がダクダクに…。
平民ラミアが沢山住んでいる森(便宜上、『ラミアの森』と呼ぶことにする)の中にある、大きな木の下の洞穴の住まいに1週間ほど籠り、長女と次女の手を借りながら産卵しました。
長女が街に買い出しに行った際に購入した、ハーピーのフカフカ羽毛の上には、卵が4個ありました。
卵はクリーム色で、大きさ1mくらい。
母親ラミアは4個の卵を、ヘビ胴体、両腕、豊満な胸を駆使して、愛情込めて温めました。
力を込めすぎて卵を割ってしまったり、落としたり転がしたりしないよう気を使いながら。
ずーっと飲まず食わずは流石にまずいので、たまに長女や次女に卵の番をお願いして、その間に食事と休息を取りました。
母親ラミアと未来の姉2人の愛情の結果、
ピシッ!パキパキ…
4個の卵の内、1個が孵化しました。
緑色の鱗をした、見た目は普通の蛇の赤ちゃんです。
「ミィミィ!」
元気よく泣いています。
この世界のラミアは、赤ん坊の時だけは、人間の上半身は有りません。
少しずつ脱皮を繰り返し、人間のような顔と髪の毛、両腕、胸に女性の象徴が現れるのです。
因みに耳は、尖っています。
2個目の卵からは赤い鱗の蛇の赤ちゃん、3個目はサーモンピンクの鱗の蛇の赤ちゃん、そして、4個目の卵が孵化しました!
ピシッ!ピシシシッ!!
可愛い桜ピンクの鱗の蛇の赤ちゃんでした。
「ミィミィ♪ミミッ♪」
六女となるこの子は、凄く人懐っこいならぬ「蛇懐っこい」ようで、母親、姉2人、ちょっと早く生まれた姉達にも甘えまくりです。
緑色の鱗の蛇の赤ちゃんは後のラーラ、桜ピンクの鱗の蛇は後のミアでございます。
彼女達が生まれてから165年後、母親ラミアは何回目か本人も忘れるくらいの産卵をしました。
そして、35人姉妹になりました。
子沢山だと、家計も大変です。
狩りだけでは、キツくなってきました。
そうなると…働くしかありません。
しかし大黒柱(?)が家をずっと開けるわけにはいかない…。
母親ラミアが悩んでいると、
「母様、私が働きます!私ずっと考えてたビジネスがあるんです!それを成功させれば、幼い妹達を飢えさせずに済みます!それどころか、裕福になれますから!!」
「お前…♡」
母親ラミアは三女ラミアに、えらく感動しました。
三女ラミアのビジネスとは、
人間界に行き、善良な人間を苦しめる、法の裁きでは手ぬるいレベルの悪徳人間を喰い⚫︎して金品などを奪い、自分達や被害者人間でシェアすること。
で、ある。
「その為には、準備が必要だわ。お金は勿論、ビジネスの協力者もね。」
このラミア一家は平民の為、そう簡単には他の魔物達は協力してくれません。
まずは母親以外の成人ラミアの姉や妹達も協力して街でアルバイトや、狩りで得た獲物を店に売って金を稼ぎました。
ラミアの特性を活かしたアダルトなアルバイトをした姉妹も…。
どんなアルバイトか?まぁ、ほぼ大人、大人の読書様なら想像がつくと思います。
三女は合間にビジネスの協力者探しをしました。
興信所、大工や解体を行う職人、貴族向けのフリーマーケットの運営者、闇医者などなど…。
イバラの道でした。
「人間界で儲かるなんて夢物語じゃね?」
「人間なんて助ける価値ないのに。くだらない!」
「平民の考えるビジネスなんてアテにならん!」
別のラミア達からは勿論、他の魔物達からもあしらわれる日々でした。
必死で頭を下げ続けた結果、初めての協力者が出ました。
ウェアウルフ興信所です。
まだこの当時の所長は、木場ガルーさんでは無く、別のウェアウルフでした。(以下、先代所長)
先代所長は、人間界に興味が凄くある方だった為、三女ラミアのビジネスに賛同してくれました。
因みに所長の弟は、人間界で人間の女性と結婚して、15年前に息子も生まれたとのこと。
息子の名前はガルーと。
弟から、
「人間界の人間は、良い人間と悪い人間の両方が居る。人間界の法律では、被害者が泣き寝入りすることが殆どなんだ…。だからそういった人々の為に、悪い奴らに人間界ではあり得ない裁きを下せれば良いのに…」
と、聞いたことがあるとのこと。
先代所長は自分のツテを利用して、大工や解体を行う職人、貴族向けのフリーマーケットの運営者、闇医者を紹介してくれました。
ところで闇医者って??
DQN人間から剥ぎ取った臓器を買い取ってくれる医師です。
職人はラミア、しかも別世界出身の男性ラミア達で構成された団体(ちょこっとだけ女性ラミアも居る)、フリーマーケットは人間界のアイテムに興味を持つ貴族ラミア、闇医者は魔族です。
オーク等も紹介してくれました。
5年かけて準備が整ったことで、『上層部』と言う何処かの組織から認められ、人間界でビジネスを始めたのでした。
後のラーラがシホと出会うのは、そこから10年後の未来のお話でございます。




