66 テイク・ラスト・ワンチャンス
一生懸命に作話しました。是非是非、お楽しみください。
完結が近づいてきました。
「勇者の剣」希望が出現したことで、「魔王の剣」業火は共振したように震えた。
そして業火は1000年魔王ザラの心の支配を強め、命令に従う彼女はさらに絶大な力でしかも素早くランスロに向かって業火を降り始めた。
ランスロは防御に撤するしかなく、嵐のようにザラが振る業火を受け続けるしかなかった、
その中で彼はザラの体に大きな負担がかかり、限界に近づいていることを感じた。
(いけない― このままだとザラさんの体が崩壊してしまう! )
彼は後ろにジャンプして、できる限りの間合いをとった。
倒れていた炎人バーンと魔神グリゲイドの方を見るといなくなっていた。
(打ち合わせたとおり、竜人様が人間界に運んでくれたんだ。)
再びザラが自分の所に殺到してくるのを見た彼は、瞬間的に斜め前に移動して、自分が魔界に来た時に使った連結空間に飛び込んだ。
そして、すぐに人間界のトランスファー城の城壁の前に飛び出した週間、連結空間を「勇者の剣」希望で切って消滅させた。
既に彼の回りには、彼を警護するように多くの兵士達が取り囲んでいた。
「ランスロ、大丈夫か。」
城のホーク司令官が心配そうに声をかけた。
そばには竜人ドランがいた。
「マスター心配をおかけしました。炎人様と魔神様は今どうしていらっしゃいますか。」
「できる限りの手当をして、城の一室で休んでもらっている。」
「ランスロ殿。ザラ様は強かったですか。」
「はい。とても強くて防御に専念するしかありませんでした。そして、かなり多くの魔族が後ろに控えていることを感じました。」
「バーン様とグリゲイド様が、最強の力で2億の魔族を減らしたそうですが、後8億くらいの魔族が従い人間界への大侵攻に加わるということです。」
「8億!!! 不幸中の幸いですが、それだけの膨大な数の魔族が人間界に侵攻する連結空間を作り、実際に通過するまでには数日かかりますね。」
「そうだランスロ。もう防御態勢は整っているが。明日、このトランスファー城に国軍が着くので、最後の軍議が行われる。申し訳ないが作戦としては、最後は、勇者であるランスロが1000年魔王と戦い、必ずなんとかしてくれるということを前提にしている。」
「はい。マスター、もし炎人バーン様、魔神グリゲイド様が回復なさっていたら、もちろん竜人ドラン様もですけれど、軍議に参加していただき、実際の作戦にも加わっていただきたいのですが。」
「わかった。了解する。ところで、国軍の司令官は騎士長ボーンで副官は近衛騎士のフィリップだ。遠慮なしで意見交換しよう。…………えーっと、それから、国軍と一緒に王女様も来訪される。都で大人気の歌劇団を引き連れて、これから戦うみんなを慰問なされるということだ。」
「グネビア王女様もいらっしゃるのですか。」
「たぶん、婚約者の誰かさんに最後のお言葉をかけたいのだろう。ただ、王族としての責任と義務を優先されるあの方は、決して、自分個人がやりたいことはなされないだろうけどな。」
次の日の早朝、国軍が続々とトランスファー城に入城した。
その数はざっと5万人とされていた。
これで元々城に駐在している5万人と合わせて10万人となった。
城門の監視塔でランスロとともにその様子を見ていたホーク司令官が言った。
「国軍といっても、本来は王都イスタンの守備をしなければならない国王直属の軍勢…………」
2人が国軍の進軍をしばらく見ていると、大変な違和感を感じた。
「マスター、いや司令官。国軍の人数が多すぎないですか。」
「うん。十倍くらいはいるな。それからランスロ、いろいろな旗が見えるぞ。」
「そうですね。先頭はグロスター公爵家、アンハルト公爵家のものもあります。」
2人はいてもたってもいられなくなり、馬に乗って城門を出て迎えに走った。
「おーい。」
「おーい。」
向こうからも騎士が3人、馬に乗って走ってきた。
騎士長ボーン、コンラード公爵家の副官フィリップ、そしてアンハルト公爵家ジェイドだった。
5人は近づいて肘タッチをした。
「ボーン。王都からここまでお疲れ様。」
「いえ、マスターホーク。あなたが背負う責任に比べれば疲れてなんかいられません。」
「フリップ、お久し振り。ジェイド先輩、来ていただいてありがとうございます。それにしても、国軍に加わっていただいた貴族の数はすごいので、驚きました。」
「ランスロ君。士官学校で君に言ったことを証明しにきました。ノブレス・オブリージュ…私達貴族は、ゴード王国から、財産、権力、社会的地位を生まれた時から約束されている。そのために国民を守るため、大変重い義務を果たさなければならない。」
「どのくらいの貴族が加わっていただいたのですか。」
「約100家、50万人の軍勢です。グロスターとアンハルト、両公爵家の呼びかけに応じてほとんどの貴族が軍勢を出してくれました。自分達の城や領地を守るよりも、ここで戦い、コンラード王国と国民を守ることを選択しました。そのために、私達も勇者の君を支えます。」
「ありがとうございます。」
ランスロは心の底から感謝して深くおじきをした。
お読みいただき心から感謝致します。
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※更新頻度
年末年始はできる限り更新をがんばります。




