67 テイク・ラスト・ワンチャンス2
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
完結が近づいてきました。
翌日、魔族の大侵攻にどのように対応するかを話し合うために、軍議が開かれた。
その軍議には上級魔族3人も人間の姿で参加していた。
冒頭、ホーク司令官が挨拶した。
「人間界に大侵攻することが宿命づけられている1000年魔王に率いられ、約8億の魔族がもうすぐこの城の近くに連結空間を作りやって来る。しかし、恐れることはない! 今回の大侵攻がこれまでに歴史上繰り返されてきた大侵攻とは全く異なるのだ。勇者ランスロ、みなさんに説明を。」
ランスロは大勢の出席者の前に出て説明を始めた。
「魔族は全て敵でしょうか。いや違います。魔界が誇る序列1位から3位までの上級魔族の方々がここにいらっしゃるとおり、人間との平和を望み互いに手を携えていく未来を選ぶ方々が多いのです。それに、私が戦うべき1000年魔王のザラさんも、ほんとうは大侵攻など望んでいません。」
彼が大変意外なことを話したので、会場は大いにざわついた。
「1000年魔王が大侵攻を望んでいないのなら、なぜ止めないのですか。勇者の言われることは矛盾しています。それとも何か特別な理由があるのですか。」
出席者の質問に彼は答えた。
「実は、大侵攻を望み人間を殺戮しようと考えているのは、『魔王の剣』業火です。そのために1000年魔王のザラさんの心を強く支配しています。ですから、真の敵は業火なのです。」
「勇者は『魔王の剣』業火をどうされるおつもりか。」
「はい。私が持つ『勇者の剣』希望で、業火を折ってしまう必要があります。業火を折ってしまえば、1000魔王ザラさんは侵攻を止めて、魔界に帰るでしょう。」
「それでは、戦術の説明に移らせていただく。」
ホーク司令官が会議を進行させた。
「勇者ランスロにはできる限り早く、1000年魔王ザラとの1:1の勝負に持ち込んでいただきたい。その他の魔族は私達人間が対峙しよう。心配なのが、下級中級魔族であれば人間の騎士でも勝つことができるが、上級魔族だとすると1万人の騎士が戦っても勝てない。」
司令官がそう言った時、少しよろよろしながら炎人バーンが手を上げた。
「発言。よろしいか。」
「どうぞ。バーン殿。」
「人間界に侵攻して来る魔族は、序列第4位ゴーレムのクレイと第5位の獣人レオです。彼らにたくさんの人間を殺させて、この先何百年も残ってしまうような遺恨を残したくありません。彼ら2人の相手は私達3人にお任せ願いたい。人間のみなさんは、彼らを見たら戦わずに逃げてほしい。」
「みなさん。よろしいですか。ここにいらっしゃる序列第1位炎人バーン殿、第2位魔神グリゲイド殿、第3位竜人ドラン殿に上級魔族対策をお願いしよう。」
それを聞いて、国軍を率いてきた騎士長ボーンが意見を述べた。
「聞けばバーン殿とグリゲイド殿は先の戦いで、ボロボロに消耗していらっしゃるとのこと。結果として、ドラン殿が2人の上級魔族と戦うのでは大変です。私が加わりましょう。勝つことはできないかもしれませんが絶対に負けませんから。」
そう言ったボーンを見て、バーンとグリゲイドはその強さが人間を超越しているものであり、上級魔族とも対等に戦えるほどだとすぐにわかった。
炎人バーンが言った。
「騎士長ボーン殿、あなたなら上級魔族と剣を交えても命を落すことはないでしょう、我々のサポートをお願いします。」
最後に最大の問題点について、ホーク司令官が議論を求めた。
「最も問題なのが魔族の数の問題です。下級中級の魔族は8億に達します。それに対して我々人間は50万人ほど、この圧倒的な数の差を克服することは困難です。」
ランスロが意見を述べた。
「8億の魔族は、1000年魔王ザラさんの精神感応力に指示されて戦っているに違いありません。私が『魔王の剣』業火を折り、ザラさんが1000年魔王でなくなるまで、なんとかがんばっていただけないでしょうか。」
国軍の副官、近衛騎士のフィリップが意見を出した。
「大変簡単な作戦でとても恥ずかしいのですが、8億の魔族が魔界から人間界に侵入しようとする連結空間を、できるだけ狭くしてしまうのはどうでしょうか。そうすれば魔界から少しずつ人間界に来るしかなくなります。少ない人数が人間界に現れた都度、たたくのです。」
ホーク司令官がその意見に参道した。
「とても良い考えだと思いますが、問題はどうやって連結空間の面積を狭くするかですね。何か良い方法があるのかどうか…………」
炎人バーンが再び手を上げて提案した。
「私が火球を連結空間に投げましょう。絶対高温の火球であれば、連結空間を組成している魔術式の一部を溶かしてしまうことができます。ただ、今の体の状態だと火球を作り放出するのは1回しかできません。しかし、がんばってやってみます。」
「是非願いします。ここはバーン殿に頼るしかなさそうです。」
軍議は終了と同時に、ランスロはホーク司令官から指示された。
「ランスロ。後でお願いしたいことがあるから司令官室に来てほしい。」
「わかりました。」
しばらくしてランスロは司令官室の前にいた。
さっき指示されたばかりなので、彼はドアをノックしてすぐに開けて中に入った。
「司令官。入ります。」
中に入ると、司令官は不在で一人の女性がソファーに座っていた。
「グネビア王女様! 」
「ランスロ! 」
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※更新頻度
年末年始はできる限り更新をがんばります。




